相続手続きで必要になる戸籍謄本の種類
ほとんどの相続手続きには、被相続人(亡くなった方)の子供、または親であることを証明するための戸籍謄本が必要となります。また、子供がいない場合や親がすでに亡くなっているときは、被相続人の兄弟姉妹が相続人になるため、子供や親がいないことの証明として戸籍謄本が必要です。相続手続きではこのような事実の証明が必要なため、以下の戸籍謄本を取り寄せます。
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被相続人:出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本など
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相続人:現在の戸籍謄本
戸籍謄本の正式名称は戸籍全部事項証明書といい、戸籍の筆頭者や本籍地の他、その戸籍に記載される人全員の氏名や続柄などが記載されています。除籍謄本は死亡や結婚などにより、戸籍の中の人全員がいなくなった状態の戸籍の写しです。改製原戸籍は戸籍法改正前の大変古い戸籍を指しますが、被相続人の出生までをたどる際に改製原戸籍謄本が必要な場合があります。
戸籍謄本を取得する際の注意点
相続手続きにおける戸籍謄本の役割は、被相続人の死亡の確認や相続人の範囲の確定です。想定外の相続人が発覚することもあるため、漏れなく準備しなければならず、戸籍謄本の原本とコピー、どちらが必要になるかは手続きによって異なります。
原本が必要になる場合、手続きの度にそろえると何度も役所に出向くことになるので、なるべく1回の請求で必要部数がそろうよう事前に調べておくとよいでしょう。また、原本を提出する相続手続きでは返却されないことも多いので、必要部数の戸籍謄本を準備するか、後半で解説する法定相続情報一覧図の作成をおすすめします。
相続手続きで使う戸籍謄本の取得方法
戸籍謄本は本籍地で発行されるため、現在住んでいる地域の役所で取得できるとは限りません。本籍地が離れている場合は郵送請求もできますが、請求時には本人確認書類や手数料相当の定額小為替も必要になります。取得場所や取得方法に応じて次のような方法があるので、今後戸籍謄本を集める際の参考にしてください。
本籍地の役所で戸籍謄本を取得する場合
被相続人の本籍地がわかっていれば、本籍地の役所に出向くか、郵送で戸籍謄本を取得できます。本籍地が不明であれば、被相続人の本籍地が記載されている住民票の除票を請求しましょう。結婚などにより転籍している場合は、以前の本籍地の役所にも戸籍謄本を請求します。役所の窓口で戸籍謄本を取得する場合、以下の書類と料金を準備しておきましょう。
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各自治体の戸籍交付申請書
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印鑑(認め印でも可)
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本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
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料金:1通450円(除籍、改製原戸籍は1通750円)
【戸籍交付申請書の一例〜東京都千代田区】

申請書は各自治体の公式サイトから入手できる場合も多いので、あらかじめ必要事項を記入しておくとよいでしょう。なお、インク染み込み式の印鑑は戸籍請求に使えません。
本籍地の役所に戸籍謄本を郵送請求する場合
ほとんどの自治体では公式サイトに戸籍の請求書を掲載しているので、自治体名+戸籍謄本でネット検索してみてください。ただし、戸籍・除籍・原戸籍のうちどこまで必要になるかわからず、1回の郵送ではすべてそろわないこともあるので注意してください。戸籍謄本を郵送請求する場合には以下の書類と料金が必要になります。
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各自治体の戸籍交付申請書(郵送用)
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本人確認書類の写し(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
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手数料相当額の定額小為替
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返信用の封筒と郵便切手
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料金:1通450円(除籍、改製原戸籍は1通750円)
【郵送用の請求書の一例〜東京都千代田区】

定額小為替は郵便局の貯金窓口やゆうちょ銀行で購入できますが、料金と同額にならない場合は多めに入れることをおすすめします。おつりも定額小為替で返還されます。
代理人が戸籍謄本を取得する場合
戸籍謄本を請求できるのは基本的に本人または配偶者、子供や孫などの直系卑属や、両親や祖父母などの直系尊属です。配偶者以外は縦のつながりになりますが、様々な事情から縦ライン以外の代理人に戸籍謄本を取得してもらう場合もあります。このようなケースでは委任状が必要になり、委任者(委任する人)と受任者(委任される人)で作成した委任状を戸籍の請求に使います。
【委任状の一例〜東京都千代田区】

親族や知人など、近しい関係の人に代理人を頼めない場合、弁護士や司法書士への依頼も検討しておきましょう。弁護士や司法書士には代理権があるため、戸籍の収集から相続財産の調査まで任せることができます。
戸籍謄本に有効期限はない
相続手続きによっては住民票なども必要ですが、発行から3カ月以内など有効期限が設定されています。準備が早すぎると有効期限が切れることもありますが、戸籍謄本に関しては有効期限がありません。なぜなら、被相続人が死亡した事実は何年経っても変わらないという理屈があるからです。相続の状況によっては何通もの戸籍を取り寄せますが、時間があれば自分と被相続人の戸籍だけでも取り寄せるようにしてください。いずれ必要になるので、早めに準備しても無駄にはなりません。
【参考】相続手続きにも使える「法定相続情報一覧図」とは
戸籍謄本や除籍謄本など、相続手続きの際には様々な種類の戸籍が必要です。相続人の戸籍も合わせると膨大な量になることもありますが、2017年(平成29年)5月29日開始の法定相続情報証明制度を利用すると、戸籍収集の負担も軽減されます。
法定相続情報証明制度とは、戸籍や除籍謄本をもとに作成した法定相続情報一覧図を法務局へ提出し、認証されると5年間は一覧図の写しが無料交付される制度です。不動産の相続登記が放置されないように創設された制度ですが、預貯金口座の相続手続きにも使えるので、一度作成しておけば相続手続きはかなり楽になります。
他にも様々なメリットがあるので、法定相続情報一覧図の取得方法とともに詳しく解説します。
法定相続人の証明になる法定相続情報証明制度とは?メリット・デメリットまとめ
法定相続情報一覧図の写しの取得方法
戸籍謄本などの代わりに使える法定相続情報一覧図には、図形式と列挙形式の2種類があります。図形式は家系図を作成するようなイメージで、列挙形式は一覧表のようなイメージです。
様式は法務局ホームページからダウンロードできるので、下準備としてそれぞれ相続人の状況に応じたものを用意してください。記入例も掲載されているので、一緒にダウンロードしておくとよいでしょう。
まず戸籍謄本などを取得して一覧図を完成させる
法定相続情報証明制度を利用する場合、まず被相続人や相続人について以下の書類を取得します。
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被相続人:出生から死亡までの戸籍、除籍、原戸籍謄本および住民票の除票
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相続人:現在の戸籍謄本または戸籍抄本
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申出人:申出人の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード、住民票記載事項証明書などの写し)
被相続人の住民票の除票が取得できない場合は、本籍地の役所で戸籍の附票を取り寄せるようにしましょう。必要書類がそろったら法定相続情報一覧図を作成しますが、用紙はA4サイズの白い紙を使うようにしてください。
登記所へ申出をして認証してもらう
一覧図が完成したら「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」も作成し、以下の住所地を管轄する法務局のいずれかに直接、または郵送で申出を行います。
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被相続人の本籍地(死亡時の本籍)
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被相続人の最後の住所地
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申出人の住所地
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被相続人名義の不動産の所在地
一覧図の申出には戸籍謄本などを添付しますが、登記官によって認証された後、一覧図の写しを請求する際に返却されます。
法定相続情報一覧図の写しを取得するメリット
相続手続きに法定相続情報一覧図の写しを利用すると、労力の軽減や時間短縮など様々なメリットがあります。特に大きなメリットは次の2つであり、相続財産が多い場合には有効活用できるでしょう。
相続手続きにかかる時間が短縮できる
法定相続情報一覧図を作成しておくと、手続きの都度戸籍謄本を取得する手間が省けます。現実の相続では「これで全部」と思っていたところに新たな財産が発覚し、再度戸籍を取得するケースもあるので、一覧図があれば大幅な時間短縮になります。
銀行などの内部処理も短縮化を期待できますが、一覧図の提出を受け付けているかどうか事前に確認しておくとよいでしょう。 複数の相続手続きを同時進行させる場合も、個別に戸籍謄本をそろえるより、一覧図の写しを取得した方が効率的です。
書類の取得にかかる費用を削減できる
相続手続きには戸籍謄本の原本を必要とするものが多いため、手続きの種類が多いほど取得費用もかさんでしまいます。法定相続情報一覧図を作成しておくと、5年間は無料交付してもらえるので、書類取得にかかる費用も大幅に削減できます。
まとめ
十分な知識があれば自分で相続手続きを進めることもできますが、途中でギブアップしてしまう原因の多くは戸籍の収集です。特に被相続人の戸籍は、戸籍法の改正や転籍などにより出生から死亡までの連続した戸籍がなかなかそろいません。現役で働いておられる方には戸籍収集の時間確保が難しく、定年退職して時間がある方でも、膨大な作業量に挫折してしまうケースもあります。また、ほとんどの相続手続きには期限があるので、1人で抱えきれない場合はすぐにでも専門家へ相談しておきましょう。



