国公立大学 進学のすすめ2020

広告特集
企画:朝日新聞社メディアビジネス局
制作:AERAムック編集部

東京大学 The University of Tokyo

FOCUS

リベラルアーツと
専門教育を有機結合

藤垣裕子理事・副学長

世界の公共性に
奉仕する大学

東京大学憲章には「世界の公共性に奉仕する大学」という言葉がでてきます。「世界の公共性に奉仕する」の意味は、大学マネジメントが運営から経営へと舵を切ろうとするなか、企業からいただく寄付や助成金が、一部の企業の利益やある業種だけが富むことに使われるのではなく、地球と人類社会の未来への貢献に向けた協創を効果的に推進するための大学の研究開発や人材育成に活用されることなどが考えられます。人類はなぜ大学というものを社会のなかに定着させてきたのか。皆さんが大学で学ぶことの人類にとっての意味は何か。他の動物と異なりヒトは文化や教育・学習を通じた世代間情報伝達機構をもちます。大学は人類が生み出してきた世代間情報伝達装置のなかで重要なものの一つで、大学で学ぶことの人類にとっての意味は知的遺産の継承の担い手になることです。「世界の公共性に奉仕する」とは知的遺産の継承の担い手として、次世代によりよい環境を残すための研究開発と教育に励むことです。

世界的視野をもった
市民的エリート

また、アドミッションポリシーには「東京大学は、国内外の様々な分野で指導的役割を果たしうる世界的視野をもった市民的エリートを育成することが、社会から負託された自らの使命であると考えている」という一文があります。東京大学憲章にもでてくる「世界的視野をもった市民的エリート」は、「エリート」という少数者を意味する言葉に「市民的」という形容詞をつけることである種の緊張感をもたらしています。その緊張感の理由は東京大学憲章にでてくるリベラルアーツの理念の歴史とも重なります。

リベラルアーツは古代ギリシャを源流とし、人間が奴隷ではなく独立した自由な人格であるために必要とされる学問を指します。20世紀米国では古代奴隷社会のような自由な少数者への教育ではなく、すべての人が自由な市民であるための教育としてリベラルエデュケーションが提唱されました。「パンキョー」と呼ばれた日本の一般教育の起源です。「市民的エリート」は選ばれたが故に責任ある市民の教育でありながら、同時に市民性教育が必要であるというリベラルアーツ理念の歴史をも体現しています。

現代に奴隷制はなく人間は自由であると思われていますが、実は様々な制約を受けています。日本語しか知らなければ、他言語の思考が日本語の思考とどのように異なるのか考えることができない。ある分野の専門家になっても他分野のことを知らなければ、目の前の大事な課題について他分野の人と効果的な協力をすることができません。気づかないところで様々な制約を受けている思考や判断を解放させるための知識や技芸がリベラルアーツです。本学は幅広いリベラルアーツ教育を基礎とし、多様な専門教育と有機的に結合する柔軟なシステムを実現し、そのたゆまぬ改善に努めています。このような教育理念に共鳴し、学びと人間的成長に対する高い興味と意欲をもつ皆さんを、日本だけでなく世界各地から積極的に受け入れたいと考えています。入学試験には、主に国内の高等学校卒業生を対象とする一般選抜と学校推薦型選抜のほか、外国学校卒業生を対象とする特別選考、英語による学位取得が可能な学部英語コース特別選考があります。キャンパスライフ支援として女子学生の住まい支援も用意しています。志の高い皆さんが本学を志望してくれることを願っています。

Campus topics

TOPICS 専門分野の壁を越えて思考できる
「後期教養教育」を拡充している

後期教養教育は、学部後期課程(3、4年生)および大学院におけるリベラルアーツだ。東京大学では学部前期課程(1、2年生)の間に教養学部で前期教養教育を受け、2年生後半から専門教育を受けるが、教養教育は前期課程で終わらない。特に専門を学び始めた後に意味をもつ教養教育は次の三つの点を問う。①自分のやっている学問が社会でどういう意味をもつか。②自分のやっている学問をまったく専門の異なる人にどう伝えるか。③具体的な問題に対処するときに他の分野の人とどのように協力できるか――。東日本大震災後、学問のあり方への反省から2015年度に立ち上げられた後期教養教育は現在、学部後期課程に10学部249科目、大学院に15研究科等343科目を開講している。たとえば医学部では「社会と健康」、文学部では「死生学」、教養学部では「異分野交流論」などの科目がある。学生は専門分野の壁を越えて思考し、協力する素地を学ぶ。
後期教養教育では「知のプロフェッショナル」として柔軟かつ責任ある思考ができる素地を培う