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相続税

最終更新日:2021.04.20

与税とは?いくらかかる?
計算方法や特例・
税額控除をわかりやすく解説

贈与税とは?いくらかかる?計算方法や特例・税額控除をわかりやすく解説

このコンテンツでわかること

  • ■ 贈与税の概要
  • ■ 贈与税の計算方法や税率の種類
  • ■ 贈与に関する特例や税額控除、生前贈与を行う際の注意点

贈与という行為は、一般的にもなじみがあるでしょう。しかし、贈与税を支払ったことがあるという人はそれほど多くないのではないでしょうか。それは、贈与をしても贈与税がかからない場合や、特例・税額控除が設けられているためです。

今回は、贈与税の概要や計算方法、贈与をするときの注意点などについて解説します。

2>贈与税とは

贈与税とは、個人から個人へ財産を譲り渡した際に発生する税金のことです。贈与税を支払うのは、財産を渡した人(贈与者)ではなく、財産をもらった人(受贈者)です。

贈与税は、1年間(1/1~12/31)に贈与を受けた財産の価額の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた額に税率を乗じて計算します。

そのため、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。

なお、複数の人から贈与を受けたとしても、基礎控除額110万円は増えません。たとえば、祖父から100万円、祖母から50万円の贈与を受けた場合、合計額150万円から基礎控除額110万円を差し引いた40万円が贈与税の課税対象となります。

贈与の課税方式は2種類ある

贈与には、以下の二つの課税方式があります。

暦年課税

暦年課税とは、通常の贈与税の課税方法で1月1日から12月31日までの1年間の贈与について、基礎控除額110万円を超えた部分に贈与税がかかります。

相続時精算課税

相続時精算課税とは、原則として60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子供や孫などへの贈与において、基礎控除額(年110万円)を控除し、累計2,500万円の特別控除額までは贈与税がかからず、贈与者が亡くなったときに相続時精算課税による贈与財産と相続や遺贈により取得した財産を合計して相続税を課す課税方法です。

特別控除額2,500万円を超える贈与を行った場合、超過分に一律20%の税率で贈与税がかかります。

たとえば、相続時精算課税で初年度に2,700万円の贈与を受けた場合、2,700万円から基礎控除額110万円と特別控除額2,500万円を差し引いた90万円に一律20%の税率となるため、18万円の贈与税がかかります。

なお、暦年課税と相続時精算課税制度の併用はできず、相続時精算課税制度を一度選択すると、暦年課税へ変更することはできません。

相続時精算課税制度とは?申告方法や必要書類、メリット・デメリットを解説

贈与税の税率

相続時精算課税制度では、特別控除額2,500万円を超えた額にかかる贈与税の税率は一律20%ですが、暦年課税は累進課税となっています。

暦年課税の税率は、贈与者と受贈者の関係性によって変わります。直系尊属(父母や祖父母など)から、贈与を受けた年の1月1日時点において18歳以上の者に対して行われた贈与を「特例贈与」、それ以外の贈与を「一般贈与」といい、それぞれ税率が異なります。

特例贈与の税率

特例贈与に該当する場合の贈与税は、以下の速算表を用いて計算します。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

国税庁:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

一般贈与の税率

一般贈与に該当する場合の贈与税は、以下の速算表を用いて計算します。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

国税庁:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

受贈者が配偶者や兄弟姉妹、子供の配偶者、あるいは親から子供への贈与で子供が未成年者の場合などは一般贈与に該当します。一般贈与は、特例贈与の場合より税率が高いため、贈与税の負担が増えることとなります。

贈与税の計算方法

では、贈与税はどのように計算するのか、流れにしたがって贈与税の計算方法を確認しましょう。

(1)贈与された財産の合計額を計算する

1年間に贈与を受けた財産の合計額を計算します。このとき、贈与を受けた財産が現金や預貯金であれば、その金額をそのままプラスします。一方、贈与を受けた財産が不動産や株式などの財産の場合、評価額を算出しなければなりません。

土地の贈与を受けた場合は、路線価方式あるいは倍率方式といった計算方法を用いて評価額を算出します。建物の場合は、固定資産税評価額が贈与を受けた建物の評価額となります。有価証券の場合は贈与を受けた日の終値の他に、贈与があった月、その前月、その前々月の終値の平均から評価額を算出します。

このように贈与を受けた財産によって、評価方法が異なります。評価額の計算が非常に複雑なため、わからないことがあれば税理士などの専門家に相談しましょう。

(2)基礎控除額を差し引いた課税価格を計算する

贈与税の課税価格は、1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引いて求めます。

贈与を受けた財産の合計が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。

(3)贈与税を計算する

上記(2)で求めた金額を速算表の「基礎控除後の課税価格」に当てはめ、贈与税を計算します。

特例贈与に該当する場合

父母や祖父母などの直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日時点において18歳以上の子供や孫などへの贈与の場合、特例贈与として計算します。たとえば、基礎控除後の課税価格が890万円の場合、1,000万円以下の区分に該当するため、890万円×30%-90万円=177万円が贈与税額となります。

一般贈与に該当する場合

特例贈与以外の贈与は、すべて一般贈与に該当します。基礎控除後の課税価格が890万円の場合、890万円×40%―125万円=231万円が贈与税額となります。

特例贈与と一般贈与がある場合

1年間に特例贈与と一般贈与の両方で贈与を受ける場合もあります。

たとえば、特例贈与として800万円、一般贈与として200万円、合計1,000万円の贈与を受けたとします。この場合には、すべての財産を特例贈与として計算した税額に占める「特例贈与財産」の割合に応じた税額と、すべての財産を一般贈与として計算した税額に占める「一般贈与財産」の割合に応じた税額を計算し、それらを合計して納付すべき贈与税額を求めます。

<すべてを特例贈与とした場合>
  • 計算式

  • 1,000万円ー110万円=890万円

  • 計算式

  • 890万円×30%ー90万円=177万円

  • 計算式

  • 177万円×800万円/1,000万円=141万6,000円

<すべてを一般贈与とした場合>
  • 計算式

  • 1,000万円ー110万円=890万円

  • 計算式

  • 890万円×40%ー125万円=231万円

  • 計算式

  • 231万円×200万円/1,000万円=46万2,000円

<納付すべき贈与税額>
  • 計算式

  • 141万6,000円+46万2,000円=187万8,000円

生前贈与で適用できる特例・税額控除

たとえ親子間であっても、財産の移転があれば贈与税の対象になり、税額が発生します。

しかし、なかには国の政策的な観点から特例を設けて、税金を課さないケースがあります。このような特例をうまく利用すると、贈与税だけでなく、将来の相続税を軽減できることもあります。

住宅取得等資金の贈与

住宅取得等資金の贈与は、父母や祖父母など直系尊属から住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の対価に充てるための資金の贈与を受けた場合に、最大で1,000万円まで非課税となる制度です。適用にあたっては、いくつもの要件が定められています。

受贈者は、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であり、贈与を受けた年の所得金額が2,000万円以下でなければなりません。新築または取得する住宅用の家屋の床面積は、40㎡以上240㎡以下である必要があります。なお、新築等をする住宅用の家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合、所得制限は1,000万円以下となります。

教育資金の一括贈与

本来であれば扶養義務者相互間において、生活費や教育費に充てるために贈与を受けた財産のうち、「通常必要と認められるもの」については、贈与税はかかりませんが、通常必要と認められる範囲を超える多額の贈与を一度に受けると贈与税がかかります。

たとえば、祖父母などに教育資金の援助を度々お願いするのは心理的に負担がありますが、教育資金の一括贈与の特例を使うと、1,500万円まで贈与税の負担なく贈与を受けられるため、一度に大学4年間分の学費を援助してもらうことも可能です。

父母や祖父母などの直系尊属が、子供や孫の将来の教育資金として信託銀行などの金融機関に教育資金口座を開設した場合、1,500万円まで非課税となります。受贈者は30歳未満であることが要件とされています。また、贈与した人が亡くなった場合は、受贈者が23歳未満である場合や、学校等に在学しているなど一定の場合を除き、残額に対して相続税が課されます。

結婚・子育て資金の一括贈与

婚姻にあたって、子供が親から婚姻後の生活を営むために家具や寝具、家電製品等の通常の日常生活を営むのに必要な家具什器等の贈与やそれらの購入資金の贈与を受けた場合、全額を購入費に充てれば、贈与税はかかりませんが、残ってしまった場合は課税対象となります。

一度にまとまった資金を渡したい場合、父母や祖父母などの直系尊属が、子供や孫の結婚・子育て資金として信託銀行などの金融機関に結婚・子育て資金口座を開設すると、1,000万円まで非課税となります。受贈者は18歳以上50歳未満であることが要件とされています。また、贈与した人が亡くなった場合は、残額に対して相続税が課されます。

贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)

配偶者から自宅の不動産や自宅を購入するための資金の贈与を受けた場合、基礎控除110万円のほかに最大2,000万円まで非課税とされる制度です。この特例の適用を受けるには、夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと、過去に同じ配偶者からの贈与について配偶者控除の適用を受けたことがないなどの要件を満たす必要があります。非課税となる金額が大きく魅力的ですが、不動産の贈与を受けた場合には、不動産取得税や登録免許税がかかるため、利用する際はよく検討しましょう。

贈与税の申告方法

基礎控除額を超える贈与を受けた場合や特例の適用を受ける場合には、贈与税申告が必要になります。

申告期限

贈与税は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに申告しなければなりません。この期間に間に合うように、申告書と必要書類を準備して、受贈者の住所地を所轄する税務署に申告書を提出します。

必要書類

贈与税申告には、下記の書類が必要になります。

  • 本人確認書類(マイナンバーカード等)

  • 受贈者の戸籍謄本または抄本(特例贈与の場合のみ)

  • 評価証明書(贈与財産が評価を必要とする場合)

申告と納税

贈与税申告は、下記の方法で申告できます。

  • 所轄の税務署へ持ち込みまたは郵送

  • e-Taxによる電子申告

納付方法には、以下の方法があります。

  • 所轄税務署や金融機関の窓口で現金納付

  • クレジットカード納付

  • ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)

  • インターネットバンキングやATMから納付

  • コンビニ納付(QRコード)

  • スマホアプリ納付

贈与税の支払い方法は6種類!納付期限や納付時の注意点も解説

生前贈与をする場合の注意点

様々な理由で、子供や孫に財産を贈与したいと考える人は多いでしょう。生前贈与を行うこと自体は、決して悪いことではありません。

ただし、注意点を把握していなければ、大きな税負担が発生する可能性があります。しっかりと、生前贈与の注意点を確認しておきましょう。

相続開始前7年以内の贈与は相続税の対象になる

相続税は、被相続人が亡くなったときに保有している財産に対して課税されます。そのため、亡くなる直前に、財産を配偶者や子供の名義に変更して相続税を逃れようと考える人もいるかもしれません。このような駆け込み贈与を防止するため、相続開始前7年以内に行われた贈与は、相続財産に加算するように規定されています。

相続開始前7年以内の贈与の相続財産への加算は、相続税を逃れる意図があったかどうかは関係ないため、相続税を申告する際は、基礎控除額以下の生前贈与であっても相続税に加算する必要があることを忘れないように注意しましょう。

このように一定期間の生前贈与は相続税の対象となってしまうため、相続税対策として贈与を行う場合、早めに贈与を始めた方がいいでしょう。

双方合意でないと贈与は成立しない

親が子供の名義で預貯金口座を開設し、その口座にお金を振り込むことで贈与になると考える人もいるかもしれません。

しかし贈与は、贈与者と受贈者の双方の合意があって初めて成立します。そのため、親が子供の通帳やキャッシュカード、銀行印を管理している状況では、贈与が成立しているとはいえません。

子供の通帳等を管理した状況のまま、親が亡くなった場合には、子供名義の預貯金は名義預金として親の相続財産となります。名義預金とならないためにも、子供の普段使いの口座にお金を振り込むなどして、子供が自由に使えるようにし、対策をしておく必要があります。

定期贈与と判断されると税負担が重くなる

たとえば、毎年100万円を子供に渡している場合、基礎控除額110万円以下の贈与であるため、贈与税は発生しないと考えるでしょう。

しかし、5年間にわたって毎年100万円の贈与をする契約があったとみなされたケースでは、初年度に5年分の贈与(100万円×5年)があったものとして、500万円から基礎控除額110万円を差し引いた390万円に贈与税が課されます。

このような贈与を定期贈与といいます。定期贈与の場合、財産が移転したときではなく、契約したときに全額の贈与があったものとされるため、多額の贈与税が発生します。

贈与者が亡くなってから定期贈与でなかったことを証明するのは難しいため、贈与が定期贈与とみなされないように、贈与する度に贈与契約書を作成したり、贈与しない年を作ったりするなどの対策を生前から行いましょう。

贈与税の申告漏れにはペナルティがある

贈与税の申告を忘れたときや、故意に申告しなかったときは追徴課税の他に付帯税のペナルティが発生します。

付帯税には以下の種類があり、贈与税の本税の他に納付しなければならないので注意してください。

  • 延滞税:納期限の翌日から2カ月を経過する日までは年2.4%、納期限の翌日から2カ月を経過した日以後は年8.7%

  • 無申告加算税:贈与税の本税に5~30%の税率で課税

  • 重加算税:過少申告は贈与税の本税に35%、無申告は40%の税率で課税

追徴課税されると、高額な税金を納めることになります。追徴課税を受けないように、暦年贈与の場合は、翌年の2月1日から3月15日までの間に忘れずに申告を済ませましょう。

2023年の税制改正で生前贈与の加算期間が7年に延長!改正ポイントを確認

まとめ

子供や孫がお金に関して心配することなく生活したり、学校に通ったりできるように、贈与をしたいと考えている人は多いでしょう。また、相続税対策として生前贈与を活用する人もいるでしょう。ただし、贈与の仕方によっては、多額の税金が発生する可能性があります。大きな金額を動かす場合には、事前に税理士に相談するなどして、不要な支出が生じないようにしましょう。

税理士 古尾谷 裕昭
  • この記事の監修者

  • 税理士 古尾谷 裕昭

VSG相続税理士法人
代表 税理士

2006年に古尾谷会計事務所開業。現在は、相続を専門とするVSG相続税理士法人の代表税理士。
税理士・司法書士・弁護士・行政書士・社会保険労務士・不動産会社が在籍し、相続税申告のみならず、相続登記、相続争い、遺言書作成、信託、資料収集から不動産売却・コンサルティングまで様々な業務に対応。年間申告件数3,000件以上。

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