全国各地域の中学校、クラブチーム、プロバスケットボールクラブBリーグの下部組織から選ばれた男女各52チームが集まって、バスケットボールの中学生年代(15歳以下)の日本一を決める「京王 Jr.ウインターカップ2025-26(2025年度第6回全国U15バスケットボール選手権大会)」。今年も1月4~8日に東京都調布市の「京王アリーナTOKYO」で開催された。 京王電鉄は、スポーツを通じた子どもたちの育成と京王沿線における魅力的なまちづくりの推進を掲げ、2023年から特別協賛として大会を支えている。「スポーツを『する』だけでない『みる』『ささえる』」という大事にしている思いを実現するため、会場内で様々な取り組みを実施した。

プロから学ぶ記者の心得・取材の基本

大会期間中に実施した企画の一つが、「京王電鉄presents子ども記者体験」だ。新聞記者の仕事やスポーツを通じたまちづくり施策についての授業を受けたのち、実際に出場選手たちを取材できるという特別なプログラムだ。

抽選で選ばれた小学4年生から中学3年生の45人が参加。選手と同じようにバスケ部で頑張っている参加者だけでなく、バスケは体育の授業で教わっただけでルールもおぼつかないけれど一生懸命なプレーを観て取材できることを楽しみにしてきたなど、参加理由は様々。

②朝日新聞の記者経験者が~_京王 Jr.
朝日新聞の記者経験者が取材のコツを解説した

「世の中のあらゆる出来事を取材し、記事に書いて、多くの人に伝えるのが記者の仕事です。ただ聞いたことをそのまま文字に起こすだけでは不十分。誰が読んでも分かりやすい文章で書くことが大事です」

朝日新聞のスポーツ部で、八村塁選手や大谷翔平選手などを取材してきた記者経験者から説明を受けると、子どもたちは配られた教材に熱心にメモを取った。記者にはカメラや腕章などの七つ道具があること、遠くから質問するより近くに寄って話を聞くと心を開いてもらえることなど、取材のコツややり方を教わり、その後、コートから近い3階のスタンドに設置された観戦エリアでの試合観戦へ向かった。

子どもたちは二つのグループに分かれ、それぞれが男子の準決勝2試合を取材。小学6年生から中学3年生までのグループは、「立川ダイスU15」と「ライジングゼファー福岡U15」の対戦。小学4年生、5年生のグループは、「滋賀レイクスU15」と「京都精華学園中学校」との試合だ。

どのチームも身長180センチ台の長身選手がそろい、中には190センチ以上の選手も。体育の授業でしかバスケに触れたことがなかった中学生の女子は「同じ中学生とは思えません」。東京・世田谷区から参加した小学生の男子は「立川ダイスのかっこよさを世間に広めたいから来ました。同じ小学校で憧れだった先輩がプレーしているんです」と目を輝かせていた。子どもたちは、シュートの成功率などをリアルタイムで確認してくれる講師の話を聞きながら、気になった選手のプレーを手元のメモ用紙に書きとめつつ試合を見守った。

③スタンドから観戦する~_京王 Jr.
スタンドで観戦しながら、メモをとる子ども記者たち

緊張と興奮、選手へのインタビュー

最終の第4クオーターの途中で席を立つと、試合直後の勝利した選手たちを取材するために、コート近くに移動。どちらが勝つか分からないから、どちらが勝っても質問できるように、誰に何を聞くか質問を考えながら、取材の時を待った。そして、いよいよ試合直後の選手に近づいての「囲み取材」が始まった。

あいさつの大切さを教わっていた子どもたちは「試合、お疲れ様でした。勝利、おめでとうございます」と切り出して、1人の選手を4~6人ずつで取材した。緊張で最初の質問が出ないグループは、同行した京王電鉄の若手社員が選手に話しかけて雰囲気を和ませた。

「相手のエースにチームでどんな対策をしていましたか」と実際に記者が聞くような戦術の質問もあれば、「感動しました」と素直に感情を伝えた参加者に選手が照れ笑いする姿も。中学校でもバスケを続けたいけど自信がないという小学生記者に「大丈夫。これからも頑張って!」と、選手が励ます場面もあった。

④囲み取材で~_京王 Jr.
囲み取材で中学生の選手を取材する子ども記者たち

取材後は会議室に移動して、今度は「記者会見」に挑戦した。

試合中継で実況を担当したアナウンサーの槇嶋範彦さんと、解説を務めた国士舘大監督の松島良豪さんが取材対象だ。少人数での囲み取材との違いは、挙手して指名されなければ質問できないこと。勇気を出して「何度もすみません」と言いながら4度、質問をした小学生の男子もいた。

「解説をする中で一番大切にしていることはなんですか」という女子からの質問には、松島さんが「まずは名前を間違えないこと。もう一つは、マイナス、ネガティブなことは言わないようにしている。中学生はこれからの選手。プロと比べるとミスもおきる。でも否定は一切しない。チャレンジに対して、すごく良いことを言うようにしています。視聴者がこのスポーツが素晴らしいと思ってもらえるように意識しています」と語った。

⑤解説者への記者会見で~_京王 Jr.
解説者への記者会見で質問する子ども記者たち

鉄道会社がなぜスポーツ?

「子ども記者体験」では、キャリア教育としての職業体験だけでなく、京王電鉄がなぜ冠スポンサーになって大会を支えているかをクイズ形式で教わる「京王電鉄とスポーツを通したまちづくり」と題した30分の授業も組み込まれた。

電車やバスを運行したり、スーパー、ホテルを経営したりするだけでなく、そうした会社ならではの資産をいかした京王電鉄による「まちづくり」を紹介し、沿線地域にスポーツ活動が根付くような取り組みを実施することで、その地域に住む人々に街への愛着を持ってもらったり、スポーツを楽しむことによって人々に元気になってもらったりしていることを、子どもたちにも知ってもらうことが狙いだ。京王沿線の小中学校の一部に大会に関するポスターを掲示し、駅構内や電車内にも様々な広告を掲出することで、大会の認知度向上と全国トップレベルの大会観戦機会の提供にも努めている。

講師を務めた細田さんら、今大会に関わる京王電鉄の社員たちは「沿線価値創造部スポーツ連携担当」という部署に所属している。京王線沿線にある「味の素スタジアム」や「京王アリーナTOKYO」といった施設で開催されるスポーツイベントへの協賛や来場者に向けた企画立案などを通じ、スポーツを通じた魅力あるまちづくりに取り組んでいる。本大会が開催されたアリーナである「武蔵野の森総合スポーツプラザ」の命名権を取得して、2025年5月に「京王アリーナTOKYO」としたのもその一環となる。

また、京王電鉄は、「京王 Jr.ウインターカップ」や「SoftBank ウインターカップ」といったアマチュア大会だけでなく、国内女子トップリーグの「大樹生命 Wリーグ」でもプレーオフの冠協賛を実施するなど、沿線活性化に向けた取組を進め、サッカーJリーグのFC東京や、ラグビーリーグワンの東京サントリーサンゴリアス、東芝ブレイブルーパス東京など、京王線沿線に本拠地があるスポーツクラブに対してもファン参加型のイベント開催などで盛り上げ役を担っている。

⑥「京王電鉄とスポーツを~_京王 Jr.
「京王電鉄とスポーツを通したまちづくり」の授業の様子

スポーツを通じてまちを元気に――社員たちの思い

Jr.ウインターカップの期間中、京王電鉄はアリーナ3階に「キーワードラリーキャンペーン」のブースを設営した。記念写真を撮れるフォトブースや京王沿線の観光地である高尾山の名物をお届けする「高尾山マルシェ」ブースなど会場内の様々な場所にちりばめられた5つのキーワードを見つけて、並べ替えて完成する単語を予測するイベントに5日間で約500人が参加した。

答えは「た」「か」「お」「さ」「ん」=「高尾山」だった。イベントの企画・運営に携わった入社7年目の中田さんは「高尾山は誰でも知っている観光名所だと思っていたが、全国各地から集まる大会だから知らないお客さまもいた」。

高尾駅周辺を始めとした沿線拠点の認知度や魅力向上も、沿線価値創造部の任務の一つ。スポーツ連携担当の若手社員3人で大会を盛り上げる企画を4カ月ほど前から練る中で、京王線高尾・高尾山口駅近くで親しまれている和喫茶やパイ専門店に出展してもらい、アリーナを巡るきっかけとなるラリーを考えた。

スポーツ連携担当の若手社員たち。左から中田さん、土居さん、渡邊さん
スポーツ連携担当の若手社員たち。左から中田さん、土居さん、渡邊さん

企画の中心となった中田さんは「高尾山を含む多くの京王沿線の魅力を大会関係者に認知してもらい、別の機会でも京王線を利用して訪れてほしい」。今後も「京王電鉄」の魅力を発信し、沿線を盛り上げていきたいという。

スポーツを通じたまちづくりに強いやりがいを感じるのは、渡邊さんも同じだ。自身も日本一を目指してスポーツに打ち込んだ過去がある。今大会、表彰式で真正面から見た中学生たちの悲喜こもごもの表情が自らの経験と重なった。「選手にとってこの舞台は人生のすべてをかけた戦いでもあると思う。そのような経験をしている選手の支えになりたいし、スポーツの素晴らしさを沿線内外にもっと広めたい」

入社2年目の土居さんは、先日味の素スタジアムで実施したイベントで、自らの企画についてお客さまから直接「良いイベントですね」と声をかけられた。「同じ鉄道会社のまちづくりでも、企画の立ち上げから、お客さまの生の反応に触れるところまで、一貫して経験できることはあまりない。子ども記者体験も小規模かつ短期間での実施ではあるが、一から百まで見られる、なかなかない経験をさせてもらっている」

細田さんは京王電鉄社員として社業に勤しむかたわら、日本バスケットボール協会が認定する最上級のS級審判員の資格をもつ現役レフェリーでもある。鉄道というインフラを通じて人々の日常を支えることを大前提としつつ、暮らしをより豊かにするスポーツ支援を京王電鉄として取り組むことに意義がある、と考える。「スポーツを通した様々なイベントによって京王のファンを増やしたい。自社の利益のみならず地域社会やその未来を担う子どもたちの発展にどれだけ貢献できるのか、我々の会社としても非常に意義のある事業だと考えています」

子どもたちの未来を支える京王電鉄

⑪イベントの最後に~_京王 Jr.
イベントの最後に全員で記念撮影

京王電鉄は、同会場で3月に開催される小学生の全国大会「第 57 回マクドナルド全国ミニバスケットボール⼤会」にも初めて協賛する。2023度から協賛する高校日本一を決める「SoftBank ウインターカップ」と合わせて、小学生、中学生、高校生の年代の子どもたちの育成を支援することになる。

さらには3月から開催される女子バスケットボール国内最高峰リーグ「Wリーグ」の年間チャンピオン決定戦「京王電鉄 presents Wリーグプレーオフ2025-26」にも冠協賛する。

なぜ、京王電鉄はスポーツに関わり、様々なイベントを実施しているのか。子どもたちが受けた授業の最後のクイズと同じ問いだ。選択肢は3つ。①こどもたちに様々なことを知って欲しい②こどもたちは無限の可能性があるから③こどもたちの幸せを願っているから。だが、一つずつ選択肢を投げかけても誰も挙手しない。最後に「全部?」と講師の細田さんが聞いた。子どもたちがそろって手をあげた。

京王電鉄株式会社はスポーツの普及活動を通し、沿線地域の活性化と長期的なまちづくりに貢献して参ります。当社のスポーツ情報発信LINEはこちら