動く。トヨタ。誰かのために本気で取り組むSDGs:朝日新聞デジタル

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胎動 交通事故による死傷者をゼロに。その挑戦に終わりはない。

自動車事故で傷つく人をゼロにしたい

 スマートフォン。3D映像。仕事を手伝い、時には雑談の相手にもなってくれるパーソナルロボット。昔の人にとってはおとぎ話としか思えないだろう21世紀の技術は、これまでどのように実現したのか。ときには偶然から、ときには失敗から、ときには違う目的を追い求めるなかから、社会を変える画期的な発明は生まれてきた。しかし、始まりはおそらく同じだ。「もしもこんなことができたら」という夢や理想。それなくしては、私たちの先祖が文明を生み出すこともなかっただろう。 未来のクルマを自由に思い描くとしたら、そこに人々はどんな機能を求めるだろうか。今よりずっと速く目的地まで行けるクルマ。合流も車線変更もすべて自動で操作してくれるクルマ。まるで自宅のリビングにいるようにくつろげるクルマ……。しかし誰にとっても絶対に譲れないものがある。それは安全だ。 18世紀フランスの技術者キュニョーが発明した砲車が試験走行を行った日、史上初の自動車事故が起こった。クルマは人が操作するものである以上、ミスを完全になくすことは難しい。たとえば視力はその日の体調によって左右されるほか、疲労が判断力を鈍らせることも多くの人が知っているだろう。若い頃は問題なくできていた操作が、加齢とともに難しくなることもある。だからこそトヨタは、クルマをつくり始めた80年前からずっと、こんなことを思い描いてきた。「交通事故でケガをする人や亡くなる人をゼロにできたら」と。

人と“チームメイト”になる自動運転

 日本でもいよいよ実用段階に近づいてきた自動運転技術は、人間の関与を一切必要とせず、すべての操作を機械が担うものというイメージが一般的だろう。だがトヨタの考える自動運転は、人とクルマが同じ目的を持ち、あるときは見守り、あるときは助け合う“チームメイト”のような関係を基本コンセプトとしている。 それを特徴づけるのが、「ガーディアン(守護者)」だ。このアプローチでは、ドライバーの能力に“とって代わる”のでなく、“拡充・強化”することで安全性を向上させるよう設計されている。運転操作がドライバーの能力の限界に近づいたとき、あるいは能力を超えたときに、人からシステムへとシームレスにつないで操作を支援する。もうひとつの「ショーファー(おかかえ運転手)」は、究極的には人間による監視や緊急時の操作さえも必要としない、完全な自律走行ができる状態を目標としている。

ガーディアン(守護者)

ショーファー(おかかえ運転手)

 こうした自動運転技術は、交通事故死傷者をゼロに近づけるだけでなく、運転に困難を伴う人たちの自立した毎日を支援することにも役立つ。また、周囲の交通状況から最適なルートと速度をクルマが選択することで、交通渋滞や大気汚染の軽減につながることも期待できる。 人工知能研究の世界的権威レイ・カーツワイル博士が提唱する「収穫加速の法則」によると、ひとつの重要な技術が生まれると、それは他の技術と結びつき、次の重要な技術の登場までに要する時間をどんどん短くしていくという。おそらく人とクルマの関係は、今後数年の間に過去100年に経験したよりも多くの変化を遂げるだろう。道具から仲間へ、ビークルからパートナーへ。それはそう遠い未来の話ではないのかもしれない。

街を走るすべてのクルマを“安全なクルマ”に

 トヨタでは、重大死傷事故の回避・被害低減に効果が見込める複数の予防安全機能を「Toyota Safety Sense」としてパッケージ化、新型車への搭載を順次進めている。中心となるのは先行車や歩行者との衝突回避支援または被害軽減をはかる「プリクラッシュセーフティ(PCS)」、車線逸脱による事故の予防に貢献する「レーンディパーチャーアラート(LDA)」、夜間の前方視界確保を支援する「オートマチックハイビーム(AHB)の三つだ。 また、交通事故の3割は駐車場で起こっている(*1)というデータに基づき、ペダルの踏み間違い事故に対応した「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」を、コンパクトカーを含む販売車両の約9割に設定。そうした踏み間違い事故は75歳以上の高齢ドライバーに多い傾向があることから(*2)、既販売車に対して後付け可能な「踏み間違い加速抑制システム」も開発。高齢ドライバーの保有率が高い車種を中心に、対応車種を順次拡大中だ。 交通事故死傷者ゼロを実現するために、こうした安全な“クルマ”の開発は欠かせない。ただし、もちろんそれだけで十分ではないのも事実だ。トヨタではドライバーや歩行者など“人”への啓発活動、および信号の設置や道路整備など“交通環境”の改善に向けた提言も積極的に行っている。クルマと人と環境、三位一体で、安全の実現に向けた取り組みを続けている。

*1
日本損害保険協会発行「駐車場事故の実態」より(東北6県の統計)
*2
公益財団法人 交通事故総合分析センター 2018年2月発行 ITARDA INFORMATION 交通事故分析レポートNo.124

「Toyota Safety Sense」第2世代版


このテーマに関する主なSDGsの目標



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