長時間のリモートワーク、車の運転……。日々の生活で、腰には思いのほか負担がかかっています。しかし腰に違和感を覚えていても、外科手術を伴う治療や通院などのイメージがあり、なかなか受診に踏み切れない人も少なくはありません。そんな腰痛治療の不安に応えるのがILC国際腰痛クリニックです。クリニックの簑輪忠明理事長に、腰痛の原因や、負担が少ない「日帰り」治療、自分でできる腰痛対策などについて伺いました。

放っておくと危険? 腰のさまざまな疾患

――腰は、なぜ痛くなるのですか?

腰の疾患はその原因によって、いろいろな種類に分けられます。背骨と背骨の間のクッション材の役割をしている「椎間板(ついかんばん)」が変形して神経を圧迫する「椎間板ヘルニア」、腰椎のなかにある「脊柱管(せきちゅうかん)」が部分的に細くなって神経を圧迫する「脊柱管狭窄(きょうさく)症」、背骨がずれる「すべり症」、「ぎっくり腰」など多様です。

疾患の原因は、もちろん老化に伴うものもありますが、それだけではありません。生まれつきの骨格の形が影響している方や、スポーツを頑張り過ぎた方、重労働に長く従事していた方には、若くして患う方もいらっしゃいます。

椎間板ヘルニアなら10代後半から50~60代くらい、脊柱管狭窄症は中年以降の方に多く見られます。当クリニックに来られる患者さまの中には90代の方もいらっしゃいます。

――痛みが治まれば、診てもらわなくても大丈夫ですか?

たとえ一過性の腰痛やぎっくり腰などであっても、痛みがなくなったからといって放っておくと、大きな疾患の前兆になるかもしれません。ご自身の腰に何が起こっているのか知るためにも、早めに医療機関で診察を受けることが大切です。

手術しない「日帰り」治療を提供するILC国際腰痛クリニック
手術しない「日帰り」治療を提供するILC国際腰痛クリニック

45分間程度じっくり診察 最適プランを提案

――「日帰り治療」はどんな流れで進みますか?

最近の医療では、身体になるべく負担の少ない治療が注目されています。また入院期間の短縮化も進んでいます。当クリニックにおいても、負担の少ない治療にこだわって「日帰り」治療を行っています。

患者さまは、外科手術後に再発したり、病院に通ったけれどなかなか良くならなかったり、仕事や家事、介護などの事情で長い入院はできない、といった問題を抱えています。当クリニックの脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの治療は、局所麻酔で行いますので身体への負担とリスクが少なく、入院も不要です。

お電話での予約で診察日が決まりましたら、当日は医師が45分間程度、診察をします。じっくりと患者さまのお話を聞き、治療が必要な箇所や治療内容を説明します。ご自身の腰の現状を理解していただき、治療するかどうかを一緒に検討します。もちろん治療のリスクも説明したうえで、住環境やご家族の協力は得られるのかといったところまで踏み込んで、スタッフ全員で万全のチェックをしていきます。

――治療以外のケアやアドバイスも受けられますか?

治療は大事ですが、それだけに頼っていても腰は良くなりません。再発を防ぐには生活習慣も変えていく必要があります。そのため、運動療法、栄養、メンタル面などのケアを含め、腰痛の総合的な克服を目指すお手伝いをさせていただきます。

治療だけでなく、さまざまなケアも含め腰痛の総合的な克服を目指します
治療だけでなく、さまざまなケアも含め腰痛の総合的な克服を目指します

10秒立つ 私たちにもできる腰痛対策

――ふだんの暮らしでは、何に気をつけたらよいですか?

腰痛の原因は、生活習慣も大きく関係しています。例えばコロナ禍では、腰痛の悪化を訴える方が増えました。在宅ワークで通勤や外出が減ったことから運動不足になり、腰を支える筋肉が衰えて腰痛を悪化させたのではないか、とみられるケースもありました。ご高齢の方の中には、いまだに外出を控えている方もいらっしゃって、私はいつも「外出しないと腰に悪いですよ」とアドバイスをしています。

椅子に座った際、姿勢によっては腰にかなり負担がかかる場合があります。せめて1時間に一度、10秒でもいいので立ち上がって背骨を伸ばしてください。座る姿勢は骨盤を立てるようにして垂直からやや前傾気味に。腰とひざが直角になる感じがベストで、足の踏ん張りも大事です。体重を預けてだらんと座るのは、身体にはラクでも腰椎にとっては大きな負担がかかります。座る姿勢には気をつけましょう。

――腰に不安があったら、ゴルフは我慢しないといけないですか?

ゴルフなどのスポーツで腰を痛める人もいますが、趣味をやめる必要はないと思っています。やっている時は楽しいし、血流も良くなります。やめたら人生がつまらないでしょう。なるべく患者さまの楽しみを奪うことはしたくないというのが私の考えです。

日々の生活では、なるべく活動的に過ごして筋肉の衰えを防止し、食事はバランスよくとる。メンタルも大事なので、没頭できる楽しい趣味を持ち、積極的に外出して太陽の光を浴びて人と会って話す。そういった毎日の習慣が腰からくるトラブルの予防には大切だと思います。

ただ、さまざまな事情からそんな生活が不可能な方もいらっしゃると思います。すでに腰に不安がある方は、まず医療機関でご自身の腰の様子を正しく知る、そこから始めてほしいと思います。

ILC国際腰痛クリニックの簑輪忠明理事長

簑輪忠明さん
(みのわ・ただあき)

2009年、日本医科大学医学部卒業。日本医科大学付属病院、博慈会記念総合病院、江東病院などを経て2022年、ILC国際腰痛クリニック東京院長に。2024年から医療法人OJ会理事長を務める