【専門家別】遺産分割協議書の作成費用
相続の専門家といえば弁護士や司法書士、税理士や行政書士の4士業ですが、遺産分割協議書の作成費用は以下のように異なります。
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弁護士:依頼人が受ける経済的利益による
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司法書士:相続登記1件につき10万円程度
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税理士:相続財産の0.5~1.0%程度
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行政書士:10万円程度(書面化だけであれば3万円程度)
上記はあくまでも目安ですが、具体的には次のような特徴があるので、ご自身の相続状況などに照らし合わせて専門家を選んでください。
弁護士の費用
弁護士費用は基本的に自由料金ですが、2004年3月までは日弁連(日本弁護士連合会)作成による報酬規程に従っていました。現在も旧報酬規程に従う弁護士が多く、依頼人が受ける経済的利益をベースに、以下のような費用相場になっています。
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300万円以下:着手金8%、報酬金16%
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300万円~3,000万円:着手金5%+9万円、報酬金10%+18万円
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3,000万円~3億円:着手金3%+69万円、報酬金6%+138万円
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3億円以上:着手金2%+369万円、報酬金4%+738万円
なお、着手金は最低でも10万円必要であり、示談または調停による解決の場合は、上記の額の2/3が弁護士へ支払う費用になります。
司法書士の費用
司法書士に遺産分割協議書の作成を依頼する場合、不動産の調査や相続登記とセットにするケースが多く、必要書類の取得費も含めた費用設定になっています。また、事務所ごとに費用もまちまちですが、日本司法書士連合会が2018年1月に行ったアンケートによると、司法書士費用の相場は以下のような結果でした。
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全体平均値:6万~8万円
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低額者10%の平均:3万~5万円
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高額者10%の平均:9万~12万円
不動産の調査費用には固定資産評価証明書や名寄帳、戸籍謄本や登記事項証明書などの取得費があり、相続財産が不動産1件であれば4,000~5,000円程度で取得できます。少しでも節約したい方は自分で必要書類を収集し、登記申請だけ司法書士に依頼してもよいでしょう。なお、不動産相続には「固定資産税評価額×0.4%」の登録免許税もかかります。
2018年1月実施の報酬アンケート結果(日本司法書士連合会)
税理士の費用
税理士費用の相場は相続財産の0.5~1.0%であり、1億円の相続財産であれば50万~100万円になります。ただし、遺産分割協議書の作成だけではなく、相続財産の評価や相続税申告もセットにしているケースが一般的です。遺産分割協議の前には財産評価が必要なので、評価の難しい財産があるときは税理士に関与してもらい、遺産分割協議書の作成まで依頼すると流れがスムーズです。
不動産や非上場株式は適正評価が難しいので、相続財産に含まれていれば遺産分割協議の準備段階から税理士に関わってもらうことをおすすめします。
行政書士の費用
行政書士へ遺産分割協議書の作成を依頼した場合、費用は3万~5万円が相場になります。他の士業より低めの費用であり、相続人の確定や相続財産の調査を依頼しても8万~10万円前後なので、すべて任せた方が費用効果は高くなります。他の士業と同じく書類作成のプロフェッショナルですが、なるべく低コストに抑えたいときは、行政書士への依頼を検討するべきでしょう。
遺産分割協議書の作成を専門家に依頼した方が良いケース
書籍やネット上の記入例を参考にすれば、遺産分割協議書は自分1人で作成できます。しかし遺産分割協議の成立が大前提となり、作成後は様々な相続手続きも発生します。人によっては相続手続きに時間を割けないケースもあるため、次のような状況であれば、専門家への依頼をおすすめします。
相続人同士のトラブルで遺産分割がまとまらない
弁護士は本人の代理人として遺産分割協議に参加できるので、話し合いを決着させたいときは弁護士に依頼することをおすすめします。
遺産の分け方を巡って相続人同士が争っている場合、当事者だけでは解決の見込みが立たず、長期化する可能性も高くなります。しかし弁護士に依頼すれば、法的理論を構築して相手と交渉してくれるため、遺産分割協議の決着も早くなります。遺産分割協議書の作成はトラブル解決とセットになる例が多いので、弁護士に関与してもらったときは、そのまま作成までお任せできます。
不動産の相続登記を依頼したい
不動産の登記は司法書士の独占業務なので、遺産分割協議書の作成と相続登記をセットで任せたいときは、司法書士への依頼が効率的です。
相続登記も基本的には自分1人で対応できますが、不動産の数が多いときや、権利関係が複雑なときは司法書士へ任せるべきでしょう。所有権が祖父母やその前の代で放置されていると、権利関係者が数十人になるケースもあり、専門家以外の対応は困難になります。また、遺産分割協議書を作成する際、不動産の書き方は特に間違えやすく、わずかな記入ミスでも無効になってしまいます。確実な相続登記や遺産分割協議書を作成したいときは、司法書士へ依頼してください。
財産評価や相続税申告を依頼したい
不動産や非上場株式など、価値のわからない財産があるときは、税理士に評価額を算定してもらいましょう。
相続財産が一定額を超えると相続税もかかりますが、税額計算は大変複雑なので、不慣れな方が計算すると高確率で税金の納め過ぎや過少申告が発生します。申告漏れや過少申告は税務調査を誘発しやすく、最悪の場合は延滞税や追徴課税などのペナルティも科せられます。相続税申告書の作成も不慣れな方にはハードルが高いので、財産評価や遺産分割協議書の作成とセットで依頼しておくとよいでしょう。なお、相続人同士のトラブル解決は弁護士への依頼が一般的ですが、財産の価値や税負担がトラブルの原因であれば、まず税理士に相談することをおすすめします。
相続財産が預貯金や自動車のみ
相続人同士の関係も円満であり、相続税申告や相続登記もなければ、行政書士に遺産分割協議書の作成を依頼してみましょう。
主な相続財産が預貯金や自動車の場合、司法書士に依頼するよりも低コストに抑えられます。また、相続手続きには戸籍謄本や住民票などの書類も必要ですが、多忙な方は自分で収集できないケースもあります。しかし行政書士は書類収集にも対応してくれるので、遺産分割協議の準備・遺産分割協議書の作成ともに安心して任せられます。
遺産分割協議書作成費用は誰が支払う?
専門家に遺産分割協議書の作成を依頼した場合、誰が費用を支払うかで迷ってしまうケースもあります。一般的には依頼人が支払うものと考えられていますが、必ずしもそうではなく、各専門家によって次のように分かれています。
弁護士費用は依頼人が支払う
弁護士に遺産分割協議書の作成を依頼したときは、基本的に依頼人が費用を支払います。弁護士への依頼はトラブル解決とセットになっていることが多く、弁護士は依頼人の利益を重視して交渉などにあたります。したがって、直接的な利益を受けるのは依頼人であり、弁護士費用も依頼人による支払いが当然といえます。
あまりないケースですが、もし遺産分割協議書の作成だけを依頼した場合は、各相続人の取得額に応じて按分してもよいでしょう。
司法書士や税理士、行政書士費用は相続人同士の話し合いで決定する
弁護士以外の費用は特に決まりがなく、基本的には誰が支払っても構いませんが、相続人同士の話し合いで負担割合を決めるケースが一般的です。
たとえば不動産を相続した人が司法書士費用を支払うなど、直接的な利益を考慮して負担割合を決めるとよいでしょう。ただし、税理士費用については「二次相続」を考慮しておく必要があります。夫婦のどちらかが亡くなる状況を一次相続といい、相続税の軽減措置を使えることから、配偶者に遺産を集中させるケースが多くなっています。残された配偶者が亡くなる状況を二次相続といいますが、一次相続よりも配偶者名義の財産が増えているため、子供の相続税が高額になる可能性があります。配偶者が税理士費用を支払えば、二次相続の遺産総額が減少するので、次回の相続も考慮して負担割合を調整してください。
まとめ
自分で遺産分割協議書を作成すれば、必要経費は戸籍謄本などの取得費だけになります。専門家へ依頼するよりも低コストにはなりますが、単なる書類作成では終わらないこともあるため、まずは相続の状況を整理してみましょう。評価の難しい財産があったり、相続人同士が揉めていたりする場合は、遺産分割協議まで辿り着かない可能性があります。「自分だけでは解決できない」と思ったら、早めに専門家へ相談しておきましょう。
ただし、士業であれば誰でもよいというわけではなく、相続に強いことが必要条件です。各士業には専門分野があるので、口コミやホームページから情報取集し、相続の実績・経験ともに豊富な専門家を選んでください。



