結婚を考えるすべてのカップルのための結婚情報サイト「マイナビウエディング」が、この春、大幅リニューアルしました。サイトオープンから12年を迎えようとする今、なぜリニューアルを決断したのか。その背景や狙いを、女性誌やWebメディアの編集長を歴任して、2024年3月よりマイナビウエディングの編集長に就任した片山裕美さんにお聞きしました。
「ふたりらしい結婚式を」から12年
マイナビはこれまで、ユーザーの方々のさまざまなライフシーンにマッチする有益な情報を届けてきました。その中のひとつが「マイナビウエディング」です。サービスがスタートしたのは2012年。当時のコンセプトは「ふたりらしい結婚式を」でした。かなりシンプルですが、「ふたりの思いを軸に、結婚式場探しや指輪探しをしてほしい」という私たちの思いを込めた、深みのある言葉だと考えています。
オープンから12年。サイト認知度やアクセス数、ドメインパワーなどWebメディアとして絶対的に必要な「土台」はとても強固なものに育ってきています。式場掲載エリアも2024年3月時点で、47都道府県に拡大しました。
今回のリニューアルの背景には、時代に伴って変化した「3つの事柄」があります。
1つめは「Webメディアの変化」です。「マイナビウエディング」がスタートした2012年から現在までの間に、Webメディアの信頼性は大きく向上しました。Webで情報を得ることが当たり前になった時代だからこそ、コンテンツを届ける側としても単に情報を提供するだけでなく、ターゲット層の気分を醸成したり、マーケットをリードしたりといった使命を意識する必要があると思っています。
2つめは「価値観やニーズの多様化」。ここ数年で、ユーザー層が結婚式に求めるスタイルや、価値観は大きく変化しています。「マイナビウエディング」がウエディング業界におけるLGBTQ+の理解増進プロジェクト「OVER THE RAINBOW WEDDING」を行っているのも、その一環です。
そして3つめが「“ウエディング価値”を見失ったユーザーの増加」。コロナ禍を経たことも大きな要因となり、「結婚式や指輪って本当に必要なの?」「式を挙げるかわりに、貯金や投資に回すほうがいい?」などと考える方もいます。ウエディングの価値が見えづらくなっている今だからこそ、「マイナビウエディング」がメディアとしてユーザー層からいっそうの信頼と共感を得て、ユーザーとクライアントをつなぎ、熱を伝え合い、力を結集して業界を盛り上げ、面白くしていく必要があると考えています。
ユーザーの価値観に寄り添いたい
今回のリニューアルの柱のひとつが、ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス(UI/UX)の刷新です。
サイトデザインは、ビジュアル感度が非常に高くなっている今の時代のユーザー層に合わせてシンプルながらもセンスが良く、写真が映えるものを採用しました。一番気を付けたことは、私たちから「テイストの押しつけ」をしないことです。様々なニーズを持って訪れてくれる方に、より心地いいサイト体験ができるよう、社内で議論を重ねました。
リニューアル前は、単にサイト上で結婚式場を探すという場面においても「国内結婚式場」「国内・海外リゾート」「プレミアムクラブ(ハイエンドな結婚式場情報)」の3カテゴリーの行き来が分かりづらいという課題がありました。式場はもちろん、それ以外にもさまざまなニーズに答える幅広いカテゴリーがあることがマイナビウエディングの強みでもあるので、カテゴリーの繋がりがシームレスに行えるように改修しました。目指したのは、訪れた方が求める情報の提供だけでなく、「あれも気になる」「これも見てみたい」というちょっとした興味や関心に答える情報にもスムーズに出会っていただけるサイト。ひとつの検索結果だけでユーザーとの関係性を完了させるのではなく、結婚を考えるおふたりが本当に望んでいる結婚のカタチが見つかるサイトとなるよう意識しています。
そんな思いで取り入れたのが、価値観軸のパーソナライズ機能です。
マイナビウエディングのパーソナライズ機能は、価値観軸とエリアで展開しています。ユーザーをカテゴライズするのではなく、価値観の揺れや気分に寄り添い、ユーザーにマッチしたおすすめの特集や結婚式場・ブライダルジュエリーの情報を提供します。
どんな人でも、朝と夕方では気分がまったく変わることはあります。SNSなどで新しい情報を入手するうちに興味をもつ対象も違ってきます。そういった、本人も自覚がない心の深層部分にあるものをすくい取りながら、新しい価値を提供できたらと思っています。
さらに、マイナビウエディングのハイエンドユーザーに向け、リニューアルに先駆け2023年秋よりプレミアム領域を本格展開しています。
メゾンブランドジュエリーを扱う「プレミアムジュエリー」、ハイエンドな式場の情報を提供する「プレミアムヴェニュー(旧プレミアムクラブ)」、そして、婚約時計やハイエンドユーザー向けのラグジュアリーウォッチを取り扱う「プレミアムウォッチ」の魅力的な3カテゴリで発信しています。
このプレミアム領域は、「マイナビウエディング」の他にはない強みのひとつの柱だと考えています。
結婚式を計画したり、指輪を選んだりという結婚のための準備は、今この時にしかできない体験で、それはふたりの人生にとって大きな財産になっていくもの。だからこそ、そこにより上質なものを求める方も当然いらっしゃる。プレミアムカテゴリーは、ただメゾンブランドの指輪や格式高い式場を紹介するだけの領域ではなく、人生の宝に育っていく上質な経験の意味と価値をより丁寧に伝えていくことに取り組みます。それぞれのカップルにはそれぞれのウエディング価値の実現のしかたがある。ふたりらしさに寄り添える、多くの提案を揃えることがメディアとしての責任だと思っています。
「マイナビウエディング」だからできること
マイナビウエディングでは、年間を通じて“ウエディング価値”を伝えるためのさまざまな特集を展開していきます。「2024-25・ウエディングトレンド特集」と題し、2024年に注目すべきキーワードやトレンドを発表する企画も予定しており、こちらは毎年の定番にしていきたいと考えています。
さらに、マーケットを牽引するインフルエンサーやプロフェッショナルを発信者としてコンテンツにも起用していこうと思っています。
結婚準備中の方にヒアリングすると「本音で相談できる相手がいない」という方が多いことに驚かされます。そこで、ユーザー層からの信頼が厚くロールモデルとなる既婚のインフルエンサーや、ファッション&ウエディングのプロフェッショナルをアドバイザーとして企画内に積極的に起用することで、より役立つ情報や、みんなが持っている思いや考え方などを提供していきたいと考えています。
企画を考えるにあたり、クライアント様や結婚準備前後のユーザー層への編集部でのヒアリングは恒常的に続けていきます。同時に、「マイナビウエディング」のマーケティングリサーチ力もメディア強化のために欠かせません。さまざまな定量リサーチや蓄積している豊富なデータと、取材やヒアリングでキャッチする「今の気分」や「トレンドの兆し」の両方を活用し魅力的なメディアになるための基盤にしていきたいと思っています。
コロナ禍などを経て「“ウエディング価値”を見失っているユーザー」が増えているというお話をしました。最近感じるのは、ユーザー層の自己肯定感の低さのようなものがその要因のひとつにもなっているのでは?ということ。
「結婚式で自分が主役になるなんて…」と最初は気後れしていらっしゃる方が多いという話は、式場クライアント様からもよくお聞きします。ただ、そんな風に思っていた方も、実際に結婚式を挙げてみると号泣してしまうほど感動されるそうです。「どれほど親や家族に愛されていたかがわかった」「心から応援してくれる人がこんなにもいる」、と。そんな素晴らしいことに気づけるのは、このタイミング(結婚式)だからこそ。
「思いをカタチにする」ことが、たくさんの人の心を幸せにしたり、よりたくさんの幸せを返してもらえることにつながりますし、ふたりの絆や相手を思う心もより特別なものになっていきます。ウエディングには何物にも変えがたい大きな意味と価値があるんです。
これからの「マイナビウエディング」は、結婚するふたりにとって”本当に価値のあるもの”を提供していけるメディアとして大きく成長していく。今回のサイトリニューアルは、そんな新たな出発点だと感じています。
片山裕美(かたやま ひろみ)
お茶の水女子大学卒業後、主婦の友社に入社し女性ファッション誌の編集に携り、『Ray』編集長、『mina』創刊編集長などを歴任。その後、幻冬舎にて『GINGER』の創刊編集長を務めるほか、”女性誌のマーケ手法をwebに生かす“という狙いで、モール型ECサイトや百貨店とのコラボレーションでwebメディアの立ち上げも多数手掛けた。2019年、ファッション系ECメディアの立ち上げに代表取締役社長兼編集長として参加。24年春よりマイナビウエディング編集長に就任。