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遺言書

最終更新日:2025.01.31

贈寄付とは?
遺贈寄付をするメリットやデメリット、
注意点を解説

遺贈寄付とは?遺贈寄付をするメリットやデメリット、注意点を解説

このコンテンツでわかること

  • ■ 遺贈寄付とは
  • ■ 遺贈寄付のメリット・デメリット
  • ■ 遺贈寄付をするときの注意点

自分が亡くなった後、これまで築き守ってきた財産の全部または一部を公益法人などに寄付し、社会貢献活動のために役立ててほしいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

遺贈寄付を検討している場合、相続税や所得税の負担がどのようになるのかを知ることで、遺贈寄付もしやすくなります。

今回は、遺贈寄付による税負担や遺贈寄付のメリット・デメリット、注意点を解説します。

遺贈寄付とは

遺贈寄付とは、被相続人が遺言書によって自分の財産の全部または一部を法定相続人以外の個人や団体、法人などに無償で譲与することをいいます。

遺贈寄付は、被相続人本人の意思に基づいて行うものであり、相続により取得した財産を相続人の意思で寄付することとは異なります。

 

遺贈寄付のメリット

遺贈寄付の主なメリットは、以下のとおりです。

  • 被相続人の意思が尊重される

  • 相続税の負担を軽減できる可能性がある

一つずつ詳しく見てみましょう。

 

被相続人の意思が尊重される

遺言は、被相続人の最終意思を尊重する制度であり、被相続人は財産を誰にどのように配分するかを自由に決めることができます。遺言書がある場合、その遺言書の内容どおりに財産を分けます。たとえば、「相続人以外に遺贈する」と書くことで相続権を持たない他人に財産を渡すことができ、「法人へ寄付する」と書くことで法人に寄付できます。

相続税の負担を軽減できる可能性がある

相続税の納税義務者は基本的に個人であり、法人には相続税は課税されません。寄付を受けた法人には、法人税が課税されます。また、個人が相続した財産を特定の法人へ寄付した場合には、相続税の対象としない特例があります。

なお、公益法人やNPO法人といった非営利法人は、遺贈寄付を受けても、寄付は収益事業にあたらないため、法人税は課税されません。

また、同族会社に遺贈することで同族会社の価値が増大すると、同族会社の株価が上がるため、株価上昇分については株主が遺贈を受けたものとして相続税が課税されます。

遺贈寄付のデメリット

遺贈寄付の主なデメリットは、以下のとおりです。

  • 寄付先を自分で調べなければならない

  • みなし譲渡所得税が発生する場合もある

一つずつ詳しく見てみましょう。

 

寄付先を自分で調べなければならない

被相続人が、遺言書を作成して遺贈寄付する場合は、寄付先の正式名称や所在地、法人格の有無、代表者は誰か、遺贈寄付を受け入れているか、寄付を受け入れる財産の種類に制限があるか、寄付先は信頼できるかどうかといった寄付先の情報を事前に自分で調べなければなりません。

法人が不動産の遺贈寄付を受けた場合、その不動産を法人の業務で利用できないときは換金して事業で使用することになります。換金のための売却手続きなどは、法人にとって負担となるため、寄付の受け付けは現預金のみとしている法人が多いのです。

みなし譲渡所得税が発生する場合もある

法人へ不動産や有価証券を遺贈する場合、相続発生日に法人へ譲渡したとみなされ、相続発生日の時価で譲渡所得税を計算し、準確定申告を行う必要があります。被相続人が所有していた期間の値上がり分を、法人に財産を移すタイミングで確定し、一度精算するためです。

なお、個人が不動産などを相続や遺贈で取得する場合は、相続発生時に取得価額を引き継ぎ、取得した人が売却した時点で譲渡所得税が課されます。このように遺贈先が法人か個人かで課税関係が異なるため、注意が必要です。

遺贈先が国または地方公共団体である場合や、公益社団法人、公益財団法人、認定特定非営利活動法人、その他の公益を目的とする事業を行う法人で、当該公益法人などの当該公益目的事業の用に直接供されることなど一定の要件を満たすものとして国税庁長官の承認を得たときは、みなし譲渡所得税は課されません。

遺贈寄付の注意点

遺贈寄付の主な注意点は、以下のとおりです。

  • 遺留分に配慮した遺言書にする

  • 遺言執行者を指定する

一つずつ詳しく見てみましょう。

 

遺留分に配慮した遺言書にする

遺贈寄付する場合に、考えておかなければならないのが遺留分という問題です。

遺留分とは、相続人の生活保障を図るなどの観点から、被相続人の意思によっても奪うことのできないものとして、兄弟姉妹以外の相続人に保障されている法律上定められた最低限相続できる割合のことをいいます。

遺留分を侵害された相続人は、被相続人から遺贈寄付を受けた法人などに対して、遺留分侵害額に相当する金銭を請求できます。

被相続人が亡くなった後で、寄付を受けた法人などとの間でトラブルが起こらないとも限りません。

このような遺留分侵害額請求をめぐるトラブルを防ぐためには、遺言書を作成する際に、各相続人の遺留分を侵害しないように遺留分の額を正確に計算して、遺留分に配慮した遺言書にすることが必要不可欠といえます。

 

遺言執行者を指定する

遺贈寄付の場合、遺言書で遺言執行者を指定しておくと、遺言執行者は、遺言者である被相続人に代わって遺言書の内容を実現させることができ、遺言執行者のみで株式、預貯金などの金融資産について名義変更、解約および払戻しなどの手続きを円滑に行うことができます。

遺言執行者には、弁護士や税理士などの専門家だけでなく、相続人や遺贈寄付を受けた者もなることができます。

しかし、遺産の引渡しや登記などの手続きの際に、法律や税務、不動産登記などの専門知識が求められることが多いため、遺言執行者には、弁護士・税理士・司法書士などの専門家を指定すると安心でしょう。

まとめ

今回は、遺贈寄付の概要や、遺贈寄付のメリット・デメリット、遺贈寄付をするときの注意点について解説しました。

社会貢献活動として遺贈寄付をしたいという思いは、遺言書を残すことで尊重されます。

自分が亡くなった後、これまで築き守ってきた財産の全部または一部を社会貢献活動のために遺贈寄付するかどうかお悩みのときは、ぜひ、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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