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相続税

最終更新日:2023.04.30

続財産5000万円の相続税はいくら?
計算方法や節税方法について

相続財産5000万円の相続税はいくら?計算方法や節税方法について

このコンテンツでわかること

  • ■ 相続財産5,000万円にかかる相続税がわかる
  • ■ 相続税の計算手順がわかる
  • ■ 相続税対策に使える控除・特例がわかる

相続税は最高税率55%にのぼる高額な税金ですが、相続財産が基礎控除を超えなければ発生しないため、申告・納税が必要な人は限定されています。相続税の基礎控除は書店で購入できる専門書、または相続セミナーなどでよく紹介されるので、計算方法をご存知の方も多いでしょう。

ただし、5,000万円がボーダーラインだと思っている方は注意が必要です。相続税の基礎控除は2015年1月に改正されているため、現在の基礎控除は最低額が3,600万円になっています。つまり、財産が5,000万円あると差額の1,400万円に相続税がかかります。

そこで今回は、相続財産が5,000万円あるときの相続税や、効果的な相続税対策をわかりやすく解説します。

相続財産5000万円の相続税はいくら?

相続財産5,000万円を子供1人で相続すると相続税は160万円、配偶者のみが相続した場合は非課税です。相続税は以下の基礎控除を超えた部分に課税されるので、相続人の人数によって相続税額も変わります。

  • 計算式

  • 相続税の基礎控除:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

ちなみに2014年12月末までは以下の計算式だったため、現在でも最低額5,000万円または6,000万円だと思われている方もいるでしょう。基礎控除の額については注意してください。

  • 計算式

  • 改正前の基礎控除:5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)

今回は相続税の計算方法を解説しますが、大まかな税額は以下の後述する早見表を参照するとわかります。

相続税の早見表

家族構成に応じた相続税を知りたい方は、以下の「相続税の早見表」で大まかな税額を把握できます。

【配偶者がいる場合】

遺産総額 配偶者と子1人 配偶者と子2人 配偶者と子3人
5,000万円 40万円 10万円 なし
6,000万円 90万円 60万円 30万円
7,000万円 160万円 113万円 80万円
8,000万円 235万円 175万円 138万円
9,000万円 310万円 240万円 200万円
1億円 385万円 315万円 263万円
2億円 1,670万円 1,350万円 1,217万円
3億円 3,460万円 2,860万円 2,540万円
5億円 7,605万円 6,555万円 5,962万円
8億円 1億4,750万円 1億3,120万円 1億2,135万円
10億円 1億9,750万円 1億7,810万円 1億6,635万円

【配偶者がいない場合(子供のみ)】

遺産総額 子1人 子2人 子3人
5,000万円 160万円 80万円 20万円
6,000万円 310万円 180万円 120万円
7,000万円 480万円 320万円 220万円
8,000万円 680万円 470万円 330万円
9,000万円 920万円 620万円 480万円
1億円 1,220万円 770万円 630万円
2億円 4,860万円 3,340万円 2,460万円
3億円 9,180万円 6,920万円 5,460万円
5億円 1億9,000万円 1億5,210万円 1億2,980万円
8億円 3億4,820万円 2億9,500万円 2億5,740万円
10億円 4億5,820万円 3億9,500万円 3億5,000万円

上記の表でも分かるように、配偶者がいる場合は配偶者の税額軽減(後半で詳しく解説します)を適用できるため、子供だけで相続するケースよりも相続税は低くなります。

では次に、具体的な相続税の計算方法を解説します。

相続税がかかる財産・かからない財産

相続税を計算するときは、相続税がかかる財産・かからない財産を切り分けておく必要があります。

相続税は被相続人の所有財産に課税されますが、生前贈与によってすでに相続人に移転した財産でも、贈与価額に相続税がかかる場合もあります。

また、被相続人が購入した財産でも非課税になるケースがあるので、以下を参考にしてください。

相続税がかかる財産

相続税がかかる財産には以下の種類があり、基本的には遺言書や遺産分割協議で取得した財産ですが、生前贈与に課税されるケースもあります。

  • 現金や預貯金、不動産や株式、車や船舶など

  • 相続開始前3年以内に贈与された財産の価額

  • 相続時精算課税制度で贈与された財産の価額

  • みなし相続財産となる死亡保険金や死亡退職金など

相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算しますが、2024年1月1日以降は対象期間が7年になります。

対象期間の延長は段階的に適用されるので、生前贈与を相続財産に加算するときは、税理士に相談しておくとよいでしょう。

相続税がかからない財産

相続税がかからない財産には以下の種類があるので、相続税を計算するときは、プラスの財産(相続税がかかる財産)から差し引きます。

  • 祭祀財産

  • 死亡保険金や死亡退職金の非課税枠

日常的に礼拝している財産を祭祀財産といい、仏壇や仏具、墓地や墓石、神棚や神具などが含まれます。

ただし、売却や投資を目的として購入された祭祀財産の場合、相続税がかかる可能性があるので注意しなくてはなりません。

死亡保険金や死亡退職金は相続税のかかる財産ですが、どちらも「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。

また、未支給の公的年金や遺族年金にも、相続税はかかりません。

相続税の計算をする流れ

相続税は、以下の流れで計算します。

  1. 正味の遺産総額の計算
  2. 基礎控除と課税遺産総額の計算
  3. 相続税の総額の計算
  4. 各相続人の税額計算

各手順の計算方法は特に難しくありませんが、3番目の「相続税の総額の計算」が抜け落ちやすいので注意して計算してください。

では、手順どおりに相続税を計算してみましょう。

【関連記事】相続税の計算方法|あなたの相続税はいくら?基礎控除もわかりやすく解説

(1)正味の遺産総額の計算

正味の遺産総額とは、プラスの財産からマイナス財産や非課税財産などを差し引いた金額です。

今回は、プラスの財産-(マイナスの財産+非課税財産+葬儀費用)を計算した結果、正味の遺産総額が5,000万円だったと仮定します。

では次に、相続税の基礎控除を計算してみましょう。

(2)基礎控除と課税遺産総額の計算

正味の遺産総額5,000万円から基礎控除を差し引くと、課税遺産総額(相続税がかかる金額)がわかります。

仮に配偶者と子A・子Bの3人が相続人だったとすると、基礎控除や課税遺産総額は以下のようになります。

  • 計算式

  • 基礎控除:3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円

  • 計算式

  • 課税遺産総額:5,000万円-4,800万円=200万円

課税遺産総額がわかったら、次に相続税の総額を計算します。

(3)相続税の総額の計算

相続人が複数いる場合、ひとまず法定相続分どおりに課税遺産総額を分割し、各自の課税額を計算しておきます。配偶者と子供の法定相続分はそれぞれ1/2ですが、子供は人数割りするので、子Aと子Bの法定相続分は1/4(1/2×1/2)になります。

  • 計算式

  • 配偶者の課税額:200万円×1/2=100万円

  • 計算式

  • 子Aの課税額:200万円×1/4=50万円

  • 計算式

  • 子Bの課税額:200万円×1/4=50万円

次に相続税の税率(国税庁ホームページ参照)を乗じて各自の税額を計算し、相続税の総額を算出します。

  • 計算式

  • 配偶者の相続税:100万円×10%=10万円

  • 計算式

  • 子Aの相続税:50万円×10%=5万円

  • 計算式

  • 子Bの相続税:50万円×10%=5万円

  • 計算式

  • 相続税の総額:10万円+5万円+5万円=20万円

最後に、財産の取得割合に応じて各自の税額を按分します。

相続税の税率(国税庁)

(4)各相続人の税額計算

相続税の総額がわかったら、実際に取得する財産の割合で按分します。仮に配偶者と子Aが2/5ずつ、子Bが1/5を取得する場合、各自の相続税は以下のようになります。

  • 計算式

  • 配偶者の相続税:20万円×2/5=8万円

  • 計算式

  • 子Aの相続税:20万円×2/5=8万円

  • 計算式

  • 子Bの相続税:20万円×1/5=4万円

複数の相続人がいるときは、必ず相続税の総額を算出してから按分してください。各自が取得する財産にいきなり税率を乗じると、相続税が高くなってしまうので注意しましょう。たとえば、配偶者の取得額2,000万円(5,000万円×2/5)に対応する税率を参照すると、15%を乗じて相続税を計算することになってしまいます。

【関連記事】相続税は税率何%?相続税の計算方法と共にわかりやすく解説

相続税対策に使える控除・特例

相続財産が5,000万円ある場合でも、相続人が3人いると基礎控除は4,800万円になるため、課税される金額は200万円(5,000万円-4,800万円)まで減少します。相続税は20万円(200万円×10%)になりますが、以下の控除・特例を活用すると非課税になる可能性もあります。

配偶者の税額軽減(配偶者控除)

被相続人の配偶者が遺産相続する場合、1億6,000万円または法定相続分のどちらか多い方まで相続税がかかりません。配偶者だけに適用できる特例措置ですが、遺産分割協議の成立と相続税申告が要件になります。

【関連記事】相続税の配偶者控除とは?具体例を用いながら適用要件や注意点も解説

小規模宅地等の特例

被相続人の自宅を相続する場合、小規模宅地等の特例を適用すると、敷地330㎡までの評価額を80%減額できます。相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10カ月以内)まで住み続ける必要があり、以下の相続人に適用できる特例です。

  • 配偶者または同居する法定相続人(長男など)

  • 相続開始前の3年間、持ち家に住んでいない相続人(被相続人の配偶者がいない場合に限る)

後者(持ち家なしの相続人)の要件はかなり複雑なので、相続専門の税理士に確認してみることをおすすめします。

【関連記事】小規模宅地等の特例とは?適用要件や手続き・必要書類をわかりやすく解説

未成年者や障害者の税額控除

18歳未満の未成年者や障害者が相続人になる場合、相続税から以下の金額を控除できます。

  • 未成年者控除:10万円×18歳に達するまでの年数

  • 障害者控除:10万円(特別障害者は20万円)×85歳に達するまでの年数

どちらも相続財産からの控除ではなく、相続税額から控除するので注意してください。

まとめ

相続税は基礎控除を差し引いた部分に課税されます。すると相続財産が5,000万円ある場合でも、相続人が1人いれば課税額は1,400万円(5,000万円-3,600万円)まで減少します。かつての基礎控除は最低額が6,000万円だったので、2014年12月末までに相続が発生していた場合、5,000万円全額が非課税になったということですね。

相続税の基礎控除は今後も改正される可能性があるため、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを活用し、相続税が低くなるように工夫しましょう。より効果的な相続税対策を検討したい方は、相続専門の税理士に相談することをおすすめします。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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【出典元】
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