ご両親の他界とお子さんの就職でご夫婦2人と愛犬1匹の暮らしになった武田憲一さん、佳奈子さん。より利便性の高い住まいへの引っ越しも検討していたが、自然が豊かで近隣と適度な距離がある現在の住環境がとても気に入っていたことと、祖父の代から住み続けている家をずっと大切にしていきたいという思いからリフォームを決意。大家族で広々と暮らしていた住まいをあえてコンパクトに作り替える「減築」を選択し、効率よく暮らしやすくなった住まいで愛犬モコちゃんとの生活を楽しむご夫妻を訪ねた。
3分の2に減築 古い日本家屋を快適空間に
――リフォームに踏み切った経緯を教えてください。
武田憲一さん(以下憲一さん) 築48年の古い家だったので、以前からリフォームをしたいという思いはありましたが、当時の家への両親の思い入れが強く、かないませんでした。両親が亡くなり、下の娘が就職して家を出ることになったことをきっかけに、改めて2人で考えてみようということになったんです。
武田佳奈子さん(以下佳奈子さん) もともとは古い日本家屋で、「離れ」の土間の先にある風呂場にスリッパを履いていかなければならず、冬は湯舟から出ることが出来ないくらいの極寒でした。父を介護していた時も、お風呂に入ってもらうのがとても大変だったため、この先、夫婦どちらかに介護が必要になったときのことを考えると、お風呂はリビングに近い方がいいねと話し合っていました。
――以前は延べ床で100坪ほどある2棟に分かれたお住まいでしたが、新居は65坪です。3分の2ほどの大きさになりましたね。
憲一さん はじめは、母屋をそのままに、お風呂に近い離れのリフォームを検討していました。ほかの業者にもその前提で見積もりをお願いしていたのですが、住友不動産の竹島さんだけがただ一人、離れを“減築”し、母屋をリフォームすることを提案してくれました。
竹島佳孝さん(以下竹島さん) はじめは、母屋は変えないというお考えを尊重してプランを練っていたのですが、お話を伺ううちに、その計画では、後々になって母屋のスペースがムダになりかねないのではと考えました。家の健康状態を調べる「建物調査」をしてみると、離れの状態はあまり良くなく、逆に母屋の方は土台が頑丈で、立派な大黒柱もあったため、将来のことを考えて離れを減築し、母屋の1階に居住空間の中心となるリビングを配置するのが良いのではと考え、提案させていただきました。
佳奈子さん 減築を提案されたとき、「その手があったか!」と思いました。これから夫婦で年を重ねていくことを思うと、コンパクトでシンプルな暮らしが一番かなと。減築に踏み切ったことで、両親が使っていたけれども私たちには必要のないものを手放す決心もつきました。リフォームの際に母屋に床暖房を入れたので、(愛犬の)モコも、あたたかくなったいまのリビングをとても気に入っているようです。
ご近所さんを吸い寄せる 比叡山の稜線を臨む大きな窓
――リフォームにあたり、ご夫婦で交わした会話について教えてください。
佳奈子さん 新居は今まで窓のなかった南西側に大きな窓をつけたので、リビングがとても明るくなりました。リフォーム前は日中でも電灯をつけなければいけないほど薄暗かったので、快適です。
憲一さん リフォームしてからは、我が家を訪ねてくれる人はみんな吸い寄せられるようにリビングの窓際に立つんです。そして「いい景色だね」と言ってくれます。比叡山のふもとという土地柄もあり、窓から四季折々の景色が楽しめます。春先、朝起きて窓を開けると遠くでウグイスが鳴いていることもあり、すごく心が癒されます。以前の住まいと比べると格段に日当たりも良くなり、我が家が本当に気持ちのいい空間となりました。
竹島さん 天井を高くし、そして床を低くしたことで、黒色の梁が映える、広々とした空間をつくることができました。断熱材もしっかり使っていますので、寒さが厳しいこの地域の冬でも、暖かく快適にお過ごしいただけると思います。
佳奈子さん キッチンも対面式ではなく閉じた空間だったため、料理をしていても寂しさを感じてしまうことがあったのですが、明るく、動線も良くなり、コンパクトで使いやすくなりました。一番の悩みだったお風呂場と洗面所には、幅が170センチある大きな一面鏡も取り付けて、私のお気に入りのスペースになっています。
――お子さまたち、それに新居を訪れたみなさんの反応はいかがですか。
佳奈子さん 家を出てそれぞれ一人暮らしをしている子どもたちが、年末に帰省した際に昔の友人を呼んで、みんなで鍋パーティーができたのもうれしかったですね。リフォーム前の家では、子どもたちが友人を家に呼ぶことはほとんどありませんでしたから。
憲一さん 町内には、リフォーム前の住まいと同じ形状の家で暮らしている方も多いのですが、リフォームした我が家を見て、「仏間はそのまま残っているんや」とか、広くなったリビングダイニングについて「こんなに明るくなったんや」とか、減築した土地に新たにつくったカーポートとフリースペースを見て、「ここで色々楽しめそうやな」などと、口々に感想を聞かせてくれます。
「減らす」だけではない納得のリフォーム
――リフォームを手がけたこだわり、減築という選択をして良かったと思われるのはどんなことでしょうか。
佳奈子さん 古い住まいと比べると生活動線がはるかに良くなり、面倒な移動が減りました。冬場は以前、リビングダイニングで石油ストーブ2台、ダイニングテーブルの下に電気ストーブ(セラミックファンヒーター)、更にリビングに電気こたつを使用していましたが、残した母屋にしっかりと断熱工事を行ったことで、冬もエアコン1台で快適に過ごすことができています。今では、私たち夫婦にとっても、そしてモコにとっても、健康的で快適に暮らせる空間です。電気代は、後付けしたソーラーパネルの効果もあり、以前の4分の1程度になっています。
憲一さん 建て替えでなくリフォームであっても、外観を変えることは家の印象に大きくかかかわるので、特に大切にしたいと思っていました。古民家カフェのようなイメージの外観を意識し、さらに正面側と裏側で外からの見え方が異なるようなデザインにしています。減築によりコンパクトになった我が家ですが、竹島さんに相談しながら、われわれ夫婦が納得できるデザインや住み心地を実現できるリフォームがかない、代々続く家に住み続けられることを、嬉しく思います。
「新築そっくりさん」は、住友不動産の手掛けるリフォーム事業。事業開始は1996年、累計受注棟数は17万棟※を超え、リフォームと併せて耐震・制震補強や断熱工事を実施する。築年数が経過し、機能や快適性が低下した古い家を建て替えることなく、家族の命や健康を守る快適な家にすることが可能。 ※2024年1月末現在