小規模宅地等の特例とは
小規模宅地等の特例とは、相続した土地の評価額を引き下げる特例措置です。以下の土地が特例の対象になっており、一定範囲の面積まで相続税評価額を減額できます。
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特定居住用宅地:亡くなられた方が居住していた宅地
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特定事業用宅地:店舗用などの宅地
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特定貸付用宅地:賃貸マンションなどの宅地
亡くなられた方の自宅を相続する場合、敷地面積330㎡までの評価額を80%減額できるので、1億円の土地でも以下のように評価額を引き下げられます。
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計算式
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小規模宅地等の特例を適用した評価額:1億円×(1-0.8)=2,000万円
なお、小規模宅地等の特例は相続税申告が要件になっており、申告書とともに以下の添付書類を税務署へ提出します。
小規模宅地等の特例の適用時の添付書類
小規模宅地等の特例は宅地の種類などによって適用時の添付書類が異なりますが、以下の書類はどのパターンにも共通しています。
遺言書または遺産分割協議書の写し
小規模宅地等の特例を適用する場合、誰が宅地の相続人なのか明らかにするため、遺言書または遺産分割協議書の写しが必要になります。遺言書が自筆証書遺言だったときは家庭裁判所の検認が必要になるので、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出してください。
戸籍謄本
戸籍謄本は法定相続人であることを証明するために必要です。写しの提出でも構いませんが、亡くなられた方の死亡日から10日以後に作成された戸籍謄本を取得してください。
住民票または戸籍の附票の写し
自宅の相続に小規模宅地等の特例を適用する場合、相続する人が亡くなった方と同居していたことが要件になるため、住民票や戸籍の附票の写しで住所を証明します。ただし、相続する人がマイナンバーを有している場合は提出不要です。
相続人全員の印鑑証明書
印鑑証明書は遺産分割協議書に押印したものを提出します。相続人全員の印鑑証明書が必要になるので、漏れがないことを必ず確認してください。
申告期限後3年以内の分割見込書
相続税の申告期限までに遺産分割協議が成立しなかった場合、申告期限後3年以内の分割見込書を提出すれば仮申告が認められます。申告期限から3年以内に遺産分割協議が成立し、協議成立から4ヶ月以内に申告を済ませると、過去に遡って小規模宅地等の特例を適用できます。
被相続人が住んでいた土地に適用する時の添付書類
亡くなった方の自宅を配偶者や同居親族が相続する場合、前述の書類を準備すれば小規模宅地等の特例を適用できます。ただし、亡くなった方が老人ホームに入所していたときや、別居中の親族が自宅を相続する場合は、相続税申告の際に以下の添付書類が必要になります。
亡くなった方が老人ホームに入所していたときの添付書類
小規模宅地等の特例には同居の要件もありますが、亡くなった方が老人ホームに入所していた場合、以下の添付書類を提出すると特例を適用できます。
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亡くなった方の戸籍の附票の写し(相続開始日以後に作成されたもの)
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介護保険の要介護認定証や障害福祉サービス受給者証、要支援認定証など
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老人ホーム入所時の契約書の写し
老人ホームに住民票を移しているときは、戸籍の附票の写しで転居を証明できます。また、亡くなった方が要介護や要支援の認定を受けていることや、法律で定められた老人ホームなどに入所していることも証明する必要があります。
別居している親族が自宅を相続するときの添付書類
別居中の親族が亡くなった方の自宅を相続する場合、小規模宅地等の特例を適用するときは以下の要件を満たす必要があります。
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亡くなった方に配偶者と同居親族がいないこと
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相続開始前3年以内に、本人および本人の配偶者、または3親等以内の親族が所有する家屋に居住していないこと
配偶者や同居親族がいないこと、相続する人に持ち家がないことを証明する場合、以下の添付書類が必要です。
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戸籍の附票の写し:相続開始日から10日以後に作成されたもの
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相続する家屋の登記事項証明書
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賃貸借契約書
すべて共通書類とともに税務署へ提出してください。
他人に貸していた土地に適用する時の添付書類
賃貸マンションなどを建築し、第三者に貸し付けている土地は貸付事業用の宅地になるため、小規模宅地等の特例の対象になります。ただし、相続開始日まで3年を超えて貸付事業を行っている必要があるので、相続税申告時には以下の添付書類が必要です。
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所得税の確定申告書
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賃貸借契約書
なお、親族などに一般的な相場よりも低い金額で貸し付けている場合、小規模宅地等の特例を適用できない可能性があるので注意してください。
事業に使用していた土地に適用する時の添付書類
特定事業用宅地に小規模宅地等の特例を適用する場合、共通書類のみ必要となります。ただし、郵便局舎の敷地用となっている宅地は総務大臣が交付した証明書が必要です。
小規模宅地の特例等についての注意点
小規模宅地等の特例は宅地の種類に応じた限度面積があり、それぞれ評価額の減額割合も異なっています。限度面積などの要件を間違えると相続税の計算ミスにつながり、過大・過少申告になる可能性があるので、以下の点には十分注意してください。
宅地に応じた限度面積と減額割合がある
小規模宅地等の特例を適用できる土地は以下の3種類になっており、限度面積や減額割合が異なります。
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特定居住用宅地:330㎡まで80%減額
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特定事業用宅地:400㎡まで80%減額
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特定貸付用宅地:200㎡まで50%減額
居住用宅地と事業用宅地は特例を併用できるので、合計730㎡まで80%減額の対象になりますが、貸付用宅地の併用には制限がかかります。仮に3種類の宅地すべてを相続する場合、どの部分に特例の適用を優先させるかで節税効果が変わるため、以下の計算方法で確認しておかなければなりません。
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計算式
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特定居住用宅地×(200㎡÷330㎡)+特定事業用宅地×(200㎡÷400㎡)+特定貸付用宅地≦200㎡
節税効果を高くする場合、1㎡あたりの評価額が高い部分に特例を適用する必要があります。
相続税評価額を正確に計算する
小規模宅地等の特例を適用する場合、前提として宅地の相続税評価額を正確に計算しておかなければなりません。基準となる評価額が不正確だったときは、相続税の申告ミスが発生するので注意が必要です。また、限度面積を超える部分は一般的な相続税評価額になるので、路線価方式などを使って評価額を計算します。計算方法がわからないときは税理士に相談しておきましょう。
適用要件を十分に確認しておく
小規模宅地等の特例は過去の税制改正で要件が変更されており、緩和された部分や、より厳しくなった部分があります。亡くなった方が老人ホームに入所していたとき、または二世帯住宅の相続や別居中の親族が自宅を相続する場合、最新の要件を確認しておかなければなりません。複数の要件が重なるケースもあるので、税理士に問い合わせた方が確実でしょう。
まとめ
小規模宅地等の特例を適用するときは相続税申告が必要になるので、申告書と添付書類を準備して税務署に提出してください。
ただし、どの宅地を誰が相続するかで添付書類が変わり、亡くなった方の親、または兄弟姉妹が相続するときは添付書類の種類も多くなります。いずれも役場や法務局に出向かなくてはならないため、仕事をしておられる方は平日に休暇を取得する必要もあるでしょう。
添付書類を間違えている、あるいは不足があると特例を適用できないので、時間に余裕がない方や、要件の確認に不安がある方は税理士に相談してください。



