上場株式の相続税額評価方法
上場株式は「相続発生日の最終価格×株式数」が相続税評価額になります。ただし、株式は急激な価格変動が想定されるため、相続発生日の最終価格は以下のうち、もっとも低い金額を選択して構いません。
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相続発生日の終値
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相続が発生した月の終値の平均額
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相続が発生した月の前月の終値の平均額
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相続が発生した月の前々月の終値の平均額
異なる株式が複数ある場合は、株式ごとにもっとも低くなる評価時期を選択できます。また、円未満の端数は切り捨てで株価を評価します。具体的には以下のように評価時期を選択するので、前々月までの終値は必ず確認してください。
上場株式の相続税評価額の具体例
上場株式を保有していた家族が4月20日に亡くなり、株価が以下の状況だったと仮定し、相続税評価額を確認してみましょう。
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4月20日の終値:5,000円
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4月の終値の平均額:4,700円
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3月の終値の平均額:5,100円
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2月の終値の平均額:4,900円
このケースでは4月の終値(相続が発生した月の終値の平均額)がもっとも低くなっています。保有株式が2,000株だった場合は、940万円(4,700円×2,000株)が相続税評価額になります。
土日や祝日に相続が発生したときの上場株式評価額
証券取引所が休場している土日や祝日に相続が発生したときは、相続発生日に近い日付の終値を相続税評価額にします。相続発生日が土曜日であれば前日の金曜日の終値になり、連休の中日に相続が発生したときは、連休前後の終値の平均額が相続税評価額になります。
上場株式の相続税評価額の調べ方
上場株式は新聞やネットに株価が掲載されていますが、前々月まで遡って平均額を計算するのはかなり大変な作業です。過去の株価を調べたいときは、以下のように対応してください。
証券会社に残高証明書を発行してもらう
残高証明書には過去の株価が記載されているので、被相続人(亡くなった人)が証券口座を開設している取引店に発行請求してください。相続が発生している旨を伝えれば、過去3カ月分の終値平均額も計算してくれる場合があります。また、残高証明書の発行には以下の書類が必要になるため、あらかじめ市町村役場で取り寄せておきましょう。
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被相続人の死亡がわかる戸籍謄本や住民票の除票
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被相続人と請求者の関係がわかる書類(戸籍謄本や法定相続情報一覧図)
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請求者の本人確認書類(運転免許証など)
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請求者の印鑑証明書
戸籍謄本や住民票除票は、コピーした後に返却されます。
インターネットを利用して調べる
東京証券取引所のホームページには月間相場表が掲載されているので、過去の平均株価がわかります。また、相続発生日の終値を確認したいときは、Yahoo!ファイナンスが便利です。なお、東京証券取引所の月間相場表は毎月7日に前月分が掲載されるので、月初に相続が発生したときは7日以降に株価を確認しましょう。
上場株式の保有状況がわからないときは証券保管振替機構に照会する
被相続人の株式保有状況がわからないときは、証券保管振替機構に照会しましょう。
証券保管振替機構に以下の書類を郵送すると、被相続人の証券口座などが記載された登録済加入者情報通知書が届きます。
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開示請求書
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被相続人と請求者の関係がわかる戸籍謄本
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被相続人の住民票除票や戸籍の附票
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法定相続情報一覧図
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請求者の本人確認書類の写し(運転免許証など)
発行手数料は1件6,050円になっており、代金引き換えで支払います。
上場株式を相続したときの注意点
上場株式を相続する場合、状況によっては未収配当金や配当期待権も発生しますが、相続財産へのカウントを忘れてしまうケースがあります。また、端株の確認も忘れやすいので、以下の点に注意してください。
1単元に満たない端株は配当金計算書で確認する
1単元に満たない端株(最低売買単位に満たない株)は残高証明書に記載されないケースがあるので、株主あてに郵送される配当計算書を確認しましょう。所得税や住民税の欄がアスタリスク(***の表示)になっていれば端株はありませんが、金額が記載されている場合は端株を保有している可能性があります。
配当計算書には信託銀行などの株主名簿管理人が記載されているので、問い合わせすると端株の有無を教えてもらえます。
未収配当金や配当期待権も相続財産になる
相続発生日によっては配当期待権(配当を受ける権利)や未収配当金が発生し、いずれも相続財産になります。以下の要件すべてに該当するときは、配当期待権も相続税の課税対象になります。
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被相続人の保有株式に配当がある
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配当基準日の翌日から配当確定日の間に相続が発生している
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被相続人の死亡後に配当を受け取ることができる
配当期待権があるときは、以下のように相続税評価額を計算します。
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計算式
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予想配当金額×(1-源泉徴収税率20.135%)×株式数
また、配当確定日の翌日以降に株式保有者が死亡したときは、配当未収金(受け取っていない配当金)が発生します。
複数の取引所に上場されている株式の相続税評価額
株式が複数の取引所(東京や名古屋証券取引所など)に上場されている場合、どの取引所の株価を選択しても構わないので、最安値を確認しておきましょう。
配当支払いや新株割当てがあるときの相続税評価額
配当支払いや新株割当ての基準日直前や、基準日直後に相続が発生したときは、株価が一時下落しているケースがあるので注意してください。配当支払いや新株割当ての権利を取得する場合、配当基準日などの3営業日前までに株式を購入する必要があります。しかし、基準日の2営業日前に株式を購入しても配当を得る権利がないため、株価が一時下落する「権利落ち」の状態になります。権利落ちしている状況の終値は正常な株価とはいえないため、権利落ちした日の前日の終値を相続開始日の終値と考えます。
相続発生直前に売却したが受け渡し未完了の株式がある場合
相続発生直前に売却した株式が受け渡し未完了になっている場合、残高証明書にそのまま記載されているケースがあります。売却した株式が残高証明書に記載されているときは、上場株式の評価額ではなく、売却代金の総額を未収入金として相続財産に算入します。また、証券会社に支払う未払い手数料は債務になるため、相続財産から差し引くことができます。
まとめ
上場株式には複雑な評価額計算がないため、非上場株式に比べると相続税評価額の把握は容易かもしれません。ただし、未収配当金などが発生していると相続財産への加算を漏らすことが多く、相続税の過少申告などにつながりやすいので、注意が必要です。配当金計算書は配当額だけをみるケースが多いので、端株があれば必ず確認しておきましょう。
残高証明書や配当金計算書の記載内容がわからないケースもあるため、上場株式の評価に不安があるときは、税理士に評価を依頼してみましょう。



