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12月21日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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presented by 株式会社ロッテ

カカオの可能性を広げるロッテの「共創」プロジェクト始動

国内トップシェア※のガーナミルクチョコレートをはじめ、国民的名菓を多数生み出してきたロッテ。独自技術の革新と価値創造を掲げて成果を上げてきたが、近年は多様な立場の人々との対話を通じて、新しい価値を「共」に「創」り上げていく「共創」に注力している。企業・社会における課題解決のカギとされる「共創」のマインドで立ち向かったのは、「カカオの可能性を広げる」こと。そして、今月ついに「DO Cacao Project」として商品を世に送り出した。新たな試みの舞台裏と手応えについて、株式会社ロッテ 執行役員 マーケティング本部長の平井秀治氏に聞いた。

商品発売までに約7年を要した
「DO Cacao Project」

「これまで創意工夫の部分で皆様から注目していただく機会は少なかったかもしれません。しかし、当社は創業当時から、ものづくり精神が受け継がれています」と平井氏。例えば、老若男女に愛される雪見だいふくは「アイスをカップに詰めるのではつまらない。餅で包んではどうか」という発想から生まれたものだという。常に世の中にないものをつくっていくという攻めの発想で送り出した商品が次々にヒットし、定番化したことで今日のロッテがある。「DO Cacao Project」は、そんなものづくりにかける思いから生まれた。最高のチョコレートをつくるために原料のカカオ豆づくりから着手した、まさに究極のものづくりだ。

「カカオ豆は主に赤道近くで生産・収穫されますが、気候や土壌など様々な要因で味わいが異なります。産地の検討からスタートし、複数のエリアからパプアニューギニアに決定しました」。そして、研究員が現地の方々と土壌や生産プロセスを考え、苗木を植えた。買い付けではなく現地の方々と議論を尽くしながら共に開発する道を選んだことで、実の収穫までに5年ほどかかったという。

「成果物が出せない数年間がつらくなかった、と言えばウソになります(笑)。ただ研究員も現地の方も、全員が価値を信じて取り組み続けた結果、自信を持って勝負できる豆ができました。カカオ豆は原産地と消費国が違うことがほとんどです。今回一緒につくり上げたカカオ豆からつくったチョコレートを口にして、現地の方も感動してくれました」

カカオ豆は、その実を割って果肉とともに種を取り出し、発酵・乾燥してつくられる。一つの実から採れる豆はたった30〜40粒で、カカオの実が収穫できるようになるまでには3年以上もかかる。最高のチョコレートというロマンを追い求めて生み出したカカオ豆は、どのような特長を持っているのか。平井氏は、大きさとフルーティーさが際立つ豆だと明かす。「パプアニューギニアのカカオ豆は、大きいものが多いといえます。栄養がいきわたるので、おいしいのです。そして発酵前の豆には渋味や苦味がありますが、この豆はフルーティーさも備えていて特にレーズンのような香りが特長です。出会ったことのない味わいが生み出せると確信しました」

栽培した品種は18種。ポテンシャルの高い豆を育て、香りが引き立つ発酵方法まで追求した。チョコレートづくりでロッテが大切にするのは、産地ならではの味わい(テロワール)を生かすことと、なめらかな口どけだ。商品には、自慢の豆を味わうための工夫が凝らされている。

カカオ59とカカオ70の2種10粒入りで発売されている「DO Cacao chocolate」は、かつてない形状が目を引く。カカオの実をイメージした多辺・多角状の華やかなフォルムは、理想の口どけをかなえるもの。平井氏はまず、かまずになめて繊細な香りと余韻を楽しんでほしいと語る。「舌にのせて溶かした時と、かんだ時とで味わいが変わります。ぜひそんなところも堪能していただきたいですね。個人的にも『これまでに食べたことのない味だな』と感じました」と自信をのぞかせる。

つくりあげた理想のチョコレートは、パプアニューギニアのカカオ農園との共創。共創による「カカオの可能性を最大限広げる取り組み」を目指した今回のプロジェクトでは、アルコール飲料、ネクタイも誕生した。さらには、人気シェフがオリジナルメニューを開発し、新感覚のチョコレートの魅力を引き出す試みも。チョコレートとアルコール飲料は、マリアージュで楽しむことも勧めているという。プロジェクト発足から約7年の歳月をかけ、満を持して第1弾が世に送り出された。

チョコレートのおいしさと共に「カカオの可能性」として着目したのが、豆の外皮にあたるカカオハスクの有効活用だ。カカオハスクとは、ローストした豆を粉砕した時に出るもの。ロッテでは長らく工場で出たカカオハスクを肥料や飼料として使用してきたが、今回のプロジェクトでは、共創によって有効活用の用途に広がりが生まれた。

「CACAO&HOP」と名付けたアルコール飲料は、常に新しい原料でビールを開発している新潟麦酒に、油脂が少なく芳醇な香りを持つカカオハスクを原料とすることを提案して誕生。また3種のネクタイを展開する「CACAO TIE」は、国産ネクタイブランドgiraffeとの共創で、絹糸をカカオハスクから抽出した染料を用いて環境にやさしい染色法で染め、織り上げた。

ロッテではこのほかにもカカオハスクを紙に加工。今回のパッケージやリーフレットにカカオハスク入り再生紙を取り入れている。

思いを伝える商品が
事業課題を見つめ直す一歩に

環境に配慮した商品は、ロッテのチョコレート事業を見つめ直す上でも大きな影響をもたらしたようだ。「チョコレートづくりはどうしても、価格と見合わない部分が生じることがあります。手頃な価格でおいしく楽しんでいただきたい思いがある一方で、商品に見合う価格で打ち出す難しさもあるということです。今回は素材を見つめた展開を重視し、現地の方々と原料から手がける一気通貫の生産体制ですし、みんなが幸せになる流れをつくる価格帯に設定しました。フェアトレードにも積極的に取り組んできましたが、新たな一歩が踏み出せたと思っています」

また中核に据えているチョコレート事業が、ブランド戦略に偏っていたことも課題の一つだったという。ガーナミルクチョコレートを筆頭にブランド自体は広く知られているものの、チョコレート事業としての認知が弱い傾向にあったのだ。「グループ企業も含めて、通底する〈思い〉を訴えかける商品が必要でした。売り上げが伸びているだけに、メーカーとしての存在感・ありかたを示していくきっかけにしたいと」

共創に欠かせないのは
「幸せ」「楽しさ」を届ける姿勢

今回の共創を振り返り、アイデアフラッシュの際に異業種のパートナーとタイミングよく出会えたことが幸運だったという平井氏。「幸せや楽しさを提供したいという我々の思いに賛同し、共に取り組んでくださったことに感謝しています。熱意ある方々と取り組めたからこその結果です」と語る。

またこの取り組みを通じて、ロッテがものづくりにかける熱量を広く伝えていく必要も再認識したという。「加工食品メーカーはオートメーションなイメージを持たれやすい側面がありますが、『ロッテさんは、こんな思いを持つ集団だったのですね』と知っていただけてうれしかったですね」。スペシャルコラボメニューを開発・提供する鳥羽周作シェフは「感動しました。食材、ストーリー、思いの全てが100点満点。このチョコレートの本質を描き切り、伝えたいと感じました」と感慨を込める。

気鋭のシェフの創意を触発したチョコレートは、1月13日にオンラインで発売。平井氏はアルコール飲料、ネクタイについても「サステナブルなストーリーに目を向けていただきました。数量は限られているのですが、手にとっていただけて大変ありがたく思っています」と手応えを感じている。そして、消費者の反響のみならず、今後につながる収穫がもう一つあったという。

「社員が誇りに思える取り組みになったということです。こんなことがしたい、この人と組みたいといったアイデアを形にする意欲が前面に出て、より若手が活躍できる空気感が醸成されています。アルコール飲料のラベルデザインも若手社員のフレッシュな感性が生かされ、かつてないものに仕上がりました」

実験の場で
今後も創意工夫を重ねたい

売り上げが好調に推移するなか、「DO Cacao Project」第2弾の展望も気になるところだ。農地拡大や商品計画など、次なる動きを検討しているという。「パプアニューギニアは実験の場と位置付けており、今後も多様な展開を考えていきたいと思います。カカオハスクの活用はまだまだ可能性があるはずですし、サステナブルな取り組みは経営課題としても重要ですので、一層力を入れていきます。もともと、行動を起こすマインドを大切にする社風で、たとえ失敗したとしても、新しい挑戦をした人は認められます。こういった試みを起点としてパートナーやお客様との共創によるオープンイノベーションを加速させ、新たな価値の創造に取り組みます。ささやかな思いつきでも、ぜひお声をかけていただけるとうれしいです」

※インテージSRI+チョコレート市場 2020年4月~2021年3月 累計販売個数