「信念を曲げない」
その姿がチカラになれば
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サッカー 香川真司
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「信念を曲げない」
その姿がチカラになれば

サッカー 香川真司

伸びしろと強烈な喜びを感じて

香川真司の新天地には、開放的な青空が広がっていた。ギリシャ第2の都市、テッサロニキ。マーケットに出かける程度の最小限の外出しか許されていない(※)が、リーグは無観客で開催されている。香川は今年1月、名門PAOKに入団。ベテランらしい対応力を披露し、存在感を放っている。

長らく、このための準備をしてきた。昨年の所属先はスペインのチームで、街はロックダウンによって外出禁止。表を走ることもできず、室内でのトレーニングに明け暮れた。ルームバイクや座禅などこれまでとは異なるアプローチも取り入れ、PAOK入団までの約5カ月は個人で調整を続けた。見通しの立たない日々を、実り多い時間だったと振り返る。

「新しいことに挑戦したのは、前向きな自分を保つため。変化をつけたら、今までのクオリティー以上のものが出せると感じました。この年齢になって、伸びしろが実感できるのは幸せなことです」

欧州のリーグを渡り歩いて10年。円熟期に差しかかる32歳は今、ボールを蹴ること、勝負のフィールドに立つことへの強烈な喜びをシンプルに体現している。

※2021年2月中旬時点

今、子どもたちに見せたいもの

「僕は自分に負けたくないんです。結果を得るために戦い抜いたかどうかは、グラウンドに表れます。応援してくれる人々に信念を曲げずにやっている姿を見せたいし、プレーでその大切さが伝えられたらと思いますね。特に子どもたちには」

サッカー 香川真司

「夢を描こう、希望を持とう」ではなく「信念を曲げるな」。次世代へのメッセージとしては、何歩も踏み込んだ強いメッセージだ。力強さと熱量に、この一年の思いが集約されている。

「苦しいことや厳しいことにどう立ち向かうか。結果以上にこだわっているし、ギリシャでのキャリアで体現していきたいポイントです」

もともと、子どもたちと触れ合う場をつくることには精力的に取り組んできた。全国規模のサッカートーナメント「シンジ・ドリーム・カップ」は地元の関西や東北で開催。イングランド時代のチームメイトが発足させたチャリティープロジェクト「コモン・ゴール」に賛同し、フィリピンで子どもたちとボールを蹴ったことも。このプロジェクトでは毎年自身の収益の1%を寄付。世界各地の慈善事業に役立てられている。

サッカー 香川真司
サッカー 香川真司

「ヨーロッパに来て、日本やアジアを代表しているという意識が強くなりました。長く活躍することで、アジアの子どもたちの道をひらきたいと思っています。短いオフでできることは限られるので、グラウンド外の活動は息の長いものにしたいですね。続けていけば、広がると思うので」

サッカーも社会も次の世代のために

道をならし、次の世代へ。それは偉大な先輩と関わり、様々なものを受け継ぐ中で学んだことでもある。例えば、かつて所属したセレッソ大阪の支柱・森島寛晃が背負っていた8番、そして日本代表の10番。中心選手の象徴ともいえる背番号をつけた時の奮い立つ気持ちを、よく覚えている。

「光栄でしたし、選手としてのあり様を考えさせられました。道半ばですが、僕もサッカー選手として築いたものを次の世代に手渡したいと思っています。サッカーだけでなく、社会もそう。つながっていくことが大事だと感じます」

サッカー 香川真司

2019年に誕生したアスリートによる社会貢献のプラットフォーム「UDN FOUNDATION」では、発起メンバーの一人として積極的に声を発し、プロジェクトに携わる選手たちにも大きな影響をもたらしている。

「個人の取り組みも必要ですが、この一年で手を取り合うことの大切さを多くの人が感じたと思います。選手としてスポーツの価値を発信し、一般の方も含めて幅広い世代と交流できたら、こんなにうれしいことはありません」

かがわ・しんじ/1989年生まれ。2006年にセレッソ大阪と契約。21歳でドルトムント(ドイツ)に移籍。以後イングランドをはじめ、トルコ、スペイン、ギリシャと海外リーグで活躍。日本とアジアを代表する選手の一人。

選手が取り組む主なプロジェクト

コモン・ゴールでの活動

サッカー 香川真司

イングランドで所属したマンチェスター・ユナイテッドのチームメイトだったフアン・マタによる慈善事業プロジェクト「コモン・ゴール」に賛同し、立ち上げられた2017年から参画している。毎年収益の1%をこの活動に寄付。団体を通じて、世界各地の教育やスポーツ環境の整備を支援している。19年には支援エリアの一つで、大型台風による甚大な被害が発生したフィリピン・タクロバンを訪問。現地の幼稚園や小学校、街なかで子どもたちと交流した。

01「信念を曲げない」
その姿がチカラになれば
香川真司
02僕なりの世界ランク1位像を
体現したい
桃田賢斗
03好奇心と情熱で
周囲がしないチャレンジを
サニブラウン・アブデル・ハキーム
04サッカーという共通言語で
壁を超えていく
長谷川 唯
05「つながり合うこと」を
ブームで終わらせない
薗田 淳
UDN FOUNDATION
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