安定した資産運用のために知っておきたい

家計と心の「リスク許容度」とは?

財務省
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「銀行預金だけではお金が増えない…」。そう悩みを抱えている方々は多いでしょう。そこで、お金を少しでも増やそうと資産運用を始める人が増えています。中には「銀行預金ばかりでお金を増やせない自分はダメな人間」と、強迫観念のようなものを感じながら資産運用を始めようとする人もいます。資産運用をすることは悪いことではありませんが、始める前に知っておきたいことがあるのです。

資産を“守る”方法を身につけてから「資産運用」を!

資産運用は自動車の運転と似ています。自動車に乗れば私たちは歩くよりもずっと速いスピードで進むことができます。ところが、自動車を運転すれば大きな事故を起こしてしまうかもしれません。そのため、私たちは自動車学校に通い、ハンドルやブレーキ操作などを学ぶことで安全に運転する技術を身に着け運転免許を取得した上で運転します。

それでも残念ながら事故は起こります。事故が起きても命を守るために、エアバックなどを装備し、シートベルトを着用します。ここまでやって公道に出ることができるのです。

資産運用は預貯金よりもずっと早いペースでお金を増やすことが可能になります。ところが、残念ながら運用をしていると経済ショックなどのさまざまな経済イベントに遭遇することで大損をしてしまうリスクが伴います。

資産運用を楽しみ、資産形成に役立てるためには、いざという時にあなたの大切な資産を守る方法を学んでから運用を始めましょう。

運用で家計を壊さないための「家計のリスク許容度」とは?

10年、20年という長い期間をかけて資産運用をしていると、残念ながら急激な株価下落や市場縮小などの大きな経済ショックに巻き込まれる可能性が高くなります。経済ショックが発生すると私たちの資産は大きく目減りしてしまうかもしれません。

多くの方は、老後資金、マイホームの購入資金、子供の教育資金、といった具体的なライフプランの実現を目指して、資産形成します。それなのに、目標の実現を前に大きく資産が目減りしてしまえば、ライフプランの実現をあきらめなくてはならないかもしれません。そうならないようにするために家計を壊さない投資金額の範囲である「家計のリスク許容度」を計算しましょう。

現在保有している金融資産の中で、リスクを取って運用すべきではない金額を計算します。リスクを取るべきではないお金は2種類あります。「いざという時に備えるお金」と「5年以内に取り崩す予定のあるお金」です。

私たちは、いつ給料やボーナスが減る、会社が無くなる、ということに巻き込まれてもおかしくありません。また、自分から会社を辞めることがあるかもしれません。「いざという時に備えるお金」として、6か月分程度の生活費を取っておきましょう。

次に、子供の進学、住宅のリフォーム、自動車の買い替え、海外旅行など、今後予定しているライフイベントがないか、確認しましょう。こうしたイベントでは数十万円、数百万円といった資金が必要です。これらは収入の中から支出するのは難しいので、貯蓄を取り崩して支払うことが多いでしょう。こうしたライフイベントを想定し、5年以内に取り崩す予定のお金を計算してみましょう。

ある30代の会社員Aさんが金融資産を500万円保有しているとしましょう。月の生活費が20万円であれば、いざという時のためのお金は6か月分の120万円。そして、今後のライフイベントを考えると5年以内に150万円取り崩す予定とします。120万円と150万円を合計した270万円はリスクを取って運用すべきではないお金です。現在の金融資産500万円から270万円を差し引いた230万円までであれば、リスクをとって運用をしても家計を壊す可能性が低いでしょう。この230万円がAさんの「家計のリスク許容度」です。

自身の「心のリスク許容度」を知ろう

2008年のリーマンショックの時には資産価値が大幅に下落しました。そして、保有し続けることで多くの資産の価値が回復しプラスに転じたことも経験しました。一方で、多くの方が大幅な下落に耐えられず保有資産を売却してしまいました。

夜も眠れなくなるような状況になり、売却して楽になりたくなるのは、明らかに大きなリスクを取りすぎているのです。価格の下落に心が耐えられなければ、その後の価格の回復を待つことができません。私たちの心を壊さない投資範囲である「心のリスク許容度」を計算してみましょう。

では、こうした大きな下落に直面した時にでも「これくらいは仕方がない」と思える損失額はいくらくらいでしょうか。ここでは損失の割合ではなく金額で考えることが重要です。なぜなら、人間であれば「これだけあれば家族で海外旅行に行けた」と言った形で、金額の大きさが心にダメージを与えるからです。

「1円でも損をしたくない」と言う人もいますが、それは心の準備ができておらず運用すべきではありません。金額として50万円や100万円まで、といった回答をする方々が多いです。皆さんはどうでしょうか。

Aさんは50万円までなら何とか大丈夫という答え。それなら、その2倍の金額である100万円までの運用にしておけば50%近い下落を経験しても心が耐えられるはずです。この100万円がAさんの心のリスク許容度です。

「家計」と「心」のリスク許容度 どちらを目安に?

Aさんの「家計のリスク許容度」は230万円、「心のリスク許容度」は100万円となりました。では、どちらを目安に運用を始めればいいのでしょうか。答えは「小さい方」の100万円です。

100万円までの範囲であれば、リスクを取って資産運用しても、Aさんの家計も心も壊さずに楽しむことができるはずです。ぜひ、みなさんも資産運用を始める前に、あなたのリスク許容度を計算してみましょう。

投資に慣れた時こそ、「安全資産」への意識を

リスクを取って運用するリスク資産が100万円までであれば、残りの400万円は安全性に気を配りながら安全資産に回すことになります。

安全資産と言えば預貯金が代表商品ですが、残念ながら多くの銀行の定期預金金利は0.002%という超低金利の商品がほとんどです。ただ、一部のインターネット銀行は0.15~0.2%という普通の銀行の100倍近い金利を提示しています。また、銀行や証券会社、郵便局などで購入できる個人向け国債にも注目です。2022年12月募集の変動金利型10年満期の個人向け国債の利率は0.17%。変動金利ですので半年ごとに金利が変動し、金利が上昇する局面ではメリットになります。

資産運用というとリスク資産にばかり目が向きがちですが、安全資産に気を配ることが重要です。運用の経験を積み重ねると、より大きな金額を投資に回すことができるようになる方々が多くなりますが、初心者のうちは安全資産の割合が高くなるように意識しましょう。

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