2023年度の朝日スポーツ賞が決まりました。野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶり3度目の優勝を果たした日本代表と、陸上世界選手権の女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花(はるか)選手(25)=JAL=です。来年1月26日、朝日賞とともに贈呈式を行います。
写真はWBC決勝で優勝を決め喜ぶ選手たち(左)、世界選手権女子やり投げで優勝した北口選手(右)

燃えた、侍のドラマ  野球・WBC日本代表

 侍ジャパンは自国開催の1次ラウンドB組を4戦全勝で1位通過。準々決勝でイタリア代表に快勝し、米国に舞台を移した準決勝ではメキシコ代表と対戦しました。1点を追う九回、それまで不振が続いていた村上宗隆(ヤクルト)が逆転サヨナラ打を放って波に乗りました。

 決勝は米国代表との顔合わせ。大リーグのスターをそろえる強豪との一戦を前に、大谷翔平(エンゼルス)は円陣で「今日だけは憧れるのはやめましょう」と鼓舞しました。1点リードの九回、大谷が指名打者を解除してマウンドへ。最後はアメリカン・リーグで最優秀選手に3回輝いたマイク・トラウト(エンゼルス)から空振り三振を奪い、チームメートと抱き合いました。

 栗山英樹監督のもと、大谷やダルビッシュ有(パドレス)、日系米国人のラーズ・ヌートバー(カージナルス)ら個性あふれる選手たちが連日繰り広げたドラマチックな展開は、野球に関心がない層も巻き込んでの社会現象を起こしました。

堂々、大逆転の女王  やり投げ・北口榛花選手

 北口選手の金メダルは日本陸上界の快挙でした。トラック・フィールド種目で日本の女子選手が頂点に立つのは五輪、世界選手権を通じて初めてです。

 今季は勝負強さが際立ちました。世界選手権では4位に後退した後の最終6投目で一気にトップへ躍り出ました。7月にあった世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ・シレジア大会でも最後の6投目で、自らが持つ日本記録を更新する投てきを見せました。「6投目に、その日の最高(記録)が出るという試合の作り方をしている」と自信をみせます。

 世界選手権の金メダルで早々とパリ五輪代表の座をつかみました。2大会連続2回目の大舞台。初出場だった東京五輪は決勝へ進んだ12選手のうち12位。4投目以降に進むことができませんでした。「東京五輪の自分は気迫、気持ちが足りなかった。いまは世界チャンピオンですけど、五輪チャンピオンではない。挑戦者の気持ちで頑張りたい」。25歳は謙虚に、もう一つの世界の頂を見据えます。