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相続税

最終更新日:2021.05.10

続税の節税対策18個
【相続発生後でもできる
節税対策も紹介】

このコンテンツでわかること

  • ■ 相続税の節税対策がわかる
  • ■ 相続発生後でもできる対策がわかる
  • ■ 相続税対策の注意点がわかる

相続の対策は、まだまだ早いからそのうち手を付けようと思っていると、ある日突然対応を迫られることになり、十分なことができずに多額の税金を支払う羽目になることがあります。

また、相続対策の必要性は感じていても、具体的に何をすればよいのか、自分に当てはまるのか、実はよくわかっていないことが多いものです。

そこで、相続税の節税対策について、利用するための条件や、節税の仕組み、それぞれの対策に向いている人の特徴などをまとめて解説します。

相続税の節税対策14個

相続税の節税対策は大きく次の3つに分けることができます。

  • 相続財産を減らす対策

  • 仕組みを利用する対策

  • 不動産を活用する対策

これらの対策は全部で14個あり、表にまとめると下記のようになります。

  対策の種類 対策の概要
1 相続財産を減らす 生前贈与を活用する
2 生活に不要な財産を処分する
3 不動産を所有する法人を設立する
4 墓地・仏具を購入する
5 相続手続・遺言執行費用を前払いする
6 仕組みを利用する 生命保険を活用する
7 養子縁組を行う
8 家族信託を行う
9 不動産を活用する 不動産投資を行う
10 小規模宅地等の特例を使う
11 家なき子の特例を使う
12 地積規模の大きな宅地の評価を使う
13 不動産の組み替えを行う
14 分筆を行う

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

生前贈与を活用する

相続税対策として、最も手軽で最も効果の高いものが生前贈与です。

贈与される人1人当たり年間110万円までは贈与税もかかりませんし、子だけでなく孫にも贈与は直接行うことができますので、相続人が多い人は効果がさらに大きくなります。

また、相続する予定の財産が巨額な場合や、なるべく早く節税の効果を得たい場合は、贈与税を支払っても相続税を支払うより有利になる金額の設定も可能です。

生活に不要な財産を処分する

別荘やリゾートマンション、ゴルフ会員権などの生活に不要な財産は、売却がしにくい上、相続しても使用しないのに維持費だけがかかることになります。該当するものがあれば、早めに処分をして現金化することで、他の対策に使える原資になり、相続人の余分な負担を減らすことができます。

また、書画・骨董や貴金属なども、購入した本人が処分することで、その価値が正確にわかる分適切な金額に換価できますので、早めに処分する方がよいでしょう。

不動産を所有する法人を設立する

相続人が出資して不動産を所有する法人を設立し、手持ちの不動産をその法人に売却してしまうことで、相続そのものが不要になります。

売却した代金については、他の対策に使用すればよいですし、自宅などはその法人に賃料を支払うことで財産を減らすことができます。

出資した相続人は役員として報酬を得ることで出資額を回収でき、今後は相続が発生しないため、二次相続対策にも利用できます。

墓地・仏具を購入する

墓地や墓石、仏壇、仏具、神棚などは相続税の対象になりません

そのため、生前にこれらを購入して相続財産を減らしておくことで相続税対策になります。

相続手続・遺言執行費用を前払いする

相続の手続きや遺言の執行について、税理士などに依頼する場合は費用がかかりますが、その一部を生前に前払いしておくことで、財産を減らすことができるため、相続税対策になります。

相続手続や遺言執行の費用は相続財産から控除することはできないため、相続人にとっても出費が抑えられるメリットがあります。

生命保険を活用する

生命保険の保険金は、500万円×法定相続人の数という非課税限度額があります。

つまり、生命保険金が3,000万円で法定相続人が3名いる場合は、1,500万円だけが課税される相続財産となり、その分相続税が減額できます。

なお、相続放棄する相続人がいても、この計算を行う相続人の数には影響がありません。また、法定相続人に用紙が含まれている場合、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までという制限があります。

養子縁組を行う

養子縁組を行うことで、法定相続人の数を増やすことができます。

相続税の基礎控除額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)なので、法定相続人の数が増えれば、それだけ基礎控除額が増加し、相続税がかかる相続財産の総額を減らすことができます。

ただし、それぞれの相続人が受け取る相続金額が減ることになりますし、二次相続など今後の相続にも関係してきますので、相続税対策だけを理由とした養子縁組は慎重に考えなければいけません。

家族信託を行う

相続税の対策は、生前贈与など長い期間をかけて効果を高めるものもあります。ところが、被相続人が認知症などで法的な判断ができなくなってしまうと、それ以降すべての対策ができなくなってしまいます。

そのため、あらかじめ家族信託を行って財産の全部や一部について信託財産としておくことで、安全に相続税対策が行うことができ、結果的に大きな効果を生むことになります。

不動産投資を行う

相続税の対策において、不動産を活用することでさまざまなメリットを受けることができます。

まず、単純に土地を購入した場合、相続財産の価値を計算する際の評価額は、相続税路線価や固定資産税評価額のいずれかになり、時価(実勢価格)の7~8割が目安になっています(逆に高い場合もあります)。

また、建物の固定資産評価額は取得価額の約60%(建物によって異なる)となりますので、建物を建てることで評価額を下げることができます。

さらに、購入した土地にアパートなどを建てた場合は、貸家建付地と呼ばれ、下記の通り、土地建物それぞれに評価額を下げることができ、大きな相続税対策になります。

土地:借地権と貸家権割合で評価額を9~27%下げて、73~91%の評価額
建物:30%の借家権割合を減額できるので、約60%の固定資産税評価額と併せて約42%の評価額

小規模宅地等の特例を使う

被相続人と一緒に住んでいた人が相続人となる場合は、その土地について330㎡までは評価額を80%減額するというものです(被相続人が老人ホーム等に入所していても可)。

たとえば、1億円の土地を所有していた場合、評価額が2,000万円となり基礎控除が最低3,600万円ありますから、土地しか相続財産がなかった場合は、相続税はかからないことになります。

また、アパート経営を行っていた場合は、200㎡まで50%が土地の評価額から減額されます。

家なき子の特例を使う

前記の小規模宅地等の特例については、同居はしていないが、自宅を直近3年間以上所有していない相続人がその土地を相続する場合、同様の特例を受けることができます。これを、家なき子の特例といいます。

地積規模の大きな宅地の評価を使う

相続する土地が1,000㎡(三大都市圏の場合は500㎡)以上だった場合、普通商業・併用住宅地区または普通住宅地区にある土地は、地積規模の大きな宅地の評価として、70~80%の規模格差補正率が適用され、土地の評価額が下がることになります。

また、この地積規模の大きな宅地の評価と前記の小規模宅地等の特例は併用することができ、マンションの敷地や、宅地並み評価がされている農地や山林、原野、雑種地であっても適用が可能です。

不動産の組み替えを行う

現在所有している土地が狭小であったり、形状が悪かったり、不便な場所であったりする場合は、将来売買や賃貸のしやすい土地や資産価値の高いマンションなどに買い替えておくことで、他の相続税対策が行いやすくなりますので、不動産の組み替えを行うことも有効となります。

分筆を行う

少し特殊な方法ですが、現在の土地が角地などで評価が高い場合、分筆を行うことで角地ではない土地を発生させることで、全体の評価額を下げることができます。

大きな土地の場合、複数の相続人が分筆した土地をそれぞれ相続する場合などに有効な相続税対策となります。

相続発生後でもできる相続税節税対策4個

相続税の節税対策には、次のように、相続の発生後でもできるものがあります。

  • 葬儀費用を財産から減らす

  • 小規模宅地等の特例を適用する宅地を選択する

  • 二次相続を考慮した遺産分割をする

  • 分筆登記をする

葬儀費用を財産から減らす

相続税の対象となる遺産の総額ついて、葬儀の費用は控除することができます。

葬儀の費用はすべて記録を取っておくことで、相続財産を減らすことができ、前述した非課税財産である墓地や墓石、仏壇などの購入がされていない場合は、併せて購入することで相続税額を下げることができます。

小規模宅地等の特例を適用する宅地を選択する

前述した小規模宅地等の特例を適用する場合、複数の土地を所有している場合は、どの宅地を適用するかによって、相続財産全体に影響するため、相続税の節税につながります。

二次相続を考慮した遺産分割を行う

被相続人の配偶者が生存している場合、配偶者に偏った相続をしてしまうと、その後の二次相続で相続税が多額になってしまうことがあります。

そのため、遺産分割協議を行う際は、二次相続を考慮した分割を行う必要があります。

分筆登記をする

前述した分筆は、相続が開始した後でも登記を行うことができます。

土地を分割して相続する場合、分筆方法をよく考えることで評価額を下げることになり、相続税を下げる効果があります。

相続税対策をするときの注意点

相続税対策は、次の点に注意して行う必要があります。

  • 生前贈与に関する注意点

  • 生命保険に関する注意点

  • 不動産を活用する際の注意点

  • 遺産分割を行う際の注意点

生前贈与に関する注意点

生前贈与を行う際は、必ず毎年贈与契約書を作成して、異なる日程で行い、同じ作業を毎年行っている訳ではないことが証明できるようにしておきます。

子供や孫の名前で預金をしておく、いわゆる名義預金は否認されてしまいますので、必ず正しい方法で贈与を行う必要があります。

また、特定の相続人だけに贈与し過ぎてしまうと、相続の際に争いの原因になりますので注意しましょう。

生命保険に関する注意点

生命保険の保険金は、相続財産ではありませんので、生命保険金しか受け取らない相続人がいる場合には、遺留分が請求される恐れがあります。

また、生命保険金が他の相続人の実際の相続額よりかなり多額であった場合は、特別受益とみなされて遺産分割の対象と判断される可能性がありますので、生命保険を活用する際には相続財産とのバランスをよく考えて保険金の設定を行いましょう。

不動産を活用する際の注意点

不動産を相続税対策に活用する際には、アパートの建設がすぐに浮かびますが、空室の可能性や、少子化や空き家問題による賃貸物件の需要減少など、デメリットの部分も含めた総合的な判断が必要です。

遺産分割を行う際の注意点

相続税対策を行うためには、配偶者が1/2で残りを子供で均等に分割するといった、基本的な遺産分割とは異なる分割方法を行うことが多くなります。

対策を行う前に、今後の二次相続も含めた内容について、相続税についてきちんとシミュレーションを行い、あらかじめ遺産分割方法を決めておくなどの工夫をするようにしましょう。

まとめ

ここまで、相続税の節税対策について、利用するための条件や、節税の仕組みなどを解説してきました。

概要についてはお伝えしましたが、実際に行うためは、複雑な要件や、計算が難しいものもあります。

どのような対策を行うのか検討する際には、相続に詳しい税理士などの専門家に相談することが、実は一番の相続税対策になるかもしれません。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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