毎年6月に開催される、演劇・ミュージカルにおいて世界的に権威のあるトニー賞。ここ数年は、パンデミックの影響で延期や規模を縮小しての開催となっていた。また、今年はハリウッドの脚本家たちのストライキにより、テレビ中継が危ぶまれてもいた。交渉により無事に放送されることとなった授賞式の様子をWOWOWが生中継・ライブ配信する。ナビゲーターを務める井上芳雄さんと宮澤エマさんに、トニー賞の魅力を聞いた。
WOWOWトニー賞授賞式番組ナビゲーター
俳優・井上芳雄さん
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俳優・宮澤エマさん
特別対談
ブロードウェーの奥深さと魅力を
より多くの人に伝えられたら
(井上芳雄さん)
トニー賞は特に先進的に時代を
捉えてきたアワードだと感じます
(宮澤エマさん)
ブロードウェーの今がわかるアワード
井上 今年もいよいよトニー賞授賞式が開催されます。ニューヨークのオン・ブロードウェーで開幕した演劇・ミュージカル作品を対象に贈られる、世界最高峰の賞の一つなので、やはりワクワクしますね。
宮澤 私は、この授賞式を生中継する番組に関わらせていただいて3年目になります。その前から、トニー賞の授賞式は知っていましたし、見てもいますが、その魅力に毎年驚かされています。
井上 僕も番組に関わる前からトニー賞はずっと好きでした。今年はブロードウェーで、こんな作品が開幕して、こんなパフォーマンスがされていたんだと知ることができる貴重な機会でしたし、そこから学ぶこともたくさんありました。ブロードウェーの今、そしてミュージカル・演劇の最先端がわかるアワードですよね。
宮澤 華やかなパフォーマンスは見応えがありますし、そちらに注目しがちですが、トニー賞はミュージカルから会話劇まで幅広い舞台芸術のアワードであり、アメリカの今、世界の今を映し出していると感じます。
井上 実はメッセージ性の強い作品も多かったりするんですよね。舞台芸術は映画などの映像作品とは異なり、生のジャンルなので、歴史や政治的な問題、ジェンダーなどについて鋭く切り込んだものも多く、まさに今の世の中の流れを知ることができるのも、僕にとっては重要なことです。
宮澤 ここ10年くらいは人種的にマイノリティーと言われてきた方々が活躍するような作品も増えています。ブロードウェーは、アメリカの中でも先進的な考え方を持つ人が多く、思想や政治における分断を芸術を通して乗り越えていきたいという強い意志がノミネート作品からも伝わってきます。
井上 時代を映し、時代によってノミネートされる作品や、受賞する作品が柔軟に変わっていくところも、トニー賞の特徴であり、大きな魅力ですね。
自由や多様性への問いを提起し続ける
宮澤 井上さんは、今年4月にニューヨークに行かれて、ブロードウェーで今回のノミネート作品もいくつか見て来られたそうですね。
井上 新型コロナウイルスの流行前に行ったきり、ブロードウェーには行けていなかったので、現地に行けたこと自体が感動でした。
宮澤 印象的だった作品について教えてください。
井上 どの作品もそれぞれに印象的でしたが、「キンバリー・アキンボ」は、すごい作品が生まれたなと驚きました。難病によって、通常の4〜5倍の速さで年をとってしまう10代の女の子が主人公なのですが、その家族も一筋縄ではいかない問題を抱えていて。テーマはシリアスなのですが、それがミュージカルとしてショーアップされていて、ブロードウェーのすごみを感じました。
宮澤 「サム・ライク・イット・ホット(お熱いのがお好き)」は、マリリン・モンローが出演していることでも知られる映画をもとにした新作ミュージカルですね。
井上 そう。元は1950年代のクラシカルな映画作品なのですが、これがミュージカル作品として立ち上がってきた時に、歌やダンスはもちろん、タップあり、現代ならではのキャスティングや演出ありで、見応えがありました。
宮澤 クラシカルな作品のリバイバルも、演出やキャスティングで、今の時代にそれをやる意味というか、きちんと問題提起している作品が多いですよね。ブロードウェーのトレンドは、世界的にも大きな影響があるので注目しています。
井上 ノミネート作品の中で、宮澤さんが注目している作品は?
宮澤 個人的な興味になってしまうのですが、私が最近まで出演していた「ラビット・ホール」という舞台作品が「キンバリー・アキンボ」の脚本と同じ、デヴィッド・リンゼイ=アベアーという方が書かれた作品なので、賞の行方がとても気になっています。ミュージカルのリバイバル作品でも「パレード」と「スウィニー・トッド」は、日本でも上演されていますし、大好きなナンバーも盛りだくさんなので、注目している作品です。
感動を分かち合う一夜限りのショー
井上 今年は全米脚本家組合のストライキなどの問題もあり、トニー賞の授賞式開催が危ぶまれていました。なんとか、授賞式自体は開催されるようなので、ほっとしています。内容は例年と異なる可能性もありますが、このアワードを目標として作品を作ってきた人、携わってきた人が評価される機会はやはり重要だと考えています。
宮澤 井上さんは、授賞式のどんなところがお好きですか。
井上 今年は、昨年と同じアリアナ・デボーズが司会を務めますが、司会者によって授賞式のカラーが異なるのも、トニー賞の見どころだと思います。ヒュー・ジャックマンが司会を務めた年の授賞式はとても印象的でした。あとは、毎年この日のためにオリジナルで作られるオープニングのナンバー。今年はストライキの影響でどうなるかわかりませんが、これから始まる授賞式でどんなドラマが展開されるのか、どんなショーを見ることができるのかと毎年本当にワクワクします。
宮澤 私もオープニングナンバーを毎年とても楽しみにしています。オープニングの瞬間にグッと引き込まれるあの感じが大好きです。
井上 あとは、当たり前なのですが、受賞者のスピーチがまた奥深い。受賞した方々一人ひとりにドラマがあって、家族や共に作品を作り上げたスタッフがいて。演劇・ミュージカル界でトニー賞を受賞するのって、舞台芸術に携わる人たちにとっては夢の頂だと思うんです。だからこそ、一人ひとりのドラマが見えるスピーチは心に刺さるものがあります。
宮澤 トニー賞に限ったことではないのかもしれませんが、「この場を借りて言いたいことを言うぞ」というのがアメリカのアワードにおけるスピーチのスピリットとしてある気がしています。だから、社会問題に熱く訴えかけるようなスピーチから、家族、先生にこの賞を捧げたいという心温まるものまで様々。その一つひとつにドラマを感じますよね。
井上 ブロードウェーで今一番熱い作品が一堂に会し、その魅力を一夜で一挙に見ることができるトニー賞授賞式。ミュージカル・演劇を愛する人はもちろん、今まで舞台作品とは縁遠かった人にも楽しんでもらえるようにナビゲートしたいと考えています。
WOWOWでは6月12日(月)にアメリカ・ニューヨークのユナイテッド・パレスで開催される「第76回トニー賞授賞式」を生中継(放送・配信)。
〈放送・配信日〉6月12日(月)午前8:00(日本時間)放送・配信※同時通訳
字幕版は6/17(土)午後9:00放送・配信
※WOWOWオンデマンドでアーカイブ配信あり
〈ナビゲーター〉井上芳雄、宮澤エマ
詳しくは▶︎ https://www.wowow.co.jp/stage/tony/
「トニー賞がやってくる!」#1、#2
井上芳雄ミュージカルアワー「芳雄のミュー」#1、#2
WOWOWオンデマンドは、BS視聴環境が整っていなくてもネット環境があれば加入でき、テレビでもスマホでも気軽に視聴できる。さらに、申し込み月内は0円で楽しめる“無料トライアル”で、ミュージカル関連番組の数々を視聴できる。「第76回トニー賞授賞式」も放送終了後よりアーカイブ配信!
詳しくは▶︎ https://www.wowow.co.jp/webdirect/