ミッフィーが生まれて今年で70年。「誕生70周年記念 ミッフィー展」が5月12日まで、東京都中央区の松屋銀座8階のイベントスクエアで開催されています。国内でミッフィーシリーズの絵本全32作品の原画・スケッチが一堂に会するのは、今回が初めて。ミッフィーの魅力にあらためて気づかされる体験型展示や、映像展示も見逃せません。会場を訪れたら今よりもっとミッフィーのことが好きになる、本展の見どころをご紹介します。
ミッフィーシリーズ全32作品の原画やスケッチ、国内で初公開
今や世界中で愛されているミッフィーは、オランダの絵本作家でグラフィックデザイナーのディック・ブルーナさんの手によって70年前に生まれました。
今回の展覧会では、1955年に出版された『NIJNTJE(ちいさなうさこちゃん)』(初版/日本未刊行)から、『うさこちゃんのおじいちゃんへのおくりもの』(2009年)まで、ミッフィーシリーズ全32作品の原画やスケッチが間近で見られます。中でも、『うさこちゃんおとまりにいく』(1988年)と、『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』(1996年)の原画は、今回が初来日です。
ミッフィーの絵本といえば、子どもの両手に収まる約16センチ四方のサイズで知られていますが、最初に作られたときは縦長でした。ミッフィーのフォルムも、耳先がとがっていたり、頭と体のバランスが変わっていたりと、時代ごとにちょっぴり違う。そんな各年代のミッフィーの中から、お気に入りを探すのも楽しいひとときになるはずです。会場にはミッフィーの立像も5体あり、立体でもフォルムの変遷をたどれます。
このほか、ブルーナさんの絵本づくりの一部を体験できるコーナーや、絵本の場面を通じてブルーナ・カラーに込められたメッセージを味わうことができる映像展示も。会場内ショップのミッフィーグッズはファン必見。展覧会のオリジナルグッズだけでも約500点と、目移りするほどたくさんのミッフィーに出会えます。
ミッフィーが伝える、家族・友だちとのあたたかなつながり
今回、特に豊富な資料を取りそろえて紹介しているのが、ひとりでお友だちの家に泊まる楽しい時間を描いた『うさこちゃんおとまりにいく』と、大好きなおばあちゃんの死を描いた『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』、お友だちの身体的な違いに気づいたミッフィーの勇気ある行動を描いた『うさこちゃんとたれみみくん』(2006年)の3作品です。
『うさこちゃんおとまりにいく』は、ブルーナさんのデザイン的な冒険や遊び心が詰まった一冊。読み進めていくうちにどちらがミッフィーで、どちらが友だちなのか見分けがつかなくなるのも注目ポイントです。
『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』と、『うさこちゃんとたれみみくん』は、家族や友だちとのあたたかなつながりを描いた作品。大切な家族が亡くなってしまったとき、お友だちが傷ついていることを知ったとき、どうしたらいいんだろう……。ミッフィーを通して、子どもたちの心にまっすぐに向き合おうとしたブルーナさんの思いがにじみ出ています。
「今日よりももっといいものを。もっともっとシンプルに」
今日よりももっといいものを。もっともっとシンプルに――。一つの表現にたどりつくまでにたくさんのスケッチを重ね、より良い作品づくりを目指してきたブルーナさんですが、最初から絵本作家を志していたわけではありませんでした。
今回の展示では、オランダ・ユトレヒトで生まれたブルーナさんが若き日にアーティストを目指したこと、愛する人との出会いをきっかけに家業の出版社で働くと決めたことなど、ブルーナさんの歩みも紹介。初期の絵画作品やデザイナー時代の制作物なども興味深い内容です。
展示のトリを飾るのは、当時77歳のブルーナさんが、『うさこちゃんとうみ』(1963年)をオランダ語で朗読する姿を収めた映像。こちらの公開は、2005年の「ミッフィー展」以来で、20年ぶり。優しく、ときにユーモラスに読み進めるブルーナさん。韻が踏まれた、オランダ語の原文ならではのリズムも心地よく、思わず聞き入ってしまいます。朗読の最後には、ブルーナさんからのメッセージも。ブルーナさんにとって、一番うれしいことってなんでしょうか。それは、ぜひ会場で確かめてみてください。
松下奈緒さん「子どもの謎に答えをくれる絵本。泣きそうになった」
開催を翌日に控えた4月22日、俳優でピアニストの松下奈緒さんがオープニングイベントに参加しました。幼少期からミッフィーの絵本に親しんできたという松下さん。この日は、久しぶりに作品に触れ、鮮やかなブルーナ・カラーに改めて魅了されたそうです。ブルーナさん独自の制作過程にも驚きがあったといい、「限られた色の中で、試行錯誤して緻密に1ページを仕上げている。ミッフィーの絵本にひきつけられる理由はそういうところにもあるのかな」と納得の様子でした。今回初めて出会った作品『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』は特に印象深かったそうで、「死んでしまったらどこにいっちゃうんだろうという子どもたちの謎に答えをくれる絵本。本当に泣きそうになりましたね」と振り返っていました。
フォトセッションでは全長2メートルもあるミッフィーの着ぐるみと満面の笑顔で抱き合うシーンも。「今日、何回かわいいって言ったかわからない。ミッフィーが世界中で愛されている理由がこの展示会にはつまっていますね。いくつになってもミッフィーに教えてもらえることがあるので、遊びにきてくれるとうれしいです」と来場を呼びかけていました。
あなたの街にもミッフィーが。神戸・大阪・横浜・名古屋など巡回
子どものころにミッフィーの絵本に出会って大人になった人も、今まさに夢中になっている子どもたちも、会場を訪れたらきっと絵本を読み返したくなる。「誕生70周年記念 ミッフィー展」はまさにそんな展覧会です。今年から2026年にかけて、神戸、大阪、横浜、名古屋、ほか全国を巡回予定。東京での開催は5月12日までなので、お見逃しなく。
70周年をお祝いしよう!オリジナルグッズもたくさん
会場内のショップでは、誕生70周年を記念したオリジナルグッズ約500点を含む、かわいいミッフィーグッズをご用意。ぬいぐるみやステーショナリーなど、そばに置いておくだけで、ミッフィーと一緒にいるような気分になれます。
- 会期:2025年4月23日(水)〜5月12日(月)
- 開催時間:午前11時〜午後8時
※会期中無休/5月6日(火・振)、5月11日(日)は午後7時30分、最終日は午後5時閉場。入場は閉場の30分前まで。 - 会場:松屋銀座8階イベントスクエア(東京都中央区銀座3-6-1)
- 入場料(税込み):一般 1800円、高校生 1300円、小中学生800円、未就学児は無料。
※全日程日時指定制、チケット購入方法はこちら - 主催:「誕生70周年記念 ミッフィー展」実行委員会
- 後援:オランダ王国大使館
- 企画協力:ディック・ブルーナ・ジャパン、Mercis bv
- 協賛:ミサワホーム、フェリシモ
- 協力:福音館書店、講談社
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