朝日新聞社が主催する第28回手塚治虫文化賞贈呈式が2024年6月6日、東京・築地の浜離宮朝日ホールで開かれました。
マンガ大賞の「プリニウス」(新潮社)のヤマザキマリさん、とり・みきさん、新生賞の「神田ごくら町職人ばなし」(リイド社)の坂上暁仁さん、短編賞の「ツユクサナツコの一生」(新潮社)の益田ミリさん、特別賞のコミティア実行委員会の中村公彦会長、吉田雄平代表がそれぞれ表彰され、喜びを語りました。
手塚治虫文化賞はマンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫氏の業績を記念する賞で、正賞は鉄腕アトムのブロンズ像。副賞として大賞200万円、その他100万円が贈られます。
マンガ大賞に輝いた「プリニウス」は古代ローマの博物学者・プリニウスの生涯をヤマザキマリさんと、とり・みきさんが合作で描いた画期的な作品です。祝辞を述べた手塚治虫文化財団代表理事の手塚眞さんはお二人を「新世代の藤子不二雄」と評しました。
ヤマザキさんは受賞あいさつで「80年代後半に澁澤龍彦さんの『私のプリニウス』を読んで、プリニウスが具象的に立ち上がってきた」と創作のきっかけを振り返りました。
とりさんは「手塚治虫さんの漫画で最初に読んで啓示を受けたのが『大洪水時代』と『太平洋X點(ポイント)』で、漫画家になる際に受賞した時の選考委員の一人がやはり手塚治虫さんでした。手塚さんと、合作の声をかけてくれたヤマザキさんに感謝します」と喜びを語りました。
新生賞の坂上さんは「画力に振り切った作品を描いてみないか」と編集担当者に言われ「桶屋がただ桶を作るだけの話を描いた」と話し、会場が笑いにつつまれました。
短編賞の益田さんは空想の自分を描いていたという子ども時代を振り返りながら、「マンガを描き続けていきたい」と語りました。
1984年から続くオリジナル限定の同人誌即売会を主催し特別賞を受けたコミティア実行委員会の吉田代表は「100年以上続くイベントにしたい」と決意を語りました。
会場には秋本治氏や里中満智子氏ら選考委員、ちばてつや氏や吉田戦車氏ら漫画家、出版社幹部や担当編集者、抽選で当選した読者ら400人が参加。コミティア実行委員会の中村会長、吉田代表、リイド社トーチweb編集長の中川敦さんが語り合う記念トークイベントも行われました。