2025年12月13日、若い世代のこれからを後押しするイベント「ライフデザインセッション~未来のモヤモヤに、ピカッと発見を~」(主催:こども家庭庁)の第2回が山形大学で開催されました。東京で行われた第1回に引き続き、タレントのpecoさんと山形大学の松坂暢浩教授が登壇。また、参加者と同じ視点でライフデザインを考える代表者として、宮本豪さんが登壇しました。参加者は、トークセッションとワークショップを通じ、自分らしさや価値観を見つめ直す時間を過ごしました。
まずは自分を知る——6つの軸で考える価値観
会場には、20代を中心に多くの若者が集まりました。松坂教授は「ライフデザインとは、将来どのように生きたいかを考え、価値観に基づいて選択を重ねていくこと。一人では見えにくいからこそ、他者の考えに触れることが大切です」と説明します。
第1部のトークセッションでまず行ったのは「価値観ワーク」。参加者は「安定・成長・貢献・人間関係・自由・評価」の6つの軸について、重視する度合いを1〜10点で自己評価し、近くの人同士で結果を共有します。
「考えたことがなかった」「点数をつけるのが難しい」と悩む声があがる一方、新たな気づきに驚く声も。会場の緊張感は徐々にほぐれ、自然と会話が広がっていきました。
行動することで見える、自分らしい幸せ
続いて、タレント・ブランドプロデューサーのpecoさんと、文房具メーカーでの営業職や地方での地域おこし協力隊を経験し、現在は地域の教育に携わる宮本さんが一般の参加者代表として登壇しました。「自分らしいライフデザインとは?」というテーマで、それぞれの価値観やこれまでの選択について語ります。
pecoさんは、価値観ワークを通して見えてきた自身の考え方について次のように話します。「私が一番大切にしているのは『人間関係』です。色々な人との出会いが今の自分につながっているので、感謝の気持ちを忘れないようにしています。人からの『評価』や『成長』はあまり気にしないタイプです。自分で自分を認めてあげることが大事だと思います」
宮本さんは、自分らしさを「おもしろいと思ったらとりあえずやってみること」だと表現します。これまでの歩みについては、「海の近くで暮らしてみたいという思いがあり、地域おこし協力隊として山口県に移住しました」と説明。さらに、「仕事を選ぶ時は、『やりたいこと』と『行きたい場所で働くこと』の2つの軸のうち、どちらかが満たされている状態を目指しています。以前は『やりたいこと』として文房具メーカーで対面営業をしていましたが、新型コロナの影響でそれが難しくなり、次は『行きたい場所で働く』ことを軸に転職を決めました」と、自身の選択の背景を語りました。
このエピソードに、pecoさんは「行動力がすごい!」と感嘆。松坂教授も「行動しなければ、自分の幸せは引き寄せられませんからね」 と話し、行動することの大切さも強調しました。
葛藤や迷いは、悪いことではない
さらに、5つのライフデザインに関するトークテーマについて、議論を交わしていきます。
「選択や挑戦に伴う葛藤」というテーマでは、pecoさんが「私はあまり深刻になりすぎず、『考えても仕方ない、次いこ!』と切り替えるタイプです。常にハッピーでいるために、完璧を目指さず、がんばり過ぎないようにしています」とコメント。
一方、「葛藤しているときは辛いですが、その経験は『人生の糧』になります」と語る宮本さん。松坂教授も「葛藤があるからこそ、新しい選択肢が生まれます。苦しいときは1人で抱え込まず、誰かに相談してほしい」と参加者を後押ししました。
総括として、pecoさんは「人生の中でネガティブになってしまったときには、『この状況だもん、泣いたって全然大丈夫!今はこれでいいんだよ』と自分の気持ちを肯定してあげることが大事だと思います」と温かいメッセージを参加者に送りました。
松坂教授も「自分を褒めることは、『癒し効果』と『促しの効果』が期待できます。前に進む原動力ですね。そうすると視野が広がって自分にとって良いものを選べるようになりますから、積極的に自分を褒めてあげてほしいです」と話し、第1部のトークセッションを振り返りました。
「もしも」の問いが映す価値観
第2部は、参加型のワークショップ。6つの「もしも」の質問に参加者がスマホで回答すると、結果がリアルタイムでスクリーンに投影される仕組みです。「多くの人に選ばれた回答が正解というわけではありません。自分の価値観を知るために、気負わず回答してください」と、松坂教授。
「もしもお金や時間を気にせず挑戦できるとしたら?」という質問には、「留学」「大学に通い直す」など「学び」に関する回答が多く集まりました。「わかる! 私も語学学校に行きたい!」とpecoさんが共感を示すと、松坂教授は「学び直しは何歳からでも遅くありません。どうすれば実現できるか、具体的に考えてみてほしいですね」と背中を押します。
その後、参加者は再び価値観ワークシートに向き合い、トークセッションとワークショップを経た「今の自分」の気持ちを書き込みました。再度行われた意見交換では、「思った以上に価値観が変わっていた」「こんなに自分について考えたのは初めて」といった声が聞かれ、短時間ながらも内面の変化が生まれている様子がうかがえました。
やりたいことは知っていることの中からしか選べない
参加者から登壇者への質問タイムも設けられました。
「育児と仕事のバランスをどうしていますか」という質問に対し、pecoさんは「仕事が忙しいとき、息子には『ごめんね』ではなく『ありがとう』と伝えています。一緒にいられない分、愛情はしっかりと伝えたくて。ベビーシッターさんに来てもらうこともあります。最初は子どもを預けることに罪悪感がありましたが、私以外の人と関わったことで、息子の成長を感じる場面もありました。人やものに頼って良いのだと思えました」と答えました。質問者は「凝り固まっていた価値観が変わりました」と、安心した表情を見せていました。
最後に松坂教授は、「価値観は柔軟で、変わっていくもの。『やりたいことがありません』という相談は多いですが、全く問題ありません。やりたいことは、知っていることの中からしか選べない。だからこそ、焦らず行動し、いろんな人やものに触れてほしい」と参加者にメッセージを送りました。
・人への感謝を大事にしていましたが、自分への感謝が足りていませんでした。「ありがとう」をもっと伝えようと思います。(20代後半・女性)
・周りの評価を気にしすぎている自分に気づけました。評価よりも自分の気持ちを大切にして、成長につなげていきたいです。(20代前半・女性)
・「価値観は柔軟に変化するもの」だと初めて知りました。二度の価値観ワークを通して、「成長」を大切にしたい気持ちが強まり、大学生の今から積極的に新しいことに挑戦したいと思うようになりました。(20代後半・男性)
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結婚したいのか。子どもが欲しいのか。ずっとバリバリ働きたいのか。どこに住みたいのか。多様な人生の在り方がある中で、自分にとっての正解を選びとるにはどうしたらいいのか。
一緒に、未来をちょっと想像してみませんか?
日時:2月28日(土)17時~19時10分(予定)
場所:キャンパスプラザ京都
(〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939)
登壇者:pecoさん、藤野敦子先生(京都産業大学 現代社会学部 現代社会学科 教授)