塩谷祐一・朝日新聞大阪本社声編集長
教育に新聞をどう役立てるかを考える第62回大阪NIEセミナー(大阪NIE推進協議会など主催)が12月2日、大阪市の朝日新聞大阪本社で開催されました。塩谷祐一・朝日新聞大阪本社「声」編集長が「声のチカラ、新聞のチカラ NIEに有効活用を」のテーマで講演。今年で誕生から100年を迎えた声欄の紙面づくりのルール、掲載されやすい投稿のコツや魅力などを紹介しました。
声欄では、担当者が必ず本人と直接やりとりし、入念にデータを確認することを説明。魅力的な投稿として、①ニュース即応②他人の意見への感想③季節の話題などを挙げ、「自分の体験が具体的に含まれたもの、だれよりも早い感想や面白い意見がお薦めです」。子どもたちの投稿も多い「若い世代」(毎週金曜日掲載)では「授業で書いた作文は優秀作品に限らず、送ってほしい。担当者とのやりとりも勉強になる」。1本の投稿をもとに賛否の意見を紹介する「どう思いますか」(毎週水曜日掲載)では「まず元の投稿だけで議論し、最後に両派の意見を紹介すると授業が面白くなる」とアドバイスも。
投稿掲載を契機に、交通遺児への募金活動や学生の平和運動につながった事例を紹介。「1本の投稿が制度を見直すきっかけになることも。声欄を見れば時代がわかります」。最後に「作文を書くときは見出しもつけるトレーニングが有効。投書の見出しが全部同じ大きさなのは、どの意見にも同じ価値があると考えているから。これからも365日、みなさんの意見を伝え続けていきたい」と語りました。
読者の「声」集め100年
<朝日新聞の声欄>
「声」の前身は、1917(大正6)年2月に東京本社版で投稿掲載が始まった随筆欄「鉄箒(てっそう)」(鉄のほうきの意)。同年8月には大阪本社版で「百雑砕(ひゃくざっさい)」(禅用語で「全てを打ち砕く」)がスタート。40年9月に大阪で「声」欄に、東京も45年に改名。過去には蔵相時代の池田勇人、谷崎潤一郎、志賀直哉ら著名人も登場。2016年の投稿総数は約63000通、月平均で5000通前後。
<参考>
・担当記者に聞く、「ちょい読み」 声100年 塩谷編集長 おすすめの楽しみ方
https://info.asahi.com/choiyomi/reporter/voice/?iref=marke_choiyomi_17_lptop
塩谷祐一・大阪本社声編集長の講演から
<「声」のルール>
・必ず電話で本人とやりとり
=「なりすまし」や「二重投稿」を防ぐ
・投稿原文をできるだけ生かす
・投稿者の実名、都道府県名、年齢を掲載
・データはすべて確認
<よくある投稿パターン>
・ニュース即応型
=事件事故や政治・国際ニュースへの意見
・反響投稿型=他人の投稿への感想、賛同や反論
・テーマ投稿型=「憲法」「3・11」「新聞週間」など
・季節の変化や行事もの=クリスマスや母の日、夏休みなど
<魅力的な投稿とは>
・自分の体験が具体的に含まれる=借り物の意見はつまらない
・だれよりも早い感想や意見=ニュース関連は「早い者勝ち」、メールやファクスが有利
・面白さが最優先
<若い世代>へは
・授業で書いた作文は選別せずに送る=最優秀作が選ばれるとは限らない
・やりとりも「勉強」「体験」=声担当者との電話が授業とは違う刺激に
・掲載されたら活用を=校内掲示など
<「声」のチカラ>とは
・掲載された投稿が大きな反響をよぶ
・市民運動や制度見直しの契機となる
・声欄を見ればその時代がわかる
※ここから先生方向けの「若い世代 投稿ガイド」がダウンロードできます。