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相続手続き

最終更新日:2021.04.20

【図解】系尊属とは誰のこと?
尊属・卑属の違いや
直系・傍系の違いも解説

このコンテンツでわかること

  • ■ 直系尊属、直系卑属といった言葉の意味が理解できる
  • ■ 直系尊属が相続人となるケースがわかる
  • ■ 直系や傍系の意味の違いについて理解できる

相続について調べていると、「直系尊属」という言葉を目にすることが度々あります。第二順位の法定相続人であり、直系尊属からの贈与には特例があるなどと説明されていますが、そもそも直系尊属とは誰のことでしょうか。

日常生活ではほとんど使うことのない言葉で、いったい何のことなのかサッパリわからないということもあるかと思います。それでここでは「直系尊属」やそれに関連した言葉について解説していきたいと思います。親族に関する法律用語がもう怖くなくなるはずです。

直系尊属とは

父母や祖父母などを直系尊属といい、自分より前の世代で、血のつながった直系の親族です。法律上の親となる養父母も含まれますが、おじやおば、配偶者の父母や祖父母は直系尊属になりません。

一方、自分の子供や孫などを直系卑属といい、尊属とは逆に、自分より後の世代で血のつながった親族です。

尊属と卑属の違い

自分からみた前の世代の血族を尊属といい、後の世代の血族を卑属といいます。

  • 尊属:父母、祖父母、曾祖父母、おじ、おば、養父母など

  • 卑属:子供、孫、ひ孫、玄孫、甥、姪など

養子と養父母は法律上の血縁であり、養父母も尊属になりますが、普通養子縁組の場合は、実親も養子の尊属となります。特別養子縁組の場合は、実親との親子関係を解消され、養親のみが法律上の親となる制度のため、養父母のみが尊属となります。

尊属・卑属はさらに直系と傍系に分かれるので、家系図を描いてみるとわかりやすいでしょう。直系とは、血のつながった縦ラインの系統であり、傍系は同じ祖先から分かれた横ラインの系統です。

兄弟姉妹や、従兄弟・従姉妹は傍系血族といい、年齢差があっても自分と同列に位置するため、尊属や卑属には該当しません。

直系尊属の例

以下のイメージは家系図の一例ですが、自分(本人)を起点にした場合、上につながっていく縦ラインが直系尊属となり、以下の人が該当します。

  • 直系尊属:父母、祖父母、曾祖父母、高祖父母、五世の祖、六世の祖など

養子縁組をした場合、法律上は血縁関係のある親子とみなされます。それで養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、養父母の養父母もすべて直系尊属となります。 なお、上記の図からわかる通り、配偶者の父母や祖父母(義父母、義祖父母)は直系尊属ではありません。配偶者の父母や祖父母は、配偶者との婚姻によって生じた姻族という関係になります。婚姻を起因とした関係であり、自分とは血縁上の関係がないので直系尊属とはならないわけです。ちなみに、配偶者は直系に該当しません。あくまで配偶者という扱いです。

直系尊属が相続人となるパターン

では、直系尊属が相続人となるのはどんなケースでしょうか。まず、相続の基本ルールを押さえておきましょう。

  • 被相続人の配偶者は必ず相続人となる

  • 配偶者以外の相続人には以下の順位がある
    ● 第一順位:直系卑属(子供や孫)
    ● 第二順位:直系尊属(父母や祖父母)
    ● 第三順位:兄弟姉妹

  • 上の順位の相続人がいる場合は、下の順位の人は相続人とならない

  • 同順位の人が複数いる場合は全員が相続人となる

相続順位からわかるように、配偶者は特別な扱いであり、次に子供や孫が優先されるため、直系尊属が相続人になるケースは限られています。

これらを踏まえて、直系尊属が相続人となるケースを見ていきましょう。

配偶者あり、子供なしの場合

配偶者がいて子供がいない場合、相続人は配偶者と第二順位の直系尊属(父母や祖父母)となります。第一順位の相続人がいないため、第二順位の父母が相続人となる状況ですが、父母もすでに亡くなっているときは、祖父母に相続権が移ります。

また、民法では遺産分割の目安になる法定相続分を定めており、被相続人の配偶者と父母が相続人になるケースでは、以下の割合を目安に遺産を分け合います。

  • 法定相続分:配偶者2/3、父母1/3(両方生きていればそれぞれ1/6ずつ)

配偶者なし、子供なしの場合

被相続人に配偶者も子供もいない場合は、直系尊属が相続人となります。この場合の法定相続分は、直系尊属が全部となります。

被相続人の父母が生きている場合は、それぞれが1/2ずつです。父母どちらか一方のみ生きている場合はその人が遺産の全部を相続します。

被相続人の父母が二人ともすでに亡くなっている場合には祖父母が相続人となります。この場合も祖父母が遺産の全部を相続します。

[参考]法定相続人の範囲とは? 相続順位・相続割合と共に解説

直系尊属と傍系尊属の違い

尊属の範囲は勘違いが起きやすいため、自分(あなた)を起点にした場合、誰が直系尊属や傍系尊属になるのか、もう少し詳しく解説します。

直系尊属は自分よりも前の世代となり、父母や祖父母など、血のつながった縦ラインの親族です。傍系尊属も自分より前の世代ですが、直系尊属から分岐した横つながりの親族であり、血縁はあるものの、遺言書による指定がなければ相続人にはなれません。具体的な傍系尊属は、おじ、おば、大おじ(祖父母の兄弟)、大おば(祖父母の姉妹)、従伯叔父母(いとこおじ・いとこおば、父母のいとこ)が該当します。

姻族とは

婚姻(結婚)によって親族関係になった人を姻族(いんぞく)といい、配偶者側の血族を指しています。配偶者の血族とは、義父母(配偶者の両親)、義兄弟姉妹(配偶者の兄弟姉妹)などのことです。血族の配偶者とは、子供の配偶者、兄弟姉妹の配偶者などのことです。

婚姻によって生じた親族関係になるため、配偶者との離婚や死別があったとき、解消の意思表示をすれば姻族ではなくなります。

親族とは

最後に、親族についても解説しておきます。民法では、親族について下記のように規定されています。

  • 配偶者

  • 六親等内の血族

  • 三親等内の姻族

親等は自分から世代を辿るごとに数えますので親と子供は一親等ということになります。兄弟姉妹は親の子供なので二親等、おじ・おばは祖父母の子供なので三親等です。六親等内の血族が親族と定められていますので、再従兄弟姉妹(はとこ)や従兄弟の孫までが民法上の親族ということになります。

また、三親等内の姻族が親族となりますから、曾孫の配偶者、甥や姪の配偶者、義兄弟姉妹の子供(義甥・義姪)までが親族ということになります。

まとめ

直系尊属、直系卑属、傍系、姻族や親族といった相続に関してよく出てくる用語を解説してきました。それぞれの意味についてご理解いただけたと思います。

実際、相続はいつ発生するのか誰にもわかりません。発生した時に慌てないためにも、しっかりと最低限の知識を持ち見分を広めておくことは大切です。いくらかの知識があるだけでも心の余裕につながりますし、スムーズに相続手続きを進めやすくなります。

なお、直系尊属から贈与を受ける際は非課税制度の特例を活用できるかもしれません。ご不明な点がある場合は、ぜひ法律の専門家にアドバイスをもらうことをおすすめします。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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