発展の鍵は小学生への普及
学びに役立つと強調したい
——川淵さんは、小学校の校庭を芝生化するプロジェクトに力を入れるなど、子どもの教育にも熱心です。「麻雀発展の鍵も小学生への普及」と強調されているそうですね。
子どもにとって重要な力の一つは、コミュニケーション能力です。4人がお互いの顔を見ながら競う麻雀は、それを鍛えるのに最も効果的です。他にも、想像力、決断力、論理的思考力、分析力、計算能力など、身につく力は数えきれません。
観察力も養えますね。「このプレーヤーはもうすぐ上がりそうなのか?」「その点数はどれぐらい高いのか?」という重要な判断材料を、様々な情報を観察して読み取るゲームだからです。
忍耐力もつきます。ライバルが3人いるので、自分は上がれないことの方が多い。耐える時間が長いわけです。運の要素もあるので、不運を受け入れる訓練もできます。遊びながら、人生そのものを学べるともいえるでしょう。
Mリーグでも、選手が小学生に教える機会を増やしているようで、とても良い取り組みだと期待しています。先日は、東京の目黒区立駒場小学校で、Mリーガーが小学生に麻雀を教える企画もありました。先生やPTAの理解を得て、各地に広げていければいいですね。全国の小学生が競う麻雀大会を企画するのも一案です。教育の観点でも、Mリーグという「子どもたちが目指す憧れの場所」ができたのは良かったと思います。
——Mリーグが掲げる「麻雀の五輪種目化」を見据えて、将来に向けた提言はありますか。
「麻雀をオリンピックに」というと、まだ半信半疑の方もいるかもしれません。しかしどんなことでも目標を高く持って、言い続けることが大事です。いま「eスポーツを五輪種目に」という動きがありますが、eスポーツが良くて麻雀は良くない理由はありません。Mリーグを軸に、健全なスポーツとしてのイメージを広げていくことが重要です。
そのためにも将来、Mリーグも各地域に根付いた活動が盛んになって欲しい。そして、さまざまな地域の方が麻雀に気軽に触れる機会を増やしたい。子どもたちはもちろんですし、シニア層への普及もしたいですね。
五輪競技になるには、多くの国で競技がされていることが条件ですが、幸い、麻雀は国際的に親しまれています。中国はもちろん、欧米にも多くのプレーヤーがいます。ただし、国や地域によって、ルールのバリエーションが多い。私は1958年に日本代表として香港に遠征した際に、初めて海外の麻雀を見ましたが、進め方が違うんですね。それぞれの決まりや歴史は尊重しつつ、各国の関係者が「この国際大会ではこのルールで競う」という話し合いを始めていけると良いと思います。
