ATHLETE INTERVIEW
困難を超え、進み続ける

野中生萌

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どんな状況だろうと自分が今できることに集中して努力すれば成長できる

スポーツクライミング

1997年5月生まれ。スポーツクライミング選手。X Flag所属。

「今年の夏は、本来だったら大きな挑戦の機会があったはずの夏。でもコロナによってその機会が奪われてしまったどころか、当たり前だと思っていた日常すらすっかり様変わりしてしまいました」

最近スポーツクライミングが注目され、競技としての知名度も上がってきた。なんとしてもこの競技を代表する女子選手となるべく、順調に調子を上げていた矢先に競技中断を余儀なくされたショックは大きかった。

「圧倒的に練習量が少なくなったことによる焦りや、コーチに直接フォームを見てもらえない不安。自分ができる範囲で最大限の練習をしていても、当初はなかなかそれがぬぐえませんでした」

野中生萌

メンタルをポジティブな方向に持っていくために試してみたのが、屋外の岩場でのトレーニング。普段室内で行っているクライミングでは得られない新鮮な感覚は、自らの持ち味である力強くダイナミックなクライミングのスタイルを再評価するきっかけになった。

自粛期間中に体力とパフォーマンスが落ちたことは自分でも認めるところだが、「コロナによる社会や競技環境の変化は、自分ではコントロールできないこと。自分の力でどうにもできないことは受け入れて、その中で自分にできることに集中して努力する。そう考えるようになってからは、かなり気持ちが楽になりました」

大会がことごとく中止になったことで、気づいたこともある。「クライミングは好きで続けてきた競技ですけど、大会があるからギリギリまで挑戦しようという意欲が生まれるし、会場で応援してくれる人がいるからもっとがんばろうと思える。その循環が、私が競技を続ける大きな原動力になっていたんです」

野中生萌

では、大会がなければ競技を続ける意味はないのかというと、「そんなことはありません。確かに大会は大きく成長できる機会ではあるけれど、人生のすべてではない。今年はたくさんの大会が中止・延期になったので気落ちした人も多いと思いますが、目標としていた大会がなくなったからといって、なあなあに生きていいのかというと、それはやっぱり違いますよね。今回のコロナの経験も、長い目で見れば今後自分の実力を問われる場で絶対に役に立つはず。スポーツを通して学んだことは、スポーツ以外の場でも必ず大きな力になります」

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