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特別ディスカッション
SNSでの性的被害をなくすために~加害者にも、傍観者にもならないためにできること~
ショートムービープラットフォームTikTokを運営するByteDance株式会社は、SNSプラットフォームを安心・安全に利用してもらうために様々な課題に対応する取り組みに力を入れており、2月1日~ 3月18日のサイバーセキュリティ月間に合わせて、SNSを起因とする性犯罪被害防止にフォーカスした啓発企画を実施している。ByteDance株式会社の山口琢也執行役員、NPO法人ぱっぷすの金尻カズナ理事長・内田絵梨相談支援員、TikTokクリエイターで弁護士の岡野タケシ氏、TikTokクリエイターのユニット「純悪」の山根和馬氏・阿部亮平氏が、SNS起因の性暴力被害の現状や対策などについて、さまざまな視点から考えを述べた。
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NPO法人 ぱっぷす
理事長
金尻 カズナ 氏
リベンジポルノ・性的な盗撮・グラビアやヌード撮影によるデジタル性暴力、アダルトビデオ業界や性産業にかかわって困っている方の相談窓口であるNPO法人ぱっぷすの理事長。 -

NPO法人 ぱっぷす
相談支援員
内田 絵梨 氏
NPO法人ぱっぷすにて性風俗産業で問題に直面された方への相談支援、リベンジポルノ・子どもポルノの被害相談支援など「デジタル性暴力」をめぐるさまざまな問題について取り組む相談支援員。 -

TikTokクリエイター
弁護士
岡野 タケシ 氏
YouTube及びTikTokにて法律問題や時事問題の解説をショート動画として投稿し、今やTikTokのフォロワー52万人以上の弁護士。アトム法律事務所弁護士法人代表を務める。 -

TikTokクリエイター
俳優『純悪』
山根 和馬 氏
俳優の阿部亮平と結成されたユニット「純悪」のメンバー。ドラマ・映画で活躍する傍らメッセージ性の高いショート動画で注目を集める実力派俳優・TikTokクリエイター。 -

TikTokクリエイター
俳優『純悪』
阿部 亮平 氏
俳優の山根和馬と結成されたユニット「純悪」のメンバー。大ヒット映画からVシネマまで様々な作品に出演。バイプレイヤーとしても業界から認められる実力派俳優。 -

ByteDance 株式会社
執行役員 公共政策本部長
山口 琢也 氏
内閣官房情報通信技術(IT)担当室にてIT国家戦略立案に携わり、その後、日本マイクロソフト、Googleなどで公共政策・政府渉外部長を歴任。フェイスブック ジャパン執行役員を経て、2018年より現職。
被害にフォーカスされるが、加害という認識が社会的に十分に
醸成されていない
――SNS起因の性暴力被害の現状についてお聞かせください。
ぱっぷす(金尻) 私たち「ぱっぷす」は、デジタル性暴力・性的搾取の相談支援活動を行っています。ネットにアップされた性的画像を本人に代わって削除要請したり、支援が必要な人に福祉の側から働きかける「アウトリーチ活動」などに取り組んでいます。最近は、性的な写真を送付してしまった、盗撮され拡散されたなど、スマホに関する10代の方の相談が増えています。被害にあっているという認識がなかったり、親や学校に知られるのを恐れて、自分の力で解決しようという人も多く、より被害が悪化してしまう傾向があります。
岡野 カメラ付き携帯電話が使われ始めてからは、盗撮が増えましたね。その後はスマホの普及によって、いろいろなコミュニケーションが生まれ、写真も撮りやすく、送りやすくなって、児童ポルノ、児童買春といった事件が増えてきているのが現状です。
純悪(阿部) 気軽に撮った人が友達に送って、それがまた広がって……広がり方が、ネットはすごいじゃないですか。無意識にやったことがどうなるか、加害者の側が分かっていないのも問題ですよね。
ぱっぷす(金尻) 被害者の多くが、誰かに認められたいし排除されたくない、相手は私の価値を見出してくれた人だから、断ったら嫌われるのではないかという「不安」から逃れるために、このようなことが起きています。その背景として、画像を相手に要求したり、撮影することが罪に問われるという認識が欠如している場合が多いですね。加害という認識が社会的に十分醸成されていないと感じています。
純悪(山根) 自分が主役になって人生を生きているという感覚を持つと、自分の行動に対して責任が持てると思います。だから自分を大切にできない人は、簡単に人を傷つけてしまうのではないのでしょうか。大人もしっかりとそこに目を向けるべきですね。
山口 ネット起因の児童の性暴力被害が、ここ何年も増加傾向にあり、TikTokも取り組まなければいけない重要な課題だと認識しています。そのため、NPOや有識者、関係省庁等の専門家の方々と協力して、被害をどのように防げるのかを日々検討しながら対策に取り組んでいるところです。
――被害の防止・対策の考え方・あり方についてお聞かせください。
ぱっぷす(内田) 今は「撮らせた側が悪い」という風潮がありますが、オレオレ詐欺では振り込んだおばあちゃんが悪いとはならないですよね。それと同じです。被害者を減らすのではなく、加害者を減らすような社会にシフトしなくてはいけないと思います。加害者に対しては「画像を撮ってもいい?」と聞くこと自体が性暴力であり、被写体が児童であれば処罰の対象になること、被害者に対しては「相談しても良いこと」を伝えることが大切です。なかには不登校やPTSDにより人生に多大な影響が出る方もいます。周囲の第三者は、このような社会的な損失を理解し、早期に介入することです。
岡野 18歳未満を性の対象として扱った場合は、逮捕されたり、処罰を受けたりすることをしっかり周知する必要があると思います。「本人同士が納得してやっているならいいんじゃないのか」という主張をする人もいるのですが、社会としては決して許容していないところです。そういうコンプライアンスの意識をしっかり広めていくべきですね。
純悪(阿部) 若い人たちは、被害に遭うと思ってやっているわけではないんだと思います。被害に遭った人たちが、苦しまないように、何か手助けができるようなことを考えてあげなきゃいけないのかなと思います。
ぱっぷす(金尻) 特に親御さんに対して伝えたいのは「ダブルバインド」(※)をしないこと。ダブルバインドとは「怒らないから正直に言いなさい」と言って、子どもに話させた後で「なぜ、そんなことしたんだ」と怒ること。これを受けると人生でトラウマになります。まずは、勇気をもって言えたことを褒めてあげてください。
(※)2つの矛盾したメッセージによりどうしていいか分からない状態に陥ること
ぱっぷす(内田) それに付け加えると、親御さんは、被害に遭ったお子さんには寄り添ってあげてください。「あなたは悪くないよ」と言ってあげ、「法律はあなたを罰するためではなく、あなたを守るためにある」ということを伝えてほしいですね。
純悪(山根) 大切な人の変化に気づいてあげるっていうところに尽きると思います。大切な人を守っていくっていう気持ちを持つと「ここで自分ができることは何だろう」と思いますから。
岡野 見知らぬ人からSNSで接触されたり、写真を送ってほしいと言われることがあったら、「既読スルー」も対応のひとつです。コミュニケーションをとり始めると、あの手この手でやってきますから。
純悪(山根) 僕たちは昔、「知らない人についていっちゃいけないよ」と当たり前に言われていましたよね。それと一緒で「知らない人に写真を送っちゃいけない」というのは、SNS社会でも当たり前なんだということを、僕たち大人がしっかりと伝えていかなくてはいけないと思います。
山口 TikTokでも、青少年の安心・安全を最優先課題とし、安全対策を講じています。不適切なコンテンツについては削除などの対応を取り、有害・不適切な動画・コメント・ダイレクトメッセージについてはユーザーが通報できるようにしています。また、誹謗(ひぼう)中傷、自画撮りの性暴力被害など様々な課題に関する安全利用を促す啓発動画も継続的に制作・公開しています。
被害者にしっかりと寄り添い未来の加害者を減らすために
――今回の性犯罪被害防止の啓発企画について、お聞かせください。また、若者や子どもたちにメッセージをお願いします。
山口 被害を防止するためには加害者となる可能性のある人や、被害者の周りにいる第三者にも働きかけていかなければいけないと感じています。今回、TikTokではサイバーセキュリティ月間にあわせた啓発の取り組みを行っています。児童ポルノや自画撮り被害は、犯罪と知らずに罪を犯しているケースがあるため、ぱっぷすさんや岡野弁護士に何が犯罪なのかを明確に伝える動画を制作していただきました。純悪さんには、自画撮り被害に遭ってしまった人の気持ちに寄り添って、「一緒に警察に相談に行こう」と声掛けする第三者の様子を描いた動画を制作していただきました。こういった取り組みを通じて、ネット起因の性被害を社会として防いでいくことに貢献していきたいと思っています。
ぱっぷす(内田) 「被害者の勇気にばかり寄りかかるのではなく、周囲も一緒に被害を防いでいこう」という今回のテーマは、私たちの活動趣旨と一致しており、未来の加害者を減らすためにも啓発企画に参加しました。「撮ってもいい?」という一言が、どれだけ人を傷つけるのかを知ってもらうことを意識して動画を作成しました。
岡野 普段から法律の情報を発信しており、今回のキャンペーンに関しても、「何が犯罪になるか」をしっかり伝えることができたと思います。
純悪(阿部) 今回の自分たちの動画の中で「勇気を持って相談してくれてありがとね」というセリフがあります。恥ずかしくて人に言えないようなことを言うことは、とても勇気がいります。だからこそ相談された側は寄り添い、感謝の言葉を掛けてあげることが、とても大切だと思います。
本当に伝えなければいけないことを、伝わる方法で届けることが
大事
ぱっぷす(金尻) 加害を無くしていくことこそが、被害を無くすことにつながります。万が一、お子さんがトラブルに巻き込まれた場合は、親御さんも孤立化してしまうことが多いので、一人で抱え込まず、支援団体や弁護士などに相談する勇気をもってほしいと思います。
岡野 特に親御さんは、お子さんとのコミュニケーションをしっかりとってほしい。児童犯罪は孤立している子ほど巻き込まれやすく、被害に遭ってしまうことも多いですから。また、普段から家族だけでなく、地域、学校などともコミュケーションをとっておくと「それはやめとこう」「それはおかしい」と気付くこともできると思います。
純悪(山根) 専門家の方々の話を聞き「一般的な僕たちの考えはこうです」と分かりやすい動画にして、見る人との間に立って情報を発信することが、僕たちの役割だと思います。これからもさまざまなアプローチを続けていきたいです。
純悪(阿部) TikTokは手軽に見られますから、僕たちのような者が発言することでユーザーもメッセージが入ってきやすいのではないでしょうか。そういった面で貢献できたらいいなと思います。
山口 本当に伝えなければいけないことを、伝わる方法で届けることが大事です。「難しい言葉をしっかり噛(か)み砕いて、映像で表現する」「好きな人たちが、思いを持ってメッセージを伝える」。こうしたことを通じて、「ちゃんと話を聞こう」という気になってくれるのだと思います。ユーザーの目線に立ってメッセージを代弁してくれるのが、TikTokクリエイターやNPOの方々です。そして支援を求める人と支援を提供する人や支援の場をつなぐ役割をTikTokが果たしていけたらと考えています。
#大切な人を守ろう
クリエイター、専門家、NPOなどと連携した
TikTokの取り組み
サイバーセキュリティ月間にあわせた啓発の取り組み
内閣サイバーセキュリティセンターは、毎年2月1日~ 3月18日に、セキュリティ意識の普及啓発強化のためサイバーセキュリティ月間を展開している。TikTokでは、サイバーセキュリティ月間に合わせて、SNSを起因とする性犯罪被害防止にフォーカスした啓発企画を行っている。性暴力被害を受けた当事者のみならず、加害者向け、被害者の周りにいる第三者とそれぞれの立場の方に対して啓発メッセージが届くような取り組みを実施。その中でも特に「第三者」が家族や友人から相談された場合、どのような声掛けやアドバイスをするとよいかなどについてNPOやクリエイター、専門家の協力のもとショートムービーを通じて発信している。また、「#大切な人を守ろう」をテーマに専用ステッカーを用意し、社会全体で「性暴力を防ごう」という賛同が広がることも目指している。
安心・安全に利用するための機能
TikTokを安心・安全に利用してもらうために、被害防止対策への取り組みも強化している。「ペアレンタルコントロール機能」は、保護者と子どものTikTokアカウントをリンクさせて、保護者がアカウントの非公開設定や、動画へのコメント掲載、動画のダウンロード許可、利用時間の管理方法などを直接設定できる。 「ダイレクトメッセージ(DM)※制限機能」は、「ペアレンタルコントロール」からDMを有効にしているかどうかを管理できる。ほかに、不適切または不親切なコメントを含む投稿について再検討することを促す新たな機能「コメント再考機能」、不適切なコメントなどをフィルタリングする「コメントフィルタリング機能」もある。
(※)TikTokでは、16歳以上のユーザーのみがダイレクトメッセージを使用することができる。

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