埼玉県立高校で22年度から、東京都立高校で23年度から、全国紙など7新聞社が連携して「(メディア)リテラシー」をテーマに「出張授業」をしてきました。朝日新聞社は24年度、芝商業高校(12月11日、2年生約160人)、青山高校(12月20日、1年生約280人)、羽生第一高校(1月15日、1・2年生約320人)を担当しました。

 授業では事前に「リテラシー」について考えさせる記事3本〜5本を「課題」として受講生に配付。精読のうえ「最も気になるところ、印象に残るくだりがあった記事とその理由」について発表してもらいました。能登半島地震に関して同じ対象を取り上げて同じ日に報じた2紙の読み比べでは、「心の復興」というキーワードを盛り込んだ記事と、盛り込まなかった記事に分かれたことも学んでもらいました。「教材」として全員に配った当日の朝日新聞朝刊から「リテラシー」を考えるのに適した記事を理由とあわせて発表もしてもらいました。

サイズ変更済み)241211リテラシー講座@芝商高
「出張授業」で当日の朝日新聞朝刊に目を通す生徒たち=都立芝商業高校

  後日、青山高校の受講生からは次のような感想が寄せられました。

  • 本当のリテラシーというのは、時間がかかっても批判的に記事を読み、自分で正しいかどうか見極めることだと実感した。
  • 新聞の気になった部分を発表した人が、私と全く異なる部分を取り上げたので少し驚いた。しかしその人の意見を聞いてみたら納得できる部分があったので、異なる考えを持っていても、意見を交し合ったら新たな視点が見つかると思った。
  • 悪い情報に惑わされず生きていくために、情報を受け取る側にも責任があることを自覚したいと思えた。
  • 当日朝刊を読んで「リテラシー」に関する記事を探すのが楽しかったし、授業内容とリンクした記事があってわかりやすくなった。「アテンション・エコノミー」など初めて聞く言葉も出てきて学びになった。
  • 発信者の意図やどれだけ主観が入っているのかも少し想像することができた。今回の講座を生かして、今後新聞やスマホなどの情報を取り入れる際は、しっかりと批判的分析的に判断できるようにしたい。
  • 今回私が知った言葉は、「手前味噌めく」である。馬鹿の一つ覚えといわれるかもしれないが、積極的に使おうと思う。こんな風に講義や新聞で教養を身につけ、メディアリテラシーを養っていく。
  • 私が嘘の情報に気づかないうちに拡散しないように、情報リテラシーを身に着けようと思う。
  • 新聞によって全く視点が違うということが分かった。私は普段、読売新聞を読んでいるので、渡辺恒雄氏の訃報について、もっと悼むように書かれていたような気がする。発信者はだれか、本文に目を通す、情報源はどこか、などがポイントだと知った。
  • 情報は同じでも、考え方の違いから新聞社によって内容が異なるということがわかりやすかった。
  • 情報をうのみにしないことはもちろんだが、その不確実性に耐え、自分なりの答えを探し出すことが大切だと感じた。そのためにも日ごろから新聞を読むことが大切だと思う。たくさんの記事を読むことで、その中に自分なりの判断材料を見つけることができるようになってくると思う。
  • 私たちは信頼性のある情報をピックアップし、批判的に読み解くことが求められる。また表現の自由はあるが、過激な内容で利益を得ようとしている人たちもいるので、それに流されて思うがままにはさせないように、自分たちで判断する必要があると思った。
  • 私もSNSをよく利用するので、自分の行動に責任をもち、情報を適切に見極める必要があるなと思いました。
  • 「発信者を見極める」ことが重要だと思いました。なぜなら、現代は情報を簡単に拡散できてしまう時代で、指先1つで自分もデマを広める一人になってしまう可能性があるので、気をつけなければならないと感じたからです。一つひとつの情報を批判的に読み解き、より良い情報を取捨選択できる人間になっていきたいです。
  • どの新聞を取ってどんな記事を読もうが、最も大切なのは自分がその記事をどのように受け取り、そこから何を考えるのか、なんだと改めて思いました。
  • 訃報に着目した点がすごく興味深かった。同じ学年の人の意見を聞く機会もあって、自分の考えと比べながら深めることができた。同じ会社の新聞ばかり読んでいると、その新聞社の考えに知らぬ間になっていくのではないかと思った。

 羽生第一高校HPはこちら 

<新聞7社連携「リテラシー講座」の概要>※敬称略、順不同

  • 7社:朝日/読売/毎日/日経/産経/東京/埼玉
  • 22年度に開始。23年度、都立高校(「埼玉」を除く6社連携)にも拡大し、24年度は埼玉県立高校13校、都立高校16校で実施。