アマチュア女子テニス大会では最高峰と位置付けられている、「ソニー生命カップ全国レディーステニス大会」。今年も12月3~5日に開催される全国決勝大会の出場を懸けて、全国各地で熱戦が繰り広げられた。各都道府県の代表チームが出そろった今、出場する選手たち、そして本大会への協賛・支援に関する取り組みを担当するソニー生命の担当者はどのような思いを抱いているのか。昨年ベスト16入りした長野県代表チームと、ソニー生命保険株式会社 調査広報部 広報課・山口真里さんに話を聞いた。
47都道府県のチームが目指す
「テニスの聖地」
1979年から続く「ソニー生命カップ全国レディーステニス大会」は、アマチュアで満25歳以上の女性が参加するダブルスの大会だ。都道府県大会を勝ち抜いた上位3組が代表チームを結成し、団体戦トーナメント方式の全国決勝大会へと駒を進める。都道府県大会で競い合った者同士が、全国決勝大会では同じ志をもつチームメートになるのだ。
47回目を迎えた2025年、都道府県大会は6月下旬からスタート。およそ4カ月の期間を経て、決戦の舞台であり、国内有数の競技施設である「テニスの聖地」、有明テニスの森公園(東京都江東区)のコートに立つメンバーが決定した。一度、テニスから離れて再びコートに立つ、初めて全国の舞台を踏む、過去の大会で味わった悔しさを抱くなど、胸に秘める意気込みは各人各様。まずはそんな思いの丈を、長野県の代表チームに聞かせてもらった。
高校時代の挫折を乗り越え
同級生ペアでつかんだ頂点
8月末から9月にかけて開催された長野県大会には61組122名が参加。その頂点に立ったのが、高校時代の同級生という中村祐里奈さん、齋藤雪菜さんのペアだ。2人とも、テニスを始めたのは、親御さんがプレーしていたのがきっかけだった。中村さんが本格的に始めたのは小学3年生のとき、齋藤さんは5歳のときに初めてラケットを握ったという。
そんな2人が出会ったのは、高校の硬式テニス部。当時ペアは組んでいなかったが、大きなドラマがあった。「実は私、高校時代にテニスが嫌いになったんです」と、中村さんは振り返る。高校2年生のときに出場した、県大会の団体戦決勝。優勝がかかったダブルスの試合で中村さんは負けてしまったのだ。
コートの後ろで応援していた齋藤さんも、このときのことはよく覚えている。「私たちの高校は長野県の強豪で、連覇の記録がかかっていた大会でもありました。その日は雨が降る中、他校も相手チームへの応援ばかり。同じ県内なのにアウェー状態でした。試合後のミーティングで泣き崩れてしまった祐里奈(中村さん)に、自分が着ていたベンチコートを貸してあげました」
その後、大事な場面で試合に出られなかった中村さんは、「勝つためのテニス」がいやになったそう。進学した神戸の大学で、テニスは「サークルに入って、遊び半分でやるくらい」になった。そこから再びテニスに打ち込むようになったのは、他ならぬ齋藤さんの存在があったから。コロナ禍で大学が休校になった時、地元に帰った中村さんは、齋藤さんと誘い合って練習に行くようになった。そして、ペアで試合に出て、勝利を重ねていった。
「あんなに嫌いだったテニスを、今はこんなに楽しく感じられてうれしい」と話す中村さんは昨年出産し、現在、育児休業中。「家族との時間も大事ですが、テニスでは、自分が自信をもって楽しめる気持ちが味わえます。いいショットが決まるとうれしいし、高校時代に他校でテニスをしていた人たちと再会して、一緒にプレーすることもあります。テニスが仲間やコミュニティーといった縁をつなぎ、引き寄せてくれたのは素敵なこと」と感じているそう。
一方、齋藤さんにとってのテニスは「自己表現の場」。「仕事では、成果を残すというよりもサポート業務が大半で、自分の意思を出すことはほとんどないんです。でも、テニスは自分がもっている技術やペアと繰り出す技を披露できる。私は2024年に初めて全国決勝大会に出場したとき、対戦相手を応援する方から、『プレーを見てファンになった』と声をかけてもらえたんです。それを聞いて、『今までテニスをやってきてムダじゃなかった!』って思えました」
長野県No.1ペアの彼女たちはプレー中、互いに絆を感じられる瞬間があるという。中村さんは「私が後衛にいるとき、自分で決めるのが難しくても、雪菜(齋藤さん)は積極的にボレーをして相手コートに打ち返してくれたり、絶妙な位置にスマッシュを打ってくれたりするので、ペアで戦っていることを実感できます」と言葉に力を込める。
また、齋藤さんは「私が前衛でミスしても、後衛の祐里奈は『待っているからどんどん出ていいんだよ』『決めていいんだよ』と、勇気づけてくれます。彼女は、出産して間もなく復帰して、体やメンタルがきついと思うのに、私との試合や練習のために時間をつくってくれて、家族の協力もあって……。かけてくれる言葉から、そんな背景が見えるようで、後ろでプレーする彼女を見るたびにありがたいって思います」
2人の将来的な目標は、テニスを長く続けること。齋藤さんは「練習帰りに祐里奈と車に乗っていて、ゴルフをしているおじいちゃんを見かけると、うちらもああなりたいね、午前中テニスして、その後どちらかの家でお茶する、みたいな老後になりたいね、と話しています」と笑顔を見せる。
県予選ではライバルでも
全国ではひとつのチームに
今年の長野県代表チームには、中村さん・齋藤さんペアのほかに、準優勝の佐藤英里香さん・今井彩さんペアと、3位の二木いずみさん・犬飼奈々絵さんペアも籍を置く。中村さんは初出場、その他は全員、全国決勝大会の出場経験者がそろう。
かねてより憧れの選手だという臼井さやか監督とも一緒に、有明での大会に挑むことを喜ぶ佐藤さんは、全国決勝大会への出場が今回で3年連続、計9回を誇る。「県予選ではライバル同士であっても、代表決定した瞬間から監督を含め、ひとつのチームになれるのが大会の醍醐(だいご)味。2025年もチームファーストです!」と気合が入る。
今井さんも3年連続、3回目の全国出場。昨年も佐藤さんとペアを組んだ。「1年目は全国決勝大会の厳しさを知り、周りの方の本気で挑む姿に胸を打たれました。2年目は長野県からたくさんの人が応援に来ていただき、(佐藤)英里香さんと頑張ることができました。周りの方への感謝の気持ちも忘れず、大事な3年目に挑みたいと思います」
「仕事で疲れても、テニスをすれば自然と笑うことができるし、心のリズムが整う」という二木さんは、2022、2023年の全国決勝大会ともタイブレークで敗れた悔しさから、次こそ勝利をつかみたいと誓う。「勝ちたい気持ちを胸に、笑顔で攻めて楽しみながら成長する」のが自身の目標だ。
夫の転勤で2度の引っ越しを経験した犬飼さんは、新しい土地でもテニスをきっかけに家族ぐるみの付き合いをする仲間をつくることができたそう。病気で2年ほどテニスから離れた時期があったが、再びプレーできる喜びを感じることもできた。「長野県のみなさんと一緒に戦う気持ちで頑張りたい」と前を向く。
大会と選手の生きがいをサポートする
ソニー生命の思い
ソニー生命は「全国レディーステニス大会」に2002年から協賛し、各地のライフプランナーが中心となり、ボランティアとして受付や会場準備などの運営サポートをしている。たとえば、猛暑対策を目的として、一部地域で提供しているかき氷も、選手たちには大いに喜ばれているという。
こうした選手への支援活動が、「当社の経営ビジョンである『お客さまの生きがいある人生をお守りする』に一致するもの」と語るのは、ソニー生命株式会社 調査広報部 広報課の山口真里さん。
「お客さまが保険に加入していただいてからご自身の人生に寄り添い続けるのが、当社のライフプランナー。本大会でも、都道府県各地の支店に所属するライフプランナーが地元密着で行う形を大切にしています」
そしてもうひとつ、「プレーヤーズファースト」という本大会の運営方針にも、ソニー生命は大きく共感している。
「私たちは2025年、新たなコーポレートスローガンとして『生きがいを、愛そう。』を掲げました。『生きがい』と聞くと、人生の意義のように捉える方がいるかもしれません。でも、私たちが考える生きがいは、日常の中で、『良かったな』『素敵だな』と思うような、愛おしく特別な瞬間です。たとえばテニスなら、『今日はいつもよりうまく打てた』とか、『子どもが自分のプレーを応援してくれた』などといったこと。そうしたできごとを重ねて、後で振り返ると、『これが生きがいだったんだ』と、みなさんそれぞれが気付いていただけるのではないかと思います」
さらに山口さんは、アマチュア女子テニスの最高峰である本大会を観戦し、出場する選手たちが、テニスという生きがいをもつことでとても輝いていると感じている。
「年代もライフステージも異なる女性たちが、真剣にテニスをしていらっしゃる姿は、すごく素敵なんですよ。選手たちは、年齢を重ねても、仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら挑み続けている。本大会は、そんな彼女たちをライフプランナーが応援し、年に1度となる挑戦の場を提供できる舞台だと思っていますし、一人でも多くの方に本大会のことを知って、出場していただけたらうれしいです」
開催目前!
新たな挑戦の場を制するのは?
山口さんは「本大会を通じて生まれる挑戦への思いや、仲間・家族との絆は、選手の人生をより豊かにし、生きがいにつながっていくのでは」と話す。
長野県No.1ペアの中村さんと齋藤さんも、テニスが生み出した生きがいをもつ選手だ。ともに全国決勝大会の目標は「優勝」の二文字。中村さんは、「まさか、社会人になって新たに挑戦できる場所があるとは思いませんでした。自分一人だと気持ちで負けてしまいそうだけれど、昨年の試合の配信で、雪菜がポイントを取るために粘り続け、仲間のために頑張る姿を見て、彼女と一緒だったら頑張って戦えると思った」と語る。
そして、齋藤さんは、「全国決勝大会は、会場での観戦はもちろん、配信やSNSを通じて、自分のプレーで勇気や感動を届けることができます。昨年の大会で知り合った他県の選手との縁で、今年は遠征にも行きました。私たちペアがチームを引っ張っていきたいですし、いつも祐里奈や仲間たちとプレーする小さいコートと同じように、有明でも戦えたら」と意気込む。仲間との強固な絆は、長野県代表チームをさらに活躍させることだろう。
開催まであとわずかとなった全国決勝大会。各都道府県の代表選手たちは日々、練習を重ねながら、テニスの聖地・有明での勝利を目指す。
全国決勝大会は2025年12月3日(水)~5日(金)に有明テニスの森公園(東京都江東区)で開催。各都道府県代表3組による団体戦トーナメント方式。全国決勝大会の詳細は以下、公式ホームページをご覧ください。