朝日 地球会議2018特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇

朝日 地球会議2018 特別協賛企業・団体による 特別講演・登壇 広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディアビジネス局

パネル討論
「風力発電は主役になれるか――IoTが鍵を握る」より
江上 正樹
NTN 常務執行役員 研究部門担当

「トライボロジー」を核に「なめらかな社会」の実現に貢献

NTNは、1918年3月に、現在の三重県桑名市で創業し、今年100周年を迎えました。それを記念し、「なんてなめらかNTN 世界をなめらかにする仕事」というキャッチフレーズで、女優の多部未華子さんを起用したテレビコマーシャルを放映しています。NTNの主な事業は、ベアリングやドライブシャフトなどの製造販売で、世界33カ国で事業を展開するグローバル企業です。NTNということで、For New Technology Network、つまり新たな技術で世界を結ぶことを企業理念としています。

ベアリングは、機械における回転をスムーズに支持して、さまざまな運動をなめらかに行わせるということで、本日のテーマである風力発電装置、農業機械、ロボット、航空機、鉄道車両、工作機械など、さまざまな産業機械に利用されています。また、みなさんの身近なところでは、洗濯機、掃除機、冷蔵庫、パソコンなど、目には見えませんが、実は非常に生活に密着したところで利用されているのです。

例えば自動車には100~150個くらいのベアリングが使われています。タイヤの回転を支えるハブベアリングは、世界シェア第一位。タイヤに動力を伝えるドライブシャフトは世界第二位。このように、ベアリングについては世界でトップシェアを誇っています。

こうした中、私たちには、ベアリングを小型軽量化、長寿命化することで、環境に対する負荷の軽減に寄与することが求められており、性能向上を進めています。その核となるのが、「トライボロジー」です。1966年にイギリスで生まれた概念で、摩擦を意味するギリシャ語と、学問を意味する接尾語による合成語です。日本トライボロジー学会では「相対運動しながら互いに影響を及ぼしあう二つの表面の間におこるすべての現象を対象とする科学と技術」と説明しています。今後このトライボロジーを核にして、地球環境保全分野と新エネルギー分野の将来技術を創造してまいります。

IoTとAIで、風力発電装置故障による機会損失をなくす

今注目されている風力発電は、世界規模で見ると順調に増えており、今後も増えていくと予想されています。この風力発電を支える風力発電装置は、風を受けて回転するブレード(翼)の横にナセルと呼ばれる箱状の装置が設置されており、その中には、ブレードの回転を伝える「主軸」、発電するために回転速度を上げる「増速機」と風の力を電機に換える「発電機」、風の向きにあわせて風車の方向を変える「ヨー駆動装置」が搭載されて、1基あたり20~30個のベアリングが使用されています。

また、風力発電は発電コストを下げることがいま、大きな命題となっています。効率よく発電するために、装置は超大型化し、設置場所も陸上から洋上へとシフトしています。そのため、ベアリングに対する要求も高度化し、大型化・高剛性・軽量化を実現した、より信頼性が高い商品が求められています。

さらに、メンテナンスを効率よく行えるシステムが求められています。発電業者にとって、ダウンタイムをなくし、発電し続けることは、安定した電力を供給する上でも重要です。そのためNTNではWind Doctor (R)という商品を提供しています。CMS(Condition Monitoring System)と呼ばれ、風車のナセルの中に各種センサを取り付け、振動などのデータを収集し、インターネットを通じて専用サーバに送り、これを分析・解析して、事業社に装置の状態を報告します。

これまでは、故障してから事後メンテナンスによって、原因を突き止め復旧していたのですが、IoT(Internet of Things)の技術を使うことで、予防保全し機会損失を防ぐことができます。例えば、ベアリングの損傷について、CMSを使えば、2カ月も前に異常を検知することができたというケースがありました。2014年から4年間、NEDOのプロジェクトにおいて、全国の風力発電装置にこのCMSを設置して、状態を監視してきました。現在、さらに早期に異常を検知できる技術開発を進めています。

我が国における洋上風力発電はまだ実証実験段階ですが、洋上においては特にメンテナンスが大変なため、CMSがより重要になります。また、この異常検知をもっと正確に、もっと早くしたいということで、NTNではAIを使った検知に現在取り組んでいます。今後、風力発電装置だけではなく、鉄道車両などさまざまな産業機械に適用することで、機会損失をなくすために取り組みたいと考えています。

朝日地球会議 環境 その先へ 接続可能な社会の実現 The Environment and Beyond~Towards a Sustainable Society 公式サイトはこちら