2500万円の相続税はいくら?
2,500万円といえばかなり高額な財産ですが、実は相続税がかかりません。意外に思うかもしれませんが、相続税には基礎控除があるため、相続財産(課税財産)が3,600万円を超えない限り、相続税はかからない仕組みになっています。
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計算式
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相続税の基礎控除:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
法定相続人の最低人数は1人なので、3,000万円+(600万円×1人)で計算すると、基礎控除は3,600万円になります。2,500万円は基礎控除内に収まるため、相続税はかからないというわけですね。
相続財産が基礎控除内に収まる場合は相続税申告も不要ですが、重要なのは「本当に相続財産が2,500万円なのか?」というところです。相続財産には見落としや評価の間違いが起きやすいので、本当に基礎控除内かどうか、相続税の計算をしながら確かめていきましょう。
相続税を計算する方法
相続税の計算はあまり複雑ではありませんが、5つのステップに分かれているため、最初は戸惑うかもしれません。しかし、一度理解すると、財産内容や家族構成が変わっても数字を置き換えるだけなので、誰でも正確な税額を計算できるようになります。2,500万円に相続税がかからない理屈もわかるので、実際に計算しながら確かめてみましょう。
正味の遺産総額を計算する
相続税を計算するとき、まず「正味の遺産総額」の計算からスタートします。正味の遺産総額は、課税対象になるプラスの財産から、負債や非課税財産などを差し引いて計算します。
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計算式
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正味の遺産総額:
プラス財産-(マイナス財産+非課税財産)+死亡前3年以内の贈与
死亡前3年以内の贈与は相続財産に加算することになっています。
では以下の条件で正味の遺産総額を計算してみます。
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プラス財産:1億2,000万円(現金、預貯金、不動産など)
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マイナス財産:2,500万円(住宅ローンなど)
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非課税財産:200万円(仏壇、仏具など)
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生前贈与加算:700万円
計算式に当てはめると正味の遺産総額は以下のようになります。
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計算式
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正味の遺産総額:
1億2,000万円-(2,500万円+200万円)+700万円=1億円
正味の遺産総額が計算できたので、次は課税遺産総額を計算します。
課税遺産総額を計算する
正味の遺産総額から基礎控除を差し引くと、相続税の対象になる「課税遺産総額」がわかります。
では、相続人が2人(配偶者と子供)いると想定し、基礎控除から計算していきましょう。
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計算式
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相続税の基礎控除:3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円
次に、正味の遺産総額から基礎控除を差し引いて、課税遺産総額を計算します。
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計算式
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課税遺産総額:1億円-4,200万円=5,800万円
プラスの財産は1億円以上ありましたが、負債や非課税財産、基礎控除を差し引くと課税対象は5,800万円まで下がりました。
速算表を使って相続税の総額を計算する
相続税を計算する場合、一度法定相続分どおりに相続したとみなして、相続税の総額を計算します。また、計算の際には「相続税の速算表」を使うので、国税庁のホームページを参照してください。
今回の例示した計算では相続人が配偶者と子供1人なので、それぞれの法定相続分は1/2ずつになります。では、各自の法定相続分がいくらになるか計算してみましょう。
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計算式
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配偶者と子供それぞれの法定相続分:
5,800万円×1/2=2,900万円
次に相続税の速算表を使い、2,900万円に該当する税率と控除額を適用させて、相続税の総額を計算します。
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計算式
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配偶者と子供それぞれの相続税:
2,900万円×15%-50万円=385万円
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計算式
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相続税の総額:385万円×2人=770万円
全体の相続税がわかったので、最後に実際の取得割合に従って各自の相続税を計算します。
各相続人の相続税を計算する
相続税の総額が計算できたので、最後に各自が実際に取得する相続割合を反映させます。今回は配偶者が3/4、子供が1/4の割合で相続した場合を計算してみます。
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計算式
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配偶者の相続税:770万円×(3÷4)=577万5,000円
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計算式
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子供の相続税:770万円×(1÷4)=192万5,000円
1つ前のステップで相続税の総額を計算しましたが、この段階で実際の相続割合や税率を適用させてしまうケースが多いようです。実際に計算するとよくわかりますが、法定相続分どおりに取得するステップを飛ばすと、相続税の総額は高くなってしまうので要注意です。
今回のテーマである2,500万円の財産に相続税がかかるかどうか、実は課税遺産総額を計算する段階でわかります。正味の遺産総額が2,500万円だとすると、基礎控除を差し引いた結果はマイナスになるため、相続税は1円もかからないということになります。
相続財産に含まれるもの・含まれないもの
相続税の計算はどのステップも重要ですが、相続財産に含まれるもの・含まれないものを間違えてしまうと、スタート直後からつまずくことになってしまいます。「我が家の財産は2,500万円だから相続税対策は必要ない」と思っていたところ、実は基礎控除を超えていたというケースも珍しくありません。では、相続財産に含まれるもの・含まれないものにはどのような種類があるのか、具体例を解説します。
相続財産に含まれるもの
預貯金や現金などわかりやすい財産もありますが、相続財産には借金などのマイナス財産も含まれています。代表的な相続財産は以下になっていますので、相続税計算の際には見落としがないようにしてください。
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現金および預貯金
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不動産(自宅や農地、建物、借地権や借家権など)
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動産(自動車や絵画、宝石や骨董品など)
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有価証券(株式など)
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ゴルフ会員権
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賃貸人や賃借人など契約上の地位
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損害賠償請求権や損害賠償義務などの権利義務
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借金や未払金などの負債
金銭に換算できるものは相続財産になるため、家財道具であっても相続財産に含める場合があります。
相続財産に含まれないもの
以下のような財産は、相続財産には含めないことになっています。
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死亡保険金
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死亡退職金
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香典
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墓石、仏壇、位牌などの祭祀財産
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被相続人の一身専属権および義務(年金や生活保護の受給権、養育費の請求権、支払義務など)
香典は葬儀費用の支払いに充てるものとされているため、相続財産には含めません。一身専属権とは、特定個人のみが行使できる権利であるため、相続人も含め、第三者に譲渡できない権利を指しています。
なお、死亡保険金と死亡退職金は相続財産に含まれませんが、相続税の課税対象にはなっています。少し複雑な解釈になるので、詳しい内容は次に解説します。
税法上、相続財産に含まれるもの
死亡保険金や死亡退職金は、もともと被相続人が所有していた財産ではないため、民法上では相続財産に含めていません。しかし、相続税法では相続税の課税対象になっており、このような財産は「みなし相続財産」と呼ばれています。
相続税の計算上は相続財産に含めますが、死亡保険金や死亡退職金には非課税枠があり、相続財産から控除できるようになっています。
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計算式
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死亡保険金などの非課税枠:500万円×法定相続人の数
仮に相続財産が死亡保険金だけだったとしても、相続人が5人いれば非課税枠が2,500万円になり、基礎控除内にも収まっているので、相続税は発生しません。なお、みなし相続財産には弔慰金や慰労金、死亡前3年以内の贈与なども含まれるため、判断に迷った場合は税理士へ問い合わせてみましょう。
まとめ
今回のコラムでは相続税の計算方法を解説しましたので、2,500万円のような大金でも相続税がかからないことをご理解いただけたでしょう。法改正がない限り相続税の計算方法は変わらないため、ご自身の家族構成や財産状況に当てはめると、誰でも相続税を計算できるようになるでしょう。
ただし、相続財産には価値が変動する財産が多いので、計算したときには相続税がかからなくても、相続発生時には値上がりしている可能性もあります。また、非上場株式や不動産の評価は素人には難易度が高いため、専門家でなければ正しい評価額は算出できません。相続税を計算する際は、個別の財産評価を間違えないよう、必ず相続専門の税理士へ相談するようにしてください。



