いつどこで起きてもおかしくない災害。学校で、通勤途中で、あなたならどう行動しますか――。JA共済はこの夏、過去の災害から学び、防災知識を見直す取り組みとして、二つのコンテンツを公開します。一つは、JA共済アプリ内でクイズに答えながら防災知識が学べる『防災常識アップデート』。もう一つは、国立国会図書館などに残る過去150年の災害記事をもとに、各地の災害の記憶をたどる『防災旧聞(きゅうぶん)』です。企画を担当した谷井奎太さんに、企画に込めた思いを聞きました。
地震発生!まずはガスコンロの火を消す?
まず紹介するのは、クイズを通じて防災知識をアップデートできるデジタルコンテンツ『防災常識アップデート』です。身近な生活シーンで災害が発生した時、「自分ならどう行動するか」を考えながら学べる内容になっています。この企画は、JA共済が2025年に公開した「デジタル防災訓練」に続く第2弾。前回は災害時の行動を疑似体験するコンテンツでしたが、今年は災害への備えや知識を見直すことをテーマにしています。
「防災常識アップデート」は、自宅、学校、乗り物の三つの場面で災害が起きた際、どう行動すべきかをクイズ形式で考えるデジタルコンテンツです。クイズは合計8問で構成されており、JA共済アプリをインストールし、JA共済ID登録をすれば、JA共済の契約の有無にかかわらず誰でも無料で体験できます。
例えば、自宅にいて地震が発生した場合の設問では、「まずは確実にガスコンロの火を消す?」と問いかけられます。回答項目をタップすると、「まずはキッチンから離れ、棚の転倒などのおそれがない場所でしゃがみ込み、身体の安全を確保するよう推奨されるケースが多いです」といった解説が表示されます。
かつては「まずは火を消す」が常識と広く言われていました。しかし、現在では、一定以上の揺れを検知するとガスが自動的に止まる仕組みが普及しています。そのため、大きな揺れの最中に無理に火元へ近づくのではなく、まず身の安全を確保することが重要とされています。
これこそが、コンテンツの狙いでもある「知識のアップデート」です。親世代が常識だと思っていることが、時代の変化とともに見直されている――。そんな気づきを得てもらうことが、このコンテンツの大きな目的の一つだと谷井さんは説明します。
――クイズということですが、正解や不正解、点数は表示されないのですね
そうなんです。そこに物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、災害時に取るべき行動は、揺れの大きさや周囲の状況によって変わるため、すべての場面に共通する一つの答えを示すことは難しいと考えています。そのため、このコンテンツでは単純に正解・不正解を付けるのではなく、それぞれの行動を選ぶ際の考え方を解説しています。家族の間で「以前はこう教わったよね」「今はこう考えるんだね」と話すきっかけになればと思っています。
ふるさとの記憶をたどる『防災旧聞』
現在の防災知識を見直す『防災常識アップデート』に対し、過去の災害から地域の備えを考えるのが、JA共済が今年新たに制作した『防災旧聞(きゅうぶん)』です。
国立国会図書館に残る過去の記録をもとに、47都道府県それぞれの版を制作し、各地域に関わる災害を当時の新聞記事とともに紹介しています。各都道府県で発生した災害を一つずつ取り上げ、当時の新聞記事とともに紹介しています。現代とは異なる表現や言葉遣いから、その時代の空気感に触れられるのも魅力の一つです。
谷井さんは、「自分が暮らしている場所や、ふるさとで過去にどのような災害が起きていたのかを知ることが、防災を自分ごととして考える第一歩になる」と話します。そんな思いから『防災旧聞』では、明治から昭和にかけて発生した大型災害を中心に取り上げました。企画にあたっては何度も国立国会図書館に足を運び、約150年前までさかのぼって各地の災害記録を調べたといいます。
『防災旧聞』は、A4サイズのチラシ版に加工して、全国のJAのライフアドバイザー(LA)やスマイルサポーターを通じて組合員・利用者へ配布される予定です。さらに、羽田空港や渋谷駅で開催予定のイベントでは新聞サイズの『防災旧聞』も配布し、多くの人に地域の災害の歴史に触れてもらいたいと考えています。
ふるさとの『防災旧聞』がもらえる!渋谷と羽田空港でイベント開催
――過去の災害を調べる中で印象に残った出来事はありますか?
明治三陸地震ですね。揺れはそれほど大きくなかったにもかかわらず、大津波によって甚大な被害が発生しました。災害の特徴を知り、過去の教訓を引き継ぐことの大切さをあらためて感じました。
「災害後」の支えから「災害前」の備えへ
建物更生共済の共済金などを通じて災害発生後の生活を支えてきたJA共済ですが、こうした企画を通じて災害が起きる前の「備え」にも焦点を当てています。
『防災常識アップデート』と『防災旧聞』は、その象徴ともいえる取り組みです。全国どこでも利用できるアプリと、地域ごとの災害の歴史を伝える紙媒体。デジタルとアナログ、それぞれの特長を生かしながら、防災をより身近なものとして考えてもらうことを目指しています。
こうした企画の出発点となったのが、JA共済アプリの開発や運営に携わる事務企画部の若手職員たちの問題意識でした。「災害が起きた直後は誰もが防災について考えますが、時間がたつと話題にする機会も少なくなります。そこで、防災について家族で話し合うきっかけを提供できないかと考えました」と谷井さんは振り返ります。
『防災常識アップデート』の企画は2026年 1月から検討が始まり、内容の方向性を固めるまでに時間をかけたといいます。監修には合同会社ソナエルワークス代表 備え・防災アドバイザーの高荷智也さんを迎え、内容の正確性にも配慮しました。
――企画・開発で最も苦労したことは?
防災は命に関わる大切なテーマですが、難しすぎると興味を持ってもらえません。ただ、気軽さを重視するあまり、防災を軽く扱いすぎてはいけないとも考えています。きちんと学んでいただける内容でありながら、気軽に体験できるコンテンツとして成立させる。そのバランスには最後まで悩みましたね。
この夏、家族や大切な人と防災について話してみよう
この企画は、企画当初から夏休み、とりわけお盆の時期の公開を見据えて準備を進めてきたと谷井さんは説明します。離れて暮らす家族が集まり、久しぶりに顔を合わせるタイミングだからです。
例えば、「防災常識アップデート」にある備蓄に関する設問では、以前は3日分とされることが多かった備蓄の目安も、現在では1週間程度が推奨されていることを紹介しています。
災害が起きた時、食料は足りるだろうか。家族との連絡方法は決まっているだろうか。離れて暮らす親の避難場所を知っているだろうか。『防災常識アップデート』や『防災旧聞』は、そうした防災についての会話を生み出すきっかけをつくるための取り組みでもあります。防災を特別なものとしてではなく、日常の中で考える。その入り口として活用してもらうことが期待されています。
――この夏、家族で防災について話すなら、何から始めるのがおすすめですか
まずは「避難所はどこだっけ?」「避難バッグは準備していたっけ?」という話からでも十分だと思います。スーパーに買い物に行った際に備蓄用として少し多めに食品を買い足しておくなど、普段の生活を少し見直すところから始めるのがおすすめです。また、JA共済アプリには、自宅周辺の避難所を確認できる防災マップや避難準備に必要なものをまとめている防災チェックリストなどの機能も備わっています。
谷井 奎太 (JA共済連 全国本部 事務企画部 主査)
早稲田大学卒業後、2020年にJA共済連(全国共済農業協同組合連合会)に入会。仕組開発部門を経た後、JA共済連山口県本部へ赴任し、普及部門を経験。25年に事務企画部へ着任。JA共済アプリ等のデジタルサービスの登録・利用促進施策の企画・推進に取り組んでいる。
JA共済では、『防災常識アップデート』を体験し、アンケートに回答した方を対象に、防災関連グッズが当たる「デジタル防災訓練2026キャンペーン」を実施します。
応募期間:2026年7月28日〜9月30日
応募資格:JA共済アプリで『防災常識アップデート』を体験し、アンケートに回答した方
賞品:防災関連グッズ(抽選で300名様にプレゼント) *当選は発送をもって代えさせていただきます(広告主提供)
キャンペーン詳細はコチラ
帰省シーズンに合わせて「防災旧聞」の配布イベントも実施します。自分のふるさとで過去にどんな災害が起きたのか――。ぜひ家族や親戚と紙面を見ながら話し合ってみてください。
● 渋谷駅会場
会場:渋谷駅 ちかみちイベントスペース
期間:2026年7月31日(金)正午~午後6時
2026年8月1日(土)~8月9日(日)午前10時~午後6時
●羽田空港会場
会場:羽田空港(国内線第1ターミナル)2階 出発ロビー マーケットプレイス
期間:2026年8月11日(火)~16日(日) 午前10時~午後6時
※会場・開催日時は変更となる場合があります。