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相続税

最終更新日:2023.05.31

車場の相続税を評価する方法4つ!
小規模宅地等の特例で対策できる?

駐車場の相続税を評価する方法4つ!小規模宅地等の特例で対策できる?

このコンテンツでわかること

  • ■ 駐車場の相続税評価する4つの方法
  • ■ 駐車場の相続税評価額の計算方法
  • ■ 小規模宅地等の特例を利用できる駐車場がわかる

都市部の土地は評価額が高いため、所有者が亡くなると高額な相続税がかかります。しかし、一定要件を満たす土地には特例税制を適用できるので、被相続人が経営していた貸駐車場を相続したときには、評価額を引き下げられる可能性があります。貸駐車場は安定的な賃料が入り、賃貸マンションなどに比べるとメンテナンス費用も低いため、評価額が下がれば魅力的な相続財産になるでしょう。

なお、一口に駐車場といっても青空駐車場や立体駐車場など様々な種類があるので、土地の状態や運用形態に応じた評価方法を知っておかなければなりません。評価方法を間違えると相続税の申告ミスが発生するため、追徴課税などのペナルティが科されてしまう可能性もあります。

そこで今回は、駐車場の種類に応じた相続税評価額の計算方法をわかりやすく解説します。

駐車場の相続税を評価する4つの方法

駐車場には以下のような種類があり、相続税評価額の計算方法は「自用地」と「貸している土地」に分かれます。賃貸しておらず、自分で利用している土地が自用地になるので、以下のケースは貸している土地になります。

  • 土地の所有者がアスファルト舗装した貸駐車場

  • 賃借人がアスファルト舗装した貸駐車場

  • 自宅貸駐車場

  • 店舗やマンションなどの専用駐車場

貸している土地はオーナーが自由に使えないため、自用地評価額を基準として一定割合の評価減が認められるケースもあります。

また、アスファルトやフェンスなどの構築物があるか、誰が経営しているかで評価方法が変わるので、以下を参考にしてください。

土地の所有者がアスファルト舗装した駐車場

土地の所有者がアスファルト舗装やフェンスの設置を行っている駐車場の場合、「自用地」として相続税評価額を計算します。アパートやマンションなど、賃貸用の建築物がある土地には借地借家法が適用されるため、貸家建付地として評価しますが、駐車場は借地借家法を適用できません。駐車場の利用権は土地そのものに影響することがなく、車両の保管を目的とした賃貸借契約になるので、借地権が発生しないという考え方です。

なお、借地権割合や借家権割合などの減額はできませんが、一定要件を満たせば小規模宅地等の特例を適用できます。

賃借人がアスファルト舗装した駐車場

事業者など賃借人が、駐車場経営のためにアスファルト舗装や立体駐車場を建築している場合、賃貸借になるため自用地評価額から賃借権価額を控除します。また、賃借権には以下の2種類があり、控除額の計算方法も異なっています。

  1. 地上権に準ずる権利としての評価が相当と認められる賃借権
  2. 上記以外の賃借権

(1)の場合、登記設定の対価として権利金や一時金の支払いがあるもの、堅固な構築物の所有を目的とするものについては、以下のように控除額を計算します。

  • 計算式

  • 控除額:自用地評価額×賃借権の残存期間に応じた一定割合

借地権の残存期間に応じた一定割合は、以下のようになります。

  • 5年以下:5%

  • 5年超10年以下:10%

  • 10年超15年以下:15%

  • 15年超:20%

また、(2)については以下のように控除額を計算します。

  • 計算式

  • 控除額:自用地評価額×賃借権の残存期間に応じた一定割合×1/2

借地権の残存期間に応じた一定割合は以下のようになります。

  • 5年以下:2.5%

  • 5年超10年以下:5.0%

  • 10年超15年以下:7.5%

  • 15年超:10.0%

自宅貸駐車場

自宅の敷地の一部を貸駐車場にしている場合、敷地部分は宅地評価、駐車場部分は雑種地として評価します。雑種地には特定の評価方法がないため、市街地であれば宅地の評価を参考にした宅地比準価額方式を使います。市街地の宅地は路線価×土地面積で計算しますが、雑種地の状態に応じた宅地造成費を控除できるようになっています。

ただし、すでにアスファルト舗装されている駐車場は整地や地盤改良などの必要性が低いため、宅地造成費の控除は認められにくいでしょう。

店舗やマンションなどの専用駐車場

店舗やマンションなどの専用駐車場の場合、建物の敷地と一体になっていれば貸家建付地の評価になるため、借地権割合などを考慮した相続税評価額になります。ただし、建物の敷地と駐車場を一体として貸し付けているかどうか、賃貸借契約書をよく確認しておかなければなりません。

駐車場の相続税評価額の計算方法

駐車場の相続税評価額は自用地評価額がベースとなり、貸している土地は借地権などを考慮して一定割合を減額します。

では、先ほど解説した駐車場の種類別に相続税評価額を計算してみましょう。

土地の所有者がアスファルト舗装した駐車場

土地の所有者が自ら駐車場を経営しており、アスファルトやフェンスなどの構築物がある場合、相続税評価額は以下のように計算します。

  • 計算式

  • 相続税評価額:状況が類似する付近の宅地の1㎡あたりの評価額×土地面積×補正率

類似する宅地が1㎡あたり30万円、土地面積30㎡、補正率が1.0であれば、相続税評価額は以下のようになります。

  • 計算式

  • 相続税評価額:30万円×30㎡×1.0=900万円

賃借人がアスファルト舗装した駐車場

賃借人がアスファルト舗装して経営している駐車場の場合、賃借権に2パターンあることから、相続税評価額の計算も以下の2パターンに分かれます。なお、自用地評価額は2,000万円とします。

【地上権に準ずる権利としての評価が相当と認められる賃借権で控除割合が5%の場合】

  • 計算式

  • 控除額:2,000万円×5%=100万円

  • 計算式

  • 相続税評価額:2,000万円-100万円=1,900万円

【上記以外の賃借権で控除割合が2.5%の場合】

  • 計算式

  • 控除額:2,000万円×2.5%×1/2=25万円

  • 計算式

  • 相続税評価額:2,000万円-25万円=1,975万円

自宅貸駐車場

自宅の敷地の一部を駐車場にしており、1㎡あたりの路線価30万円、駐車場面積20㎡、1㎡あたり700円の整地費が認められる場合、以下のように評価します。評価額を計算するときは「土地面積×整地費」の控除を忘れないように注意しましょう。なお、奥行などの補正率は考慮しないものとします。

  • 計算式

  • 相続税評価額:30万円×20㎡-(20㎡×700円)=598万6,000円

店舗やマンションなどの専用駐車場

店舗やマンションの敷地と一体になっている駐車場の場合、貸家建付地として相続税評価額を計算するので、計算式は以下のようになります。

  • 計算式

  • 貸家建付地の相続税評価額:自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合)

1㎡あたりの路線価30万円、駐車場面積100㎡、借地権割合が70%であれば、相続税評価額は以下のようになります。なお、借家権割合は全国一律30%です。

  • 計算式

  • 相続税評価額:30万円×100㎡×(1-0.7×0.3)=2,370万円

駐車場に小規模宅地等の特例を適用できれば、土地の評価額をさらに減額できます。

小規模宅地等の特例を利用できる駐車場

駐車場に小規模宅地等の特例を適用できれば、土地の評価額を減らせます。以下のような駐車場は貸付事業用宅地になるため、200㎡までの面積が50%減額されます。

構築物として認められる程度の砂利敷き駐車場

地面がむき出しにならないように砂利を敷き詰め、一般的な相場の駐車場代を得ている場合は貸付事業用宅地になるため、小規模宅地等の特例を適用できます。ただし、埋まっている砂利は構築物として認められないので注意してください。

アスファルト舗装の駐車場

アスファルトやコンクリート舗装、フェンスなどの構築物がある駐車場には、小規模宅地等の特例を適用できます。

一部がアスファルト舗装の駐車場

駐車場の一部がアスファルト舗装になっており、それ以外の部分に構築物がない場合、アスファルト舗装している面積だけ200㎡まで50%減額を適用できます。

土地を業者に貸しているコインパーキング

土地を貸し付けている業者がコインパーキングを経営しており、アスファルト舗装や精算機などの構築物がある場合も、小規模宅地等の特例を適用できます。構築物の所有者が別の人や法人であっても、特例の対象になります。

まとめ

駐車場には基本的に建築物がないため、減額要素を考慮せずに更地と同じ評価をするケースがあります。しかし、貸し付けている土地には借地権割合や借家権割合の減額要素があり、一定要件を満たすと小規模宅地等の特例も適用できます。想定していた相続税評価額よりもかなり低くなるケースがあるので、評価方法を正しく理解しておきましょう。

ただし、砂利敷きの駐車場は評価が難しく、税務署が構築物なしと判断する可能性もあるので、現況を専門家に判断してもらう必要もあります。駐車場の評価に迷ったときは、相続や不動産に詳しい税理士へ相談してみましょう。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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【出典元】
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