
特別解説インタビュー!「つみたてNISA」はなぜ初心者向けなんですか?
2018年1月からスタートした新制度「つみたてNISA」。投資初心者が安定して資産を形成するのに非常に役立つといわれています。なぜそうなのか。制度を作った理由や狙いについて、所管する金融庁の中島淳一審議官に話を伺いました。
―――つみたてNISAはどのような制度ですか
年間40万円までの元本を上限に、値上がり益や分配金が20年間非課税になる制度です。長期・積立・分散に適した投資信託やETF(上場投資信託)が対象です。詳しくは金融庁のページ(http://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html)をご参照ください。
―――制度の狙いはどのようなものでしょうか
日本は個人が多くのお金を持っているのですが、いまだ半分以上が現金や預金です。低金利のもとでは、現預金では資産が増えません。投資信託などを買うことで個人のお金が企業の成長に向かい、配当などを通して個人に戻ってくる。このような仕組みができれば、家計がより多くの所得を得ることになり、消費が増え、国内経済もよくなる。つみたてNISAをきっかけに資産形成が進めば、やがてこのようなことが期待できると考えています。
―――どういう人を対象にしていますか
特に投資初心者、若い世代の方におすすめしています。20年という長期にわたって非課税なので、少しずつコツコツと資産形成することに適しています。投資なので絶対に元本割れしないとは言い切れないのですが、長期で積み立てて分散投資することでリスクを大幅に減らすことができます。さらに世界経済に広く投資をすることは、人口増によって世界経済のGDPが大きくなってきたときに、そのメリットを受け取る可能性が大きくなるとも言えます。
―――どういう商品が買えるのですか
長期での資産形成を念頭においた投資信託135本が対象です(2018年1月12日現在)。多くを占めるのはインデックス型の投資信託といわれるものです。日経平均株価や世界経済のさまざまな指数(インデックス)に連動しています。またインデックス型を上回る運用益を目指すアクティブ型と呼ばれる投資信託もいくつかありますが、過去の実績を見て、市場から継続的に選択・支持されているものに絞られています。いずれも販売手数料がゼロで、信託報酬も一定水準以下のものと限定しています。長期でみた場合、手数料の影響は見過ごせないからです。
―――つみたては、いつ始めたら良いのでしょうか
世界経済には景気サイクルがあるので、たまたま経済がいいときもあれば、反対に良くないときもあります。そこに一喜一憂するのではなく、毎月定額を少しずつ積み立てていきながら、より長く、10年、20年と持つことがよいリターンにつながりますので、どのタイミングで始めてもよいと思います。
―――どれくらいの金額をやるべきなのでしょうか
それぞれの事情がありますので一概に言えませんが、月1万円でもいいので、まずは金融商品を買うきっかけになればと思っています。iDeCoとつみたてNISAを併用することも可能です。つみたてNISAであれば、途中で家を買おうと思ったとき、子どもの教育費でまとまったお金が必要になるとき、そんなときに引き出すことも可能です。
―――既存のNISAとの違いを教えてください
NISAは必ずしも投資信託だけではなくて、個別の株なども対象になっています。預金から株や投資信託への誘導によって、先に述べた好循環を生み出すことに重きが置かれています。一方、つみたてNISAは、長期の積立・分散投資に適した投資信託のみが対象になっています。まさに初心者向けと言えると思います。
―――手数料が低いと金融機関にとってはあまりもうからないように思えます
一度始めれば20年間お客さんになる可能性があるわけですから、大事な新規顧客の開拓につながるのではないでしょうか。初心者の方がつみたてNISAをきっかけに投資信託の仕組みを理解できれば、お金に余裕が出てきたときにもう少し違う商品にもトライされるかもしれません。また、商品性はシンプルなものがほとんどなので、投資信託をあまり扱ったことがない方も窓口で販売しやすいです。今までと違うターゲットの方にお勧めしてほしいですね。
―――最後に投資初心者に向けて一言お願いします。
何度も繰り返しになりますが、つみたてNISAは毎月一定額をコツコツと積み立てていくのに適した制度なので、ぜひ多くの方に利用して頂きたいです。この年始から始めるのも良いですし、4月から、あるいはボーナスが入ったタイミングからでもできます。スタートはなるべく早く、保有はできるだけ長く、そして価格の変動に一喜一憂しない。このような心構えでやってほしいです。
―――ありがとうございました。
START!の読者にも「いつ、どこから投資を始めて良いか全くわからない」という方が多くいらっしゃいます。つみたてNISAは20年間も非課税で投資が出来る制度なので、まずは少額から、投資の第一歩として利用してみてはどうでしょうか。







