
世界最大のフードショー「Gulfood 2024」 ドバイで開催 5日間で15万人
世界最大級の食の見本市「Gulfood 2024」がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開かれました。今年で29回目。会期は現地時間で2月19~23日の5日間。190を超える国と地域から5,500社以上が出展し、15万人以上が訪れました。日本からは水産物、和牛、加工食品、お茶などを扱う29の企業や業界団体、3社の現地法人が出展しました。
ドバイ国際空港から車で20分ほど。オフィスやホテルなどの高層ビルが立ち並ぶビジネスの中心地にある「ドバイ・ワールド・トレード・センター」。Gulfoodは毎年2月、ここで開かれています。日本企業(現地法人含む)のうち25社は、日本貿易振興機構(JETRO)が企画したジャパンパビリオン(今回で11回目)に出展しました。
岩手の高級ウニ 「購買力ある市場」めざす
「日本で食べたものと同じ味。これを食べたかった」と、ギリシャ人の女性が目を輝かせたのは、三陸産のウニ。提供したのは初出展という北三陸ファクトリー(岩手県洋野町)で、地元産のウニをブースに並べていました。
同社は昨年、ドバイで行われた日本とUAEの外交関係樹立50周年(2022年)を記念するイベントでウニを振る舞ったところ、非常に好評だったそうです。下苧坪之典(したうつぼゆきのり)社長は、「間違いなくニーズはあると思いました。高級品なので購買力のある地域で売っていきたいですね」と話しました。実際、ドバイでは、ウニのすしが2貫で1万円以上という日本食レストランもあり、高級ウニを受け入れる土壌は整っているとみられます。
同社はこれまでも輸出は中国と香港向けに行っていましたが、原発から出る処理水の問題で、両地域に売ることができなくなり、新たな輸出先を探していました。世界に販路を広げることで、「衰退している日本の水産業を復興させたい」と下苧坪社長は話しました。
世界市場にはハラール対応で
食品の海外展開では、宗教にも気を配る必要があります。中東・北アフリカ地域は、ユダヤ教が主流のイスラエルを除き、現地国籍を持つ人のほとんどがイスラム教徒(ムスリム)です。ムスリムはアルコールや豚肉は「ハラム」(禁忌)とされ、飲んだり食べたりすることができません。原料に使われているだけでもNGという素材も多くあります。
日本料理に欠かせないしょうゆもその一つです。しょうゆは発酵の過程でアルコールが発生し、一般的に売られているものでアルコール度数は3%程度あります。調味料など酒以外のアルコールに関してはハラムではないとする国もありますが、実際の考え方は人それぞれです。そのため、最も厳格な考え方の人でも食べられるよう、「ハラール」(許されたもの)に対応した商品開発も進められています。
柴沼醬油インターナショナル(茨城県つくば市)は、ハラール対応のしょうゆを展示しました。ハラールしょうゆは、製造の過程でアルコールの発生を抑える方法もあるが、同社は製造後にアルコールを抜いたそうです。塩谷純一・営業本部長は、「しょうゆはちゃんと発酵させないと十分な“うまみ”が出ません。だから後からアルコールを抜く製法にしました」と話しました。
ジャパンパビリオンではこのほか、みそやわさび、抹茶など日本ならではの食に加え、プラントベース(植物由来)の肉を使ったハンバーグや、魚のすり身などで作られたホタテ、カニ、いくら、長期保存可能なレトルト食品といった、最新の研究から生まれた食品も並んでいました。
日本の「WAGYU」
多くの日本企業は、ジャパンパビリオンに集まっていましたが、独自に出展する団体もありました。
その一つが、日本畜産物輸出促進協会です。和牛の魅力を世界中の人に伝えようと、商品の展示だけでなく、大型ビジョンや舞台も設置し、セミナーや調理のデモンストレーションも行いました。その場で焼いた和牛がふるまわれると、香りに誘われて多くの人が集まりました。
セミナーでは、川島俊郎専務理事が「和牛は豊かな霜降りとなめらかな口当たりが特徴です」などと語り、アメリカ産やオーストラリア産との違いをアピールしました。
有名シェフによるデモンストレーションも
会場の特設ステージでは、有名シェフが調理し、来場者にふるまう「TOP TABLE」という企画も行われました。
今回、JETROが初めて同企画のメインスポンサーとして参加したことで、日本食材を使ったデモンストレーションも多く行われました。
地元ドバイの日本食レストラン「Zuma」の元ヘッドシェフ、パウエル・カザノウスキさんらは、北海道産ホタテを使ったカルパッチョなどをつくりました。海外では、ホタテの味を淡泊に感じる人が多いため、カルパッチョにはキャビアやイクラを乗せ、ポン酢をかけていました。
一方、「超簡単な食べ方」として、薄くスライスしただけのホタテも用意しました。カザノウスキさんは「ポン酢やしょうゆを使うのもよいですが、塩だけで食べるのもおいしいです。日本料理はあまり多くの味付けをしない方がいい」と話しました。
また、日本のホタテについて、味の良さだけでなく、健康面や栄養面でも優れていることもアピール。急速冷凍により、品質を保持したまま流通できることや、上手な解凍方法なども説明しました。合わせて刺し身をつくるために欠かせないものとして、日本の包丁も紹介。「刀をつくる技術が応用され、切れ味は抜群だ」と語り、「世界最高のナイフ」と評価していました。
次回のGulfoodは、2025年2月17~21日に同じくドバイ・ワールド・トレード・センターで開かれます。


































































