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相続税

最終更新日:2024.04.30

続税は最高税率55%!
計算の流れや最高税率が
かかるケースとは?

相続税は最高税率55%!計算の流れや最高税率がかかるケースとは?

このコンテンツでわかること

  • ■ 相続税の最高税率
  • ■ 相続税を計算する流れ
  • ■ 最高税率55%の相続税がかかるケースや事例

相続税の税率は8段階に分かれており、相続財産の額が大きくなると、税率も上がっていく仕組みです。ただし、最高税率が適用されると、相続税が数億円になることもあります。

相続税は現金一括納付が原則になっているため、不動産だけを相続した場合でも、現金で納税資金を準備しなければなりません。高額な財産を相続したときは、相続税がいくらになるか早めに把握しておくべきでしょう。

今回は、相続税の最高税率が適用されるケースや、相続税の計算方法をわかりやすく解説します。

相続税の最高税率は55%

相続税の税率は最低10%から最高55%までの8段階になっており、相続財産の額に応じて税率が上がる超過累進課税方式です。基礎控除を差し引いた課税価格を法定相続分で分割した額が6億円を超えると、最高税率55%が適用されるため、相続税は最低でも2億5,800万円以上になることが予測されます。

また、相続税率は国税庁のホームページにある「相続税の速算表」で確認できます。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0円
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

「法定相続分に応ずる取得金額」とは、相続財産から基礎控除を差し引き、法定相続分で案分した額です。

相続税の税率(国税庁)

2014年末までの相続税は最高税率が50%

2014年末までの相続税は最高税率50%でしたが、税制改正により、2015年1月1日以降は55%に上がっています。取得金額が2億円を超えたときの税率も上がっているので、以下の比較表を参考にしてください。

法定相続分に応ずる取得金額 改正前 改正後
税率 控除額 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0円 10% 0円
3,000万円以下 15% 50万円 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,700万円 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

2015年から相続税の基礎控除も引き下げられた

相続税には基礎控除があり、控除額を超えた部分が課税対象になりますが、税制改正で以下のように変更されています。

  • 計算式

  • 2014年末までの基礎控除:5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)

  • 計算式

  • 2015年改正後の基礎控除:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

例)法定相続人1人で基礎控除を計算した場合

  • 計算式

  • 2014年末までの基礎控除:5,000万円+(1,000万円×1人)=6,000万円

  • 計算式

  • 2015年改正後の基礎控除:3,000万円+(600万円×1人)=3,600万円

2015年から基礎控除が大きく引き下げられたため、相続税の申告件数が2倍近くに増加しました。基礎控除は昭和の時代には2,000万円+(400万円×法定相続人の数)のときもありました。今後も変わる可能性は十分あり得ます。

相続税を計算する流れ

相続税を計算する流れは以下のようになっており、まず正味の遺産総額の計算からスタートします。

  1. 正味の遺産額の計算
  2. 相続税の基礎控除の計算
  3. 課税遺産総額の計算
  4. 相続税の総額の計算
  5. 各相続人の取得割合に応じた案分計算

では、具体例を挙げて相続税を計算してみましょう。

正味の遺産額の計算

正味の遺産額とは、遺産総額から、債務などを差し引いた額になるので、以下のように計算します。

  • 計算式

  • 正味の遺産額:遺産総額(相続時精算課税制度による贈与財産含む)-(非課税財産+債務+葬式費用)+死亡前7年以内の贈与

墓石や仏壇などは非課税財産になるため、遺産総額から差し引き、死亡前7年以内の贈与は遺産額に加算します。

では、遺産総額が3億円、マイナス財産と非課税財産がそれぞれ500万円ずつ、死亡前7年以内の贈与が1,000万円あったケースで正味の遺産総額を計算してみましょう。

  • 計算式

  • 正味の遺産額:3億円-(500万円+500万円)+1,000万円=3億円

正味の遺産額がわかったら、次に相続税の基礎控除を計算します。なお、生前贈与の加算期間については、2023年12月31日までは3年でしたが、2024年1月1日から段階的に7年へ移行します

2027年1月2日以降に相続が発生した場合、生前贈与加算の期間が3年を超えることになり、2031年に移行が完了します。

相続税の基礎控除の計算

相続税は基礎控除を超えた部分が課税対象になるので、以下のように控除額を計算します。

・相続税の基礎控除の計算式:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

たとえば、被相続人(亡くなった方)の財産を配偶者と長男・長女が相続する場合、基礎控除は以下のようになります。

  • 計算式

  • 相続税の基礎控除:3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

では次に、課税遺産の総額を計算してみましょう。

課税遺産総額の計算

正味の遺産額から相続税の基礎控除を差し引くと、以下のように課税遺産の総額がわかります。先ほどまでの計算例では、正味の遺産総額が3億円、基礎控除は4,800万円だったので、課税遺産の総額は以下のようになります。

  • 計算式

  • 課税遺産の総額:正味の遺産総額3億円-基礎控除4,800万円=2億5,200万円

課税遺産の総額がわかったら、次のステップで相続税の総額を計算します。

相続税の総額の計算

相続税を計算する際は、各自が法定相続分どおりに取得したとみなし、相続税の総額を計算しておきます。今回の計算例では、各自の法定相続分が以下のようになります。

  • 配偶者の法定相続分: 1/2

  • 長男と長女の法定相続分: 1/4

課税遺産総額に法定相続分を乗じると、各自の課税対象額がわかります。

  • 計算式

  • 配偶者の課税対象額:2億5,200万円×1/2=1億2,600万円

  • 計算式

  • 長男と長女の課税対象額:2億5,200万円×1/4=それぞれ6,300万円

次に課税価格に応じた税率を適用し、相続税の総額を計算します。

  • 計算式

  • 配偶者の課税価格:1億2,600万円×税率40%-控除額1,700万円=3,340万円

  • 計算式

  • 長男と長女の課税価格:6,300万円×税率30%-控除額700万円=それぞれ1,190万円

  • 計算式

  • 相続税の総額:3,340万円+(1,190万円×2人)=5,720万円

最後に、各自が実際に取得する割合で按分計算します。

各相続人の取得割合に応じた按分計算

遺産分割協議の結果、配偶者が相続財産の3/5、長男・長女がそれぞれ1/5ずつ相続することになった場合、各自の相続税は以下のようになります。

  • 計算式

  • 配偶者の相続税:相続税の総額5,720万円×3/5=3,432万円

  • 計算式

  • 長男と長女の相続税:相続税の総額5,720万円×1/5=それぞれ1,144万円

なお、一つ前の「相続税の総額の計算」を飛ばしてしまうと、税額が間違って算出されるため注意しましょう。相続税は必ず法定相続分で「相続税の総額」を計算し、最後に按分します。

最高税率55%の相続税がかかるケース・事例

相続税は計算手順が多いため、いくら相続したら最高税率が55%になるのか、すぐに把握したい方もおられるでしょう。最高税率55%が適用されるケースは以下のようになっており、法定相続人の数が大きく影響します

相続人1人に最高税率55%が適用されるケース

相続税の速算表を参照すると、「法定相続分に応ずる取得金額」が6億円を超えた場合、最高税率55%が適用されます。ただし、「法定相続分に応ずる取得金額」は相続税の課税価格になっており、基礎控除を差し引いた後の金額です。

相続人が1人であれば、相続税の基礎控除は3,600万円になるため、最高税率55%が適用されるケースは6億3,600万円超の財産を相続したときです

では、1人で6億3,700万円を相続したときの相続税を計算してみます。

  • 計算式

  • 課税遺産総額:6億3,700万円-基礎控除3,600万円=6億100万円

  • 計算式

  • 相続税:6億100万円×税率55%-控除額7,200万円=2億5,855万円

かなり高額な相続税ですが、現金一括で納付しなければなりません

相続人2人に最高税率55%が適用されるケース

相続人が長男と長女の2人の場合、12億4,200万円超の相続財産があると、最高税率55%の相続税がかかります。まず、相続税の基礎控除を確認してみましょう。

  • 計算式

  • 相続税の基礎控除:3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円

12億4,300万円の相続財産があるとすると、相続税の総額は5億1,655万円となります。

  • 計算式

  • 各人の相続税額:12億100万円×1/2×55%-7,200万円=2億5,827.5万円

  • 計算式

  • 相続税の総額: 2億5,827.5万円×2人=5億1,655万円

配偶者は最高税率55%でも非課税になる可能性あり

被相続人の配偶者は「配偶者の税額軽減」を使えるため、1億6,000万円まで、または法定相続分の範囲内で相続すると、相続税はかかりません。相続財産が1億6,000万円以下であれば、配偶者が全額を相続すると相続税がかからなくなります。

また、配偶者が10億円や20億円の財産を相続し、最高税率55%が適用されるケースでも、法定相続分の範囲内であれば非課税です。ただし、配偶者に相続財産を集中させると、二次相続の相続税が高くなるので注意しましょう。

二次相続では法定相続人の数が減っており、配偶者の税額軽減は夫婦間の相続だけしか使えないため、子供が高額な相続税を負担することになるでしょう。相続税対策を検討するときは、次回の相続を見据えておく必要があります。

まとめ

相続税の最高税率は55%になっており、相続人1人あたりの課税価格が6億円を超えた場合に適用されます。課税される相続税は最低でも2億5,800万円以上になるので、生前贈与を行って適用税率を下げるといった節税対策を検討すると良いでしょう。

ただし、相続税の基礎控除や相続税率は今後も改正される可能性があることを念頭に置いておきましょう。相続税が高額になりそうで心配な場合は、相続専門の税理士に相談しておきましょう。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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