朝日新聞の「LINEの個人情報管理問題のスクープと関連報道」が、優れた報道に贈られる2021年度の新聞協会賞を受賞しました。日本新聞協会が10月6日に発表しました。編集部門での受賞は、18年度の「財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ」以来、3年ぶりです。

 無料通信アプリ「LINE」の個人情報が利用者への具体的な説明が不十分なまま、中国の関連企業からアクセスできる状態にあったことを朝日新聞の調査報道で明らかにし、3月17日付朝刊と朝日新聞デジタルで特報しました。このスクープの後、運営会社は中国からのアクセスを遮断したほか、韓国のサーバーに保管していた画像や動画などのデータを国内に移す方針も示しました。さらに、総務省がLINEに電気通信事業法に基づき改善を指導したり、政府や自治体向けのLINE利用の指針が作成されたりするなど社会に大きな影響を与えました。

 日本新聞協会は授賞理由について「国内外の取材網を駆使し、プラットフォーム事業者が大きな影響力を及ぼすようになった社会に警鐘を鳴らした調査報道として高く評価され、新聞協会賞に値する」と説明しています。

 LINEは国内で1カ月に約8800万人が利用(今年6月発表)し、公共サービスにも使われる「公共インフラ」ともいえるプラットフォーマーです。一連の報道は政府や自治体、プライバシーを扱う企業などにおける情報セキュリティーのあり方に広く警鐘を鳴らすものとなりました。

 授賞式は11月17日に行われる予定です。