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正しい知識のもと、早めに検査を受け、早期の受診・治療を
大切な日常を守るための「B型肝炎」講座
〜知っておきたいB型肝炎ウイルスと治療の基礎知識〜

年間約1万人が感染すると言われる「B型肝炎」(※1)。病名はよく聞くものの、実際にどのような病気かはあまり知られていません。そんなB型肝炎の特徴や治療について、わかりやすく伝えるオンライン講座が開催されました。フリーアナウンサーの木佐彩子さん進行のもと、クイズを交えながら、慶應義塾大学医学部内科学(消化器)准教授の中本伸宏先生が講演しました。

免疫細胞がウイルスとともに肝細胞を破壊することで発症するB型肝炎

今回の講座は2部構成で、演題1では「B型肝炎ウイルス(HBV)とその病気_HBVって何?どんな病気なの?―」と題し、B型肝炎がどのような病気なのかを紹介しました。

「肝臓は消化器の一つで、三つの働きがあります。まずは摂取した栄養素を体が利用しやすいかたちに作りかえる。次に人間の体に有害な物質を解毒する。最後に脂質の消化を助ける胆汁を分泌する働きです(※2)。肝臓は予備能力が大きく、余裕をもって働いているため、機能が低下しても自覚症状があらわれにくいことから、『○○の臓器』と呼ばれています」

ここで最初のクイズです。○○に入るのは①「孤独」②「努力」③「沈黙」のうちどれでしょう。

これはみなさんさすがにご存じのようで、参加者のほとんどが正解の③「沈黙」と回答しました。引き続き、B型肝炎とはどのような病気なのか中本先生の解説が続きました。

「肝臓の病気はさまざまな分け方ができますが、肝臓の炎症が6カ月以上続いた状態を慢性肝炎と言います。その原因の約20%がB型肝炎ウイルスによるものです(※1)。B型肝炎ウイルスはおもに血液や唾液(だえき)を介して感染します。具体的には注射器の回し打ち、カミソリや歯ブラシの共用、性交渉などがおもな原因となります(※3)

周産期の子どもが母子感染することもありますが、最近はワクチンによって高い確率で予防できると言われています。続いて、B型肝炎ウイルスの感染が、肝炎を引き起こすメカニズムの解説へと進みました。

「一般的にB型肝炎ウイルスが肝臓にすみつくだけでは、肝炎を起こしにくいと言われています。B型肝炎ウイルスが体内に入ると、免疫細胞が異物と認識しB型肝炎ウイルスを攻撃します。この時、免疫細胞がウイルスを肝細胞ごと破壊してしまい、その結果として肝炎になるのです」

なんとB型肝炎は、ウイルスそのものではなく、私たちの体を守る免疫細胞によって引き起こされるというのです。

慢性肝炎は放っておくと肝硬変となり、年間100人のうち約8人が肝がんになる

ウイルスに感染した方のパターンを詳しく見ると、「急性肝炎」「慢性肝炎」「キャリア」の三つがあります。

「急性肝炎は激しい症状が起きますが、ほとんど短期間で治ります。慢性肝炎はウイルスと免疫細胞が長い間闘い、肝臓の炎症が6カ月以上続くものを言います。キャリアとは肝臓にウイルスがいるものの共存していて、肝炎を発症していない状況です(※2)

ではB型肝炎ウイルスに感染した状態のまま、放っておくとどうなってしまうのでしょう。慢性肝炎の患者さんのうち1年間で約2%は肝硬変となり、さらにそのうち1年間で約1.2%〜約8.1%、100人のうち約8人が肝がんになると言います(※3)

「キャリアの方のなかにも慢性肝炎となり、確率は少ないものの肝がんになる方がいます。ですからキャリアの方にもなるべく病院に来てもらい、経過観察をしていただきたいと考えています」

「B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、おもに血液検査で調べます。まずはHBs抗原検査を行い、陰性なら感染している可能性は低いことになります。陽性の場合はB型肝炎ウイルスが活発に増えているか、どのくらい肝臓にいるのかをさらに詳しく調べることになります」

演題1の最後に中本先生は、「肝臓は沈黙の臓器と呼ばれていてダメージを受けていても症状があらわれにくいので、正しい知識をもち、早い段階で病院を受診していただくことが大事です」と早期発見を呼びかけました。

慢性肝炎、肝硬変だけではなく、症状のないキャリアの人も治療の対象になることがある

続く演題2では、B型肝炎の治療法について解説しました。

こちらもまずはクイズから。次のうち、治療の対象になる可能性があるのはどれでしょう?
①「HBVキャリア」②「慢性肝炎」③「肝硬変」④「①〜③全て」

この問題に、参加者の約65%が④「①〜③全て」と回答し、多くの方がB型肝炎の理解を深めていることがうかがえました。

「慢性肝炎の方は肝細胞が壊れていてALT(GPT)が上昇している場合、治療が必要です。さらに症状が進んだ肝硬変の場合は、全ての方が治療対象です。さらにキャリアの方でも、免疫を抑える薬や抗がん剤を投与する際には治療が必要となるときがあります」

続いて実際の治療法について。現在、日本ではB型肝炎ウイルスの増殖を抑えるために、核酸アナログ製剤かインターフェロンの二つが使われています(※4)

「核酸アナログ製剤は飲み薬で通常、毎日服用します。この薬を長く飲み続けることで、肝臓からウイルスを大幅に排除できると言われています。ただ服用をやめてしまうとウイルスが再び増加し、炎症を起こすことがあります。インターフェロンは1週間に1度、注射をするため通院が必要です。その分、大変ですが、患者さんによっては肝臓からウイルスがいなくなる場合があります」

「ただインターフェロンによる治療には発熱や頭痛、倦怠(けんたい)感、核酸アナログ製剤治療にも悪心や疲労、頭痛といった副作用があるので注意が必要です(※5)

最後に中本先生は、「治療の目標は二つ。まずは肝機能を正常に保つこと。そのうえで、肝臓からウイルスを消すことです」と締めくくりました。

バランス良く規則正しい食事、1日30分、週3回の有酸素運動が大事

事前に参加者から募った質問を中本先生に答えていただきました。

Q.肝臓に良い食事や運動とはどんなものでしょうか?

「バランス良く規則正しい食事が何より大事です。野菜や良質なたんぱく質は多めに摂り、脂肪は控えめに。自分の標準体重に合わせて、1日に必要なカロリーを摂るようにしましょう。肝硬変の方は禁酒をお願いします。運動には肝臓の脂肪沈着を減少させ、体重減少、ストレス解消、筋力維持などの効果があります。1日30分、週3回を目安に、全身を使った有酸素運動がおすすめです。ただ体の調子が悪い時、血圧が高い時、脈が早い時などは控えましょう(※6)(※7)

Q.B型肝炎ウイルスを他人に感染させないためには、何に注意すれば良いですか?

「B型肝炎ウイルスは血液や体液(唾液)などを介して感染するので、カミソリや歯ブラシの共用、性交渉やピアスの穴あけなどでは注意が必要です。またアトピー性皮膚炎や湿疹、やけどや手荒れなど、体の傷も感染の可能性につながります。ご家族への感染が気になる方は、ワクチンによる予防が有効です。一方、日常会話や入浴、握手や食器の共有などで感染することはないので、過度に神経質になる必要はありません」

Q.B型肝炎の治療を中断すると、どうなりますか?

「症状が良くなったからと、核酸アナログ製剤の服用を途中でやめるとウイルスが急に増えたり、肝炎が悪化したりします。肝がんになる可能性も高まります。薬の継続に関しては、必ず主治医とよく相談してから決めていただきたいと思います」

ここで、講演内容をリアルタイムで絵や文字によって描き出してきた、湯朝かりんさんのグラフィックレコーディングを見ながら講演内容を振り返りました。「ウイルスと免疫が闘う図がわかりやすい」と中本先生。

司会の木佐さんも、「免疫細胞がB型肝炎の発症にかかわっているなんて、目からうろこでした。B型肝炎が私たちにとって身近な病気だということもよくわかりました。気になったときにはしっかり検査を受けたいと思います」と、この病気への理解をしっかり深めた様子でした。

最後に、中本先生からのメッセージで講座は終了しました。

「大切な日常を守るために、もしキャリアかどうか気になった場合は、B型肝炎ウイルス検査を受けてみましょう。検診などで肝機能に異常があった場合は、必ず医療機関を受診してください。現在治療中の方は適切な治療を継続することで、肝臓が悪くなるのを防ぐことができます。今は新しい薬も日進月歩で開発されていますので、ぜひ前向きな気持ちで治療を続けていただきたいと思います」

慶應義塾大学医学部内科学(消化器)准教授

中本伸宏先生

なかもと・のぶひろ/慶應義塾大学医学部、大学院博士課程を卒業後、同大学医学部の専修医に(内科学)。米国・ペンシルベニア大学医学部への留学などを経て、2019年から現職。

[出典]
(※1)厚生労働省:「平成29年(2017年)患者調査」
(※2)泉並木. よくわかる最新医学肝臓病ウイルス性肝炎・肝臓がん・脂肪肝・肝硬変2018;主婦の友社
(※3)日本肝臓学会企画広報委員会編:肝臓病の理解のために2.B型肝炎2020
https://www.jsh.or.jp/citizens/booklet/>[2021年9月参照]
(※4)日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会編「B型肝炎治療ガイドライン(第3.4版)」2021年5月, P5
https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b.html>[2021年9月参照]
(※5)各薬剤の添付文書より頻度の多いものを抜粋
(※6)池田房雄監修:知っておきたい肝臓のおはなし2015(岡山肝炎相談センター):p.9-11
http://kanen.ccsv.okayama-u.ac.jp/upload/topics/58/file.pdf>[2021年10月参照]
(※7)厚生労働科学研究費補助金 肝炎等克服政策研究事業 職域におけるウイルス性肝炎患者に対する望ましい配慮及び地域を包括した就労支援の在り方に関する研究(研究代表者 渡辺 哲):治療と仕事の両立支援のための肝炎医療コーディネーターマニュアル 2017:p.26-29を一部改変
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/pdf/guideline05.pdf>[2021年10月参照]