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相続税

最終更新日:2025.01.31

続税は書面添付制度で
税務調査の対象とならない?
利用するメリットとは

相続税は書面添付制度で税務調査の対象とならない?利用するメリットとは

このコンテンツでわかること

  • ■ 書面添付制度とは
  • ■ 書面添付制度を利用するメリット
  • ■ 書面添付制度を利用する際の注意点

相続税の申告は、一生のうちに何度も経験するものではないため、税務調査が不安な方も多いでしょう。

このようなときは、税務調査となる可能性を軽減できる書面添付制度を利用して相続税の申告をすることで、不安を和らげることができます。

今回は、書面添付制度の概要やメリット、利用するときの注意点を解説します。

書面添付制度とは

書面添付制度とは、税理士法第33条の2に基づき、税理士が顧問先の確定申告書の作成に関して、計算や整理した事項などを書面に記載し、申告書に添付して税務署に提出する制度です。

添付書面には、

  • どのような帳簿類をもとに、個別の勘定科目について、どのような判断をして処理したのか

  • 前期と比較して大きく増減のあった科目は、どのような理由により増減があったのか

  • 顧問先に対してどのような指導をし、どのような相談を受けたのか

など、申告書を見るだけでは得られない情報を記載します。

書面添付制度の趣旨

書面添付制度の創設の趣旨は、税務行政の円滑化と簡素化を図るためといわれています。

たとえば、所得税の申告件数は平成元年には1,697万件だったものが、平成29年には2,169万件にも増えています。法人数の申告件数は平成元年には235万法人だったものが、平成29年には308万法人にも増えていますが、国税庁の定員は平成元年が54,376人、平成29年が55,667人とほぼ横ばいです(国税庁「税務行政の現状と課題」(平成30年1月24日))。

そのため、このマンパワー不足を補うべく、国が注目したのが書面添付制度です。税理士が税務の専門家として添付書面を作成し、それにより調査官の疑問点が解消された場合には、税務調査に行く手間が省けます。

相続税は他の税目より税務調査が多い

令和4年分の相続税の申告書提出は189,138人(令和4年分 相続税の申告事績の概要)、令和4事務年度の相続税の実地調査件数は8,196件(令和4事務年度における相続税の調査等の状況)で、税務調査の割合は4.33%となっています。

法人税については、令和4年度における申告件数は3,128千件(令和4事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要)、実地調査件数が62千件(令和4事務年度 法人税等の調査事績の概要)で、税務調査の割合は1.98%です。

所得税については、令和4年分の申告書提出は2,295万人(令和4年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について)、実地調査件数が46,306件(令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況)で、税務調査の割合は0.20%です。

一般的に、相続税は税額が高額であり、相続人は自分ではない人の財産について申告をするため、どうしても申告漏れが生じやすいことから、税務調査件数が多くなる傾向があります。

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書面添付制度を利用するメリット

書面添付制度を利用すると、申告書だけではわからない情報を税理士から税務署へ提供するため、調査官の疑問点が解消され、税務調査対象とならない可能性が高くなります。

意見聴取で税務調査が省略される可能性

書面添付制度を利用すると、税務調査の前に「意見聴取」が行われます。

意見聴取とは、調査官が税理士から申告書について意見を求めるもので、意見聴取での納税者への接触はありません。この意見聴取によって調査官の疑問点が解消されれば、税務調査は省略されます。

たとえ税務調査へ移行したとしても、意見聴取によって調査官が注目している点は事前に明らかになっているため、税理士、納税者ともに負担が軽減されます。

意見聴取で申告漏れが発覚しても加算税はとられない

通常、税務調査の事前通知があったあとに修正申告をすると、過少申告加算税が課されますが、意見聴取は税務調査を行うのかどうかの判断前に行われるものであり、税務調査ではありません。

そのため、意見聴取によって申告内容の間違いに気づき、修正申告をしたとしても、過少申告加算税は課されないことになっています。

書面添付制度を利用する場合の注意点

税務調査となる可能性が低くなるため、ぜひとも書面添付制度を利用したいところです。ただし、書面添付制度を利用する際は、以下のような注意点があります。

利用している税理士が限られる

納税者が書面添付制度の利用を希望したとしても、必ずしも税理士が書面添付制度を利用するとは限りません。

書面添付制度において、税理士は添付書面の虚偽記載をすると懲戒処分の対象となります。この虚偽記載とは、意図的に正しくない内容を記載した場合が該当し、故意ではない記載内容の誤りは含まれません。

しかし、書面添付制度を利用すると税理士の責任が重くなることから、書面添付をすることに慎重になる税理士もいます。

追加の費用(税理士報酬)がかかる

書面添付を標準業務にしている税理士事務所もあれば、別途、書面添付の依頼費用がかかる税理士事務所もあります。

書面添付制度を利用して相続税の申告をしたいときは、申告書の作成依頼をする前に、書面添付の依頼費用が別途かかるかどうか確認しましょう。

無予告調査の場合、意見聴取はない

書面添付制度を利用したとしても、税務調査前に必ずしも意見聴取が行われるとは限りません。

事前通知なしで実施される無予告調査の場合は、たとえ相続税の申告書に書面添付があっても意見聴取は行われず税務調査となります。

まとめ

相続税の申告において、書面添付制度を利用することで税務調査となる可能性を軽減できることから、ぜひとも利用したい制度です。

ただし、書面添付制度は税理士に利用する意思がなければ、納税者側がいくら望んでも利用することはできません。

書面添付制度を利用したい場合は、税理士が書面添付制度を利用しているかどうか確認してから、相続税の申告を依頼するようにしましょう。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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