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相続税

最終更新日:2024.03.29

前贈与500万円に
贈与税はいくらかかる?
計算方法や注意点

生前贈与500万円に贈与税はいくらかかる?計算方法や注意点

このコンテンツでわかること

  • ■ 生前贈与500万円に贈与税はいくらかかるか
  • ■ 贈与税を計算・申告するときの注意点

生前贈与は効果的な相続税対策になるので、子供や孫への贈与を考えている方もおられるでしょう。たとえば、500万円 のまとまった生前贈与をすると相続財産は大きく減り、もらった方も大きな買い物ができます。

「税率が高い」という理由で生前贈与を敬遠される方もおられますが、贈与税には基礎控除があるため、全額に課税されるわけではありません。ただし、贈与者(贈与する人)と受贈者(贈与を受ける人)の関係や、贈与のタイミングによって税率が変わるので注意が必要です。

今回は、500万円を生前贈与したときの贈与税がいくらになるか、パターン別にわかりやすく解説します。

生前贈与500万円に贈与税はいくらかかる?

親が子供へ500万円を生前贈与すると、子供が18歳以上であれば贈与税は48万5,000円、子供が18歳未満のときは53万円の贈与税がかかります。受贈者の年齢が18歳以上の場合、父母や祖父母から贈与を受けると特例税率が適用されるため、贈与税が低くなります。

贈与税には年間110万円の基礎控除があり、控除額を超えた部分(課税価格)にのみ課税されるので、以下の計算方法を覚えておくとよいでしょう。

  • 計算式

  • 贈与税の計算方法:
    (贈与額-基礎控除110万円)×贈与税率-控除額=贈与税

贈与税率と控除額は国税庁のホームページに掲載されており、一般贈与と特例贈与に分かれています。なお、一般的な贈与を「暦年贈与」といいますが、贈与方式には「相続時精算課税制度」もあるので、非課税贈与も可能です。

贈与税の計算と税率(国税庁)

暦年贈与で500万円を贈与したときの贈与税

暦年贈与とは、1月1日から12月31日までの贈与に課税する贈与方式です。暦年贈与には年間110万円の基礎控除があるので、受贈者が1年間に受け取った財産が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。

また、父母や祖父母から贈与を受ける場合、受贈者の年齢によって一般税率、または特例税率のどちらかが適用されます。

では、暦年贈与で500万円を渡すと贈与税がいくらになるか、一般贈与と特例贈与のケース別に税額を計算してみましょう。

一般贈与で500万円を贈与するケース

父母や祖父母が18歳未満の子供や孫に暦年贈与する場合、贈与税の一般税率が適用されます。たとえば、祖父が15歳の孫に500万円を贈与するケースでは、以下のように贈与税を計算します。

  • 計算式

  • 一般税率の贈与税:
    (500万円-基礎控除110万円)×税率20%-控除額25万円=53万円

では次に、受贈者が18歳以上のケースで贈与税を計算してみましょう。

特例贈与で500万円を贈与するケース

父母や祖父母から贈与を受ける場合、子供や孫が18歳以上になっていると贈与税の特例税率が適用されます。たとえば、父親が19歳の子供に500万円を贈与すると、贈与税は以下のような計算になります。

  • 計算式

  • 特例税率の贈与税:
    (500万円-基礎控除110万円)×税率15%-控除額10万円=48万5,000円

一般贈与と比べた場合、4万5,000円(53万円-48万5,000円)の節税になるので、贈与するときは受贈者の年齢を考慮しておくとよいでしょう。なお、暦年贈与であれば、直系の血族以外や第三者にも財産を移転できるため、以下のように一般贈与と特例贈与を同時に受ける場合もあります。

一般贈与と特例贈与の合計で500万円を贈与するケース

同じ年に一般贈与と特例贈与があった場合、贈与税の計算方法は以下のような考え方になります

  • 贈与総額に特例税率を乗じて贈与税を計算し、さらに特例贈与の割合に応じた税額を計算

  • 贈与総額に一般税率を乗じて贈与税を計算し、さらに一般贈与の割合に応じた税額を計算

  • 上記の合計額が贈与税

仮に18歳以上の子供が父親から350万円、叔母から150万円の贈与を受けている場合、以下のように贈与税を計算します。

【父親からの特例贈与】

  • 計算式

  • (350万円+150万円-基礎控除110万円)×税率15%-控除額10万円=48万5,000円

  • 計算式

  • 48万5,000円×350万円÷(350万円+150万円)=33万9,500円

【叔母からの一般贈与】

  • 計算式

  • (350万円+150万円-基礎控除110万円)×税率10%-控除額25万円=53万円

  • 計算式

  • 53万円×150万円÷(350万円+150万円)=15万9,000円

【贈与税】

  • 計算式

  • 33万9,500円+15万9,000円=49万8,500円

相続時精算課税制度で500万円を贈与したときの贈与税

相続時精算課税制度で500万円を贈与すると、贈与税はかかりません。60歳以上の父母や祖父母が18歳以上の子供や孫へ贈与する際、相続時精算課税制度は2,500万円の特別控除を適用できるため、500万円の贈与は非課税になります。

2,500万円を超える部分には一律20%の贈与税率が適用されるので、それを超えない範囲で贈与したいときは相続時精算課税制度が向いています。

しかし、相続時精算課税制度は一時的に贈与税がかからないだけで、相続が発生した時はそれまでの贈与した財産を相続財産に含めて相続税を計算する、単なる先延ばしの制度です。そのため、これまであまり積極的に利用されることは少なかったのですが、2024年1月から年間110万円の基礎控除が新設され、利用者の増加が見込まれています。

また、相続開始前3年以内に贈与があった場合、暦年贈与は基礎控除以下でも相続財産に加算しますが、相続時精算課税制度には適用されません。

生前贈与加算は段階的に7年間へ延長されるので、今後は相続時精算課税制度を選択する方が多くなるでしょう。

贈与税を計算・申告するときの注意点

贈与税は申告納税方式になっており、自分で税額計算や贈与税申告に対応しなければなりません。現金や預金以外の財産は評価額計算も必要になるので、以下の注意点をよく理解しておきましょう。

不動産や株式は贈与時の評価額計算が必要

不動産や株式は価格が変動するため、贈与時の評価額計算が必要です。土地と家屋の評価額は贈与時の時価ですが、上場株式は前々月の株価を参照する場合があるので、具体的な評価方法は以下を参考にしてください。

家屋の評価方法

家屋は「固定資産税評価額×1.0」が贈与時の評価額です。固定資産税評価額は固定資産税の納税通知書に同封される課税明細書や、市町村役場で交付してもらえる固定資産評価証明書を見るとわかります。

土地の評価方法

土地の評価方法は、以下の2種類に分かれています。

  • 計算式

  • 路線価方式:路線価×補正率×土地面積

  • 計算式

  • 倍率方式:固定資産税評価額×評価倍率

市街地の土地は路線価方式を使い、各道路に設定された路線価と接道状況などに応じた補正率、土地面積の3要素を乗じて贈与時の評価額を計算します。路線価がない地域は固定資産税評価額が基準になるので、地目(宅地など)に応じた評価倍率を乗じて土地の評価額を計算してください。

なお、路線価と評価倍率は国税庁のホームページに掲載されています。

財産評価基準書・路線価図・評価倍率表(国税庁)

上場株式の評価方法

上場株式は贈与した日の終値を評価額としますが、短期間で株価が変動するケースがあるため、以下のうちもっとも低い価格に株式数を乗じて評価額を計算します。

  • 贈与日の終値

  • 贈与日が属する月の毎日の終値の平均額

  • 贈与日が属する月の前月の毎日の終値の平均額

  • 贈与日が属する月の前々月の毎日の終値の平均額

相続が発生した旨を証券会社に伝えると、過去の株価を教えてもらえます。ただし、非上場株式は市場の取引がないため、純資産価額方式や類似業種比準方式などを使い、自分で評価額を計算しなくてはなりません

非上場株式を生前贈与するときは、税理士に評価額を計算してもらった方がよいでしょう。

一般税率と特例税率の分岐点

暦年贈与で財産を渡す場合、贈与した年の1月1日時点において、子供や孫が18歳に達していれば特例税率を適用できます。1月1日よりも後に18歳の誕生日を迎えるときは、その年の贈与税に一般税率が適用されるので注意してください。

未成年者の贈与税申告は親権者の同意が必要

未成年者が贈与契約を結ぶ場合、贈与の目的などを理解しており、当事者間で「贈与する」「贈与を受ける」の意思表示があれば、親権者の同意を必要としません。

ただし、贈与税の申告・納税が発生するときは親の同意が必要です。贈与税の申告書を作成するときは、親権者の署名捺印が必要になるので、注意してください。

まとめ

暦年贈与で子供や孫に500万円を渡した場合、一般税率の贈与税は53万円ですが、特例税率を適用すると48万5,000円です。また、子供や孫が18歳以上の場合、父母や祖父母が年齢要件を満たすと、相続時精算課税制度によって500万円を非課税贈与できます。

ただし、不動産や非上場株式は評価額計算が難しいため、自己評価は申告ミスが多くなっています。評価の難しい財産を贈与するときや、暦年贈与と相続時精算課税制度の選択に迷ったときは、税理士に相談してみましょう。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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