田村 日本人の果物摂取量が全世代で少ないことに驚きました。2018年の国民健康・栄養調査では、1日平均100グラム以下となっています。本来の1日の推奨量である200グラムというのは、例えるとどのぐらいの量ですか?
杉浦 Mサイズのみかんでおおよそ2個分です。健康維持のため、なるべくこの量は意識的に食べていただきたいですね。
田村 最近の果物は甘くておいしいですが、果糖は気にしなくて大丈夫ですか。
杉浦 普段の生活で食べるくらいの量なら問題ありません。Mサイズのみかん1個が約36kcalとカロリーも低く、ショートケーキの7分の1程度です。 糖分が気になる人にこそ、デザートにはお菓子よりみかんをおすすめします。脂肪分もなく、食物繊維とビタミン、ミネラルが豊富です。
田村 ジュースやドライフルーツでもみかんの栄養は摂取できますか。
杉浦 丸ごと絞ったスムージーならいいのですが、既製品のジュースはβ-クリプトキサンチンや食物繊維が取り除かれているものもあります。ドライフルーツは、砂糖が添加されている製品も多いので注意が必要です。
田村 生のみかんと加工品の栄養分は同じではないということですね。
田村 ビタミンCについては、なんとなく酸っぱいほうが豊富なイメージがあるのですが……。
杉浦 酸味の成分は「クエン酸」で、ビタミンCは甘いみかんにもたっぷり含まれています。みかん3〜4個で1日に必要なビタミンCが摂取できます。
田村 今日の講演テーマであるβ-クリプトキサンチンも、糖度が高いほど多く含まれているというお話でした。これは普段私たちがスーパーで買うみかんにも入っていますか?
杉浦 もちろん。産地がどこかにかかわらず、β-クリプトキサンチンが豊富なことがみかんの大きな特徴です。
田村 骨粗しょう症予防をはじめ、たくさんの働きが期待されるβ-クリプトキサンチンの成分だけを抽出して、サプリメントはできないのでしょうか。
杉浦 β-クリプトキサンチンの働きは、ビタミンCやポリフェノール、カリウムなど他のさまざまな成分と複合することで発揮されると考えられます。それだけを抽出してもあまり意味がないのではないでしょうか。また、精製にはかなりコストがかかるので、みかんを食べたほうが断然手軽でお得です。
田村 わかりました。しかもβ-クリプトキサンチンは、「貯金」もできるんですよね。
杉浦 蓄積性があるというのが大きなポイントです。これからの季節、みかんを積極的に食べて、その先もずっと健康に過ごしていただきたいですね。
日本みかん農協
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