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相続税

最終更新日:2021.05.10

与税がかからない・
節税する方法まとめ
【贈与税が非課税になるケースも解説】

このコンテンツでわかること

  • ■ 贈与税がかからない方法
  • ■ 贈与税が非課税になるケース
  • ■ 贈与税を減らす方法

財産を子どもや孫にできるだけ多く残したいと思うのは当然です。しかし、贈与税が怖くてなかなか贈与に踏み切れない方が多くいらっしゃいます。そこで、贈与税がかからない方法や節税方法などについて解説します。

贈与税とは

個人から贈与を受けた場合、贈与税の申告・納税が必要となります。自由な贈与を許してしまうと、相続税の負担を減らすためにたくさん贈与しようとする人が増え、税収に悪影響を与えることや、富める親の子どもがそのまま財産を受け継ぐことで格差が拡大していく恐れがあるからです。

しかし、親が子どもの日常生活や教育費を負担することにまで贈与税をかけてしまうと、国民の生活が成り立たなくなります。日常生活や教育費など扶養義務の範囲内でのその都度の贈与は非課税とされ、その都度ではない贈与の場合も基礎控除があるため、一定額以下であれば贈与税はかかりません。一定額を超えた贈与に対して贈与税が課税されます。

また、若い世代へ資産の早期移転を促し経済を活性化させるといった、国の政策的な観点から「住宅を取得するための資金を贈与する」「子どもの教育資金を一括で贈与する」などの一定の贈与を非課税とする規定が設けられています。

贈与税がかからない贈与七つ

贈与税がかからない贈与は、次の七つがあり、併用可能なものもあります。

  • 基礎控除内の贈与

  • 相続時精算課税制度による贈与

  • 夫婦間の居住用不動産の贈与による配偶者控除

  • 住宅取得等資金の贈与の非課税制度

  • 教育資金の一括贈与の非課税制度

  • 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度

  • 特定障害者に対する贈与税の非課税制度

なお、基礎控除内の贈与以外は、贈与税がかからない場合も、税額控除や特例を利用するためには必ず贈与税の申告が必要となるため注意しましょう(金融機関が代行するものを除く)。

基礎控除内の贈与

贈与税については、通常の贈与は暦年贈与と呼ばれ、1月1日から12月31日の間に贈与を受けた額が110万円を超えた場合に、申告と納税が必要となります。

暦年贈与には基礎控除110万円があり、この額を超えない場合は贈与税がかからず、申告も必要ありません。基礎控除以下であれば、年が変われば何度でも贈与税がかからずに財産をもらうことができます。

この基礎控除は受贈者(贈与を受ける人)1人当たりの額となります。そのため、Aさんから100万円、Bさんから100万円の贈与を受けた場合、200万円から110万円を控除した90万円に税率をかけて贈与税額を計算します。

相続時精算課税制度による贈与

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子どもや孫に贈与を行う場合、財産の種類や用途に制限なく、基礎控除110万円を差し引いた累計2,500万円までが非課税となる制度です。贈与額の累計が2,500万円を超えた場合は、超えた額に対して一律20%の贈与税が課税されます。

相続時精算課税制度は、誰からの贈与を受けた場合に制度の適用を受けるか記載した「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出することによって適用可能となります。相続時精算課税を選択していない贈与者から贈与を受けた場合は、暦年課税での贈与となります。なお、相続時精算課税の選択をした場合、同じ贈与者からの贈与には、相続時精算課税制度が適用され、暦年課税に戻ることはできません

夫婦間の居住用不動産の贈与による配偶者控除

夫婦間の居住用不動産の贈与による配偶者控除とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産、または居住用不動産を購入するための金銭の贈与があった場合、基礎控除110万円の他に配偶者控除2,000万円を適用でき、合計2,110万円まで贈与税がかからない特例で、俗に「おしどり贈与」とも呼ばれています。

この特例を適用するためには、以下の要件があります。

  • 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと

  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与を受けた居住用不動産、または贈与を受けた金銭で購入した居住用不動産に実際に居住しており、今後も引き続き居住する見込みであること

対象となる居住用不動産は、土地(敷地の一部でも可)や建物だけでなく、借地権も含まれ、金銭の贈与を受けて居住用不動産を購入した場合もこの特例を適用できます。

また、土地と建物は一括して贈与を受ける必要はなく、どちらか一方のみを贈与することも可能です。ただし、土地の場合は、配偶者または配偶者と同居する親族が居住用建物を所有している必要があります。なお、この特例は、同じ配偶者からの贈与については、一生に一度しか適用できません

住宅取得等資金の贈与の非課税制度

住宅取得等資金の贈与の非課税制度とは、父母や祖父母から18歳以上の子どもや孫に対して、居住用住宅の購入や新築、増改築に充当するための金銭を贈与した場合に、省エネ等住宅は1,000万円まで、省エネ等住宅以外は500万円まで贈与税が非課税になる特例です。

この非課税制度の適用期限は令和5年12月31日まででしたが、令和6年度税制改正にて、令和8年12月31日まで延長されることになりました。

教育資金の一括贈与の非課税制度

教育資金の一括贈与の非課税制度とは、以下の条件に該当する場合、1,500万円まで贈与税が非課税となる特例です。

  • 令和8年3月31日までの間に行われる贈与であること

  • 父母や祖父母が30歳未満の子どもや孫の教育資金に充当するための金銭を、金融機関と契約して、預金の預入や有価証券の購入によって贈与したもの

教育資金の対象は、幼稚園や保育所、小・中学校、高等学校、大学(院)、専修学校などの各種学校における教育に必要な費用ですが、学習塾やスポーツ教室、ピアノや絵画などの教育サービスにも適用されます。授業料や会費、これらの教育に必要な物品、通学定期券代など幅広いものが対象となっていますが、学校以外に支払われるものは500万円が限度となります。

平成31年4月1日以後の拠出、かつ死亡前3年以内の拠出では、一定の要件(*)に該当する場合を除き、使わず残った残額は相続税の課税対象となります。

令和3年4月1日以後の拠出では、一定の要件(*)に該当する場合を除き、使わず残った残額は相続税の課税対象となります。また、受贈者が孫であるときは、相続税額の2割加算が適用されます。

令和5年4月1日以後の拠出では、一定の要件(*)に該当しても、贈与者の相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときは、使わず残った残額は相続税の課税対象となります。また、受贈者が孫である場合、相続税額の2割加算が適用されます。

(*)①23歳未満である場合、②学校等に在学している場合または③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けている場合

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度とは、以下の条件に当てはまる場合に1,000万円まで贈与税が非課税となる特例です。

  • 令和7年3月31日までの間に行われる贈与であること

  • 父母や祖父母が18歳以上50歳未満の子どもや孫の結婚や子育て資金に充当するための金銭を、金融機関と契約して預金の預入や有価証券の購入によって行った贈与であること

結婚や子育て資金の対象は、挙式や結婚披露宴などの費用、新居の家賃や敷金などの結婚資金(限度額300万円)と、不妊治療や分娩費用、子どもの医療費、幼稚園や保育所などの保険料(ベビーシッター代を含む)など、妊娠、出産、育児に関する資金などで、こちらも幅広い内容となっています。

結婚・子育て資金口座に係る契約は、次の⑴~⑶の事由に該当したときに終了します。

  1. 受贈者が50歳に達したこと
  2. 口座の残高がゼロになり、かつ、その口座に係る契約を終了させる合意があったこと
  3. 受贈者が死亡したこと

1・2の事由に該当したときに使わず残った残額がある場合、その残高は贈与税の課税価格に算入します。

契約期間中に(3)の事由に該当したときに、使わず残った残額がある場合、相続等によって取得したものとみなされ、令和3年4月1日以後に贈与を受けた管理残額については、相続税額の2割加算の適用があります。

特定障害者に対する贈与税の非課税制度

特定障害者に対する贈与税の非課税制度とは、特別障害者である子どもの父母や祖父母が、信託銀行などの信託会社と契約して、特別障害者の扶養に関する費用を信託した場合、6,000万円(特別障害者以外の特定障害者は3,000万円)まで贈与税が非課税となる特例です。

そもそも贈与税が非課税になるケース

上記では贈与税を減らす方法を紹介しましたが、そもそも贈与税が非課税となるものがあります。

  • 扶養者からの生活費

  • 扶養者からの教育費

  • 障害者に関する給付金

  • 冠婚葬祭などの贈答金

  • 困窮している場合の借金の肩代わりや安価での財産の贈与

扶養者からの生活費

夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、日常生活における居住費用、水道光熱費、食費などの生活費で、その都度それらに充当するために贈与されたものは非課税となります。ただし、金融機関の口座に預金し、あるいは株式や不動産などの購入資金として充当する場合には、贈与税がかかります。

扶養者からの教育費

夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、通常必要とされる学費や教材費、文具代などの教育費で、その都度それらに充当するために贈与されたものは非課税となります。ただし、金融機関の口座にあらかじめ預金を行うなどの形で贈与している場合には、贈与税がかかります。

障害者に関する給付金

地方公共団体が条例によって実施する心身障害者扶養共済制度に基づいて支給される給付金は、所得税はかかりません。この給付金を受ける権利を相続や贈与によって取得した場合も、相続税や贈与税はかかりません。

冠婚葬祭などの贈答金

個人間における、祝儀や香典、花輪代、季節の贈答、見舞いなどのための金品について、著しく高額でないものは、贈与税はかかりません。

困窮している場合の借金の肩代わりや安価での財産の贈与

通常、個人から著しく安価での財産の贈与を受けた場合、財産の時価と贈与を受けた金額の差額については、贈与を受けたものとして、贈与税が課税されます。ただし、受贈者が生活に困窮していて返済能力がない場合に、借金の返済などに充当するために扶養義務者から贈与を受けた場合、返済に相当する部分の金額については贈与とはみなされず、非課税となります。

まとめ

贈与税は、生前の多額の贈与で財産を減らし、相続税の負担から逃れようとすることを防止するためにあります。一方で、生前贈与によって消費意欲が旺盛な若い世代への資産移転時期が早まり、経済の活性化が期待できるため、国としては使途を限定する、一定額までの贈与を非課税にするといった方法で贈与税を軽減して贈与しやすくしています。贈与税の特例を適用して非課税の恩恵を享受するためには、一定の要件を満たす必要があります。贈与について不明な点がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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