トップメッセージ

 2019年1月25日、朝日新聞は創刊140周年を迎えます。大阪での創刊は、日本が近代化の緒についたばかりだった1879年、明治12年のことです。19世紀に生まれ21世紀の今日を迎えることができました。

 メディアをめぐる環境は変化し続けています。しかし、権力を監視し、隠された事実を掘り起こすというジャーナリズムこそが、私たちに課せられた最も重い責務であることに変わりはありません。情報があふれかえる一方で、真実が置き去りにされかねないいま、たしかなファクトを丁寧に伝える報道、多様な人々の異なる声を伝える言論のフォーラム機能、そして、批判や分析を冷静に加え、自分たちの立場を明確に示す論評の必要性は、ますます高まっています。

 朝日新聞社は、森友学園への国有地売却に絡む財務省の公文書改ざん問題のスクープで、2018年度の新聞協会賞(報道部門)を受賞しました。「民主主義の土台を根底から揺るがす行為を明るみに出した一連のスクープは、歴史に残る優れた調査報道」であると、高く評価されました。隠された事実を粘り強く明らかにする姿勢を、これからも貫き続けます。

 国際秩序は大きく変貌しつつあり、少子高齢化や国の債務削減、働き方改革など国内でも重要な課題が山積しています。「ともに考え、ともにつくる」という企業理念をふまえ、ひとつひとつの課題に向き合い、解決の方法を探る「課題解決模索型報道」にも力を入れています。その一環として、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)を知っていただき、理解を深めていただくための取り組みにも注力し、「2030 SDGsで変える」の企画や、「朝日地球会議」に代表される数々のリアルイベントなどに全社で取り組んでいます。

 140年の歴史のなかで、私たちは時代の変化をとらえながら、様々な事業に取り組んできました。そしていま、ジャーナリズムを核にしつつ、「豊かな暮らしに役立つ総合メディア企業」への進化に挑戦しています。

 第4次産業革命に伴い、世の中もメディア環境も激変するいま、挑戦しないことは最大のリスクです。伝統的な新聞、朝日新聞デジタルに加え、特定のジャンルを深く掘り下げる特化型メディア「バーティカルメディア」を、順次、立ち上げています。いまの時代にふさわしいメディアの在り方を探り、その先頭に立つ「総合メディア企業」を目指していきます。