埼玉県立高校で22年度から、東京都立高校で23年度から、全国紙など7新聞社が連携して情報・メディア「リテラシー」をテーマに「出張授業」を続けています。朝日新聞社は25年度、都立青山高校(12月22日、1年生約280人)、都立芝商業高校(12月23日、1年生約170人)、羽生第一高校(1月14日、1・2年生約290人)を担当しました。いずれも学校から指名を受けての授業で、青山と羽生第一は2年連続、芝商業は3年連続です。

 授業では、「リテラシー」について考えさせる記事5本を「課題」としてあらかじめ受講生に配付。精読のうえ「最も気になるところ、印象に残るくだりがあった記事とその理由」について発表してもらいました。能登半島地震に関して同じ対象を取り上げて同じ日に報じた2紙の読み比べでは、「心の復興」というキーワードを盛り込んだ記事と、盛り込まれていない記事に分かれたことも学んでもらいました。「教材」として配った当日の朝日新聞朝刊から「リテラシー」を考えるのに適した記事を、理由とあわせて発表してもらうこともしました。

 後日、青山高校の受講生から概略、以下のような感想が寄せられました。

・SNSは投稿のハードルが低いため、誇張や捏造も潜む見出しがひとり歩きしている可能性がある。これに対して新聞は、豊かな知識を蓄え校閲を専門とする人の手によって内容の正確性が担保されていることを、きょう知った。

・「アテンション・エコノミー」の発端・目的について考え、やはり「お金」なのかと思った。でもそれはあくまで個人だけの利益で、その代償は社会の混乱。だから偽情報を拡散する前に悪影響等マイナスの価値について考えてほしいなと思った。

・「批判的」というのは、メディアと意見交換するような、内容を吟味するようなことであると感じた。

・リテラシーは、1日で身につくものではなく、日常的に意識することで、だんだんと身につくものだと分かった。自分の意見や考えを大切にして、いろいろなメディアに触れることが大切だと学んだ。

・「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉が心に残った。急いで結論に飛びつかず、「何でだろう?」「どういう意味だろう?」「他の意見は?」というように問題を深ぼりしていくことが大切だと思った。