健康的な日々の食事のために知っておきたいキーワード「ナトカリ比」を知っていますか? 高血圧などの生活習慣病対策には、ナトリウム(塩分)とカリウム(野菜など)のバランスが大切です。7月20日、東京都千代田区の大手町三井ホールで、佐々木健介さん、北斗晶さん、山之内すずさんと、高血圧や生活習慣病予防を研究する三浦克之教授を招いた「野菜をとろうフォーラム2026」が開催されました。

ちょっとした工夫で旬の野菜をおいしく

北斗晶さん
日々の献立に野菜を取り入れる工夫を紹介してくれた北斗晶さん。

――本日は皆さんと一緒に野菜の魅力や力についてお話ししていきたいと思います。佐々木さんと北斗さんのおうちでは、スケールの大きな家庭菜園をお持ちだそうですね。

北斗 私の実家は農家なんです。結婚してからも自分たちが食べる分くらいは作りたいねということで畑をやっています。

佐々木 ちょうど昨日枝豆の収穫が終わったところです。孫も収穫などを手伝ってくれるんですが、自分で育てたものを食べるのってうれしいんだと思います。

山之内 野菜ってスーパーに並んでいる姿しか知らないことも多いと思うんです。でも、小さい頃から育てるところや収穫するところを見られるなんて貴重な経験ですよね。食育にもつながりそうです。

三浦 素晴らしいですね。野菜作りからは、たくさんの学びがあると思います。

――若い世代の野菜好き代表として本日お越しいただいた山之内さんは、お料理がお好きだそうですね。

山之内すずさん
「今はズッキーニにハマっています!」と旬の野菜を楽しむ姿が印象的な山之内すずさん。

山之内 私は外食が続くと体調的にもメンタル的にも少し落ちてしまうところがあるので、自分の体と心の健康を守るために、食事を軸にしようと思って、野菜もなるべく食べるようにしています。

北斗 旬の野菜を食べると、おいしいし元気になりますよね。

――本日はナトカリ普及協会の代表理事、日本高血圧学会の理事で日頃から減塩や栄養バランスの重要性を発信していらっしゃる三浦先生にもお越しいただいています。先生、このトークセッションで一番伝えたいテーマは何でしょうか。

三浦 血圧の上昇を予防するためには、減塩が必要です。その方法や重要性をいろんな機会に伝えていますが、なかなか難しいところがあり、限界を感じている人が多いようです。そこで最近注目されているのがカリウムです。カリウムは野菜などに多く含まれ、摂取した塩分(ナトリウム)の排出を促す働きがあります。尿中のナトリウムとカリウムの比(ナトカリ比)が重要になってきます。

佐々木 やはり血圧は気になります。普段食事をする時には野菜を先に食べるベジファーストを実践しています。

佐々木健介さん
「家庭農園が夫婦円満の秘訣のひとつ」と語る佐々木健介さん。トークセッションの最後には“野菜ブーケ”が贈られた。

北斗 塩分のとりすぎは良くないとわかってはいますが、私たちは昔から体を動かす仕事もしていますし、畑仕事で汗をかくとどうしても塩分をとりたくなってしまいます。あと、減塩した薄味の料理はどうしても物足りないというイメージがあります。

三浦 塩味を減らすとおいしくないというイメージを持たれている方は多いですが、塩味以外のおいしさがたくさんあるのでぜひ活用してほしいですね。野菜そのものの素材の味はもちろん、だしのうま味を生かすのもいいでしょう。また、トマトケチャップやマヨネーズも塩分の少ない調味料なので減塩に活用してほしいですね。

山之内 料理の際の塩分は気にするようにしています。野菜やいろんな具材を入れて煮ると食材からうま味も出るので減塩にもつながりそうです。

三浦 カリウム以外にも野菜には食物繊維が豊富に含まれていますし、ビタミンも多いです。旬の野菜は栄養が豊富なのはもちろん、値段もリーズナブルです。野菜を食べることはいいことずくめなので、ぜひたくさんとってほしいですね。

<三浦先生の基調講演>野菜の大事さと、ナトカリ比のお話

三浦克之さん
基調講演でナトカリ比や健康的な食生活のポイントについて解説する滋賀医科大学教授の三浦克之さん。

国は1980年から全国で実施した循環器疾患基礎調査および国民健康・栄養調査の参加者を対象に追跡調査を行っています。これは「NIPPON DATA」という研究で、日本人の健康寿命や生活習慣病に影響を与える要因を明らかにすることを目指しています。

いくつか事例を紹介すると、世帯の塩分摂取量が高いほど循環器病による死亡のリスクが上昇していることがわかっています(※1)。味は親から子へ引き継がれていきますので、家族ぐるみで塩分の少ない薄味にしていくことが大切です。

野菜や果物の摂取量が少ないグループと多いグループを比較すると、摂取量の多いグループでは、循環器病による死亡リスクが20%程度下がることも確認されています(※2)。さらに、野菜と果物、魚を多くとり、食塩が少ない食事をしている人と、野菜と果物、魚が少なく、塩分が多い食事をしている人とでは、将来の循環器病による死亡リスクが約3倍も違うことがわかっています(※3)。NIPPON DATA研究班では、「食事による循環器疾患リスク予測ツール」を作成していますのでチェックしてみてください。

トークセッションでも「ナトカリ比」がキーワードとして出てきました。この数値を下げることが高血圧の予防に有効だとわかっています。数値を下げるためには、食事からの食塩を減らし、カリウムを増やすことが重要です。

カリウムを増やすには、野菜をしっかり食べることが大切です。摂取量の目標は1日350グラム。これを達成するための目安は、野菜の小鉢5皿(1皿70グラム)分程度です。果物の摂取目標は1日200グラムで目安はミカン2個分程度だと覚えておいてください(※4)。元気な明日のために、野菜をおいしく、たくさん食べてナトカリ比を上手に下げる健康的な食生活をぜひ実践してください。

※1 Shima A, et al.  Hypertens Res 2019 
※2 Okuda N, et al.  Eur J Clin Nutr 2015 
※3 Kondo K, et al. Circ J 2019 
※4 厚生労働省(日本高血圧学会)ナトカリ手帳(2021)

あなたの野菜摂取量をベジチェック®で推定!
ベジチェック

約30秒で野菜摂取量を推定できる機器「ベジチェック®」。野菜摂取レベルを0〜12.0として数値化します。今回の会場にも設置され、たくさんの方に試していただきました。ショッピングモールやスーパー、コンビニなどでの導入も増えてきています。野菜摂取への意識や健康的な食習慣への見直しに役立ててください。見かけた際はぜひチェックを。

佐々木健介さん(タレント)
1966年生まれ、福岡県出身。86年に後楽園ホールにてプロレスデビューを果たす。以降数多くのタイトルを獲得し、2014年現役を引退し現在はタレントとして活躍。10年「パートナー・オブ・ザ・イヤー」、 11年「ベストファーザー賞」、12年「イクメンオブザイヤー」など多数の受賞歴がある。

北斗晶さん(タレント)
1967年生まれ、埼玉県出身。85年に全日本女子プロレスよりデビューを果たす。2002年の現役引退後はタレントとして活躍。料理や裁縫を得意としバラエティー番組やCMで活躍するほか、ブログも日々更新し人気を博す。10年「パートナー・オブ・ザ・イヤー」、14年「ベストマザー賞」など多数の受賞歴がある。

山之内すずさん(タレント)
2001年生まれ、兵庫県出身。19年、恋愛リアリティー番組「白雪とオオカミくんには騙されない♡」でデビュー。明るく親しみやすいキャラクターで注目を集め、タレントとして活動。バラエティー番組や情報番組への出演も多く、等身大のトークやリアクションで幅広い世代から支持を得ている。SNSの総フォロワー数は100万人を超える。

三浦克之さん(滋賀医科大学医学部 教授)
1988年金沢大学医学部卒業。2009年滋賀医科大学医学部教授。13年同NCD疫学研究センター長。高血圧の発症要因に関する疫学研究や生活習慣病予防のための研究を行う。日本高血圧学会理事(減塩・栄養委員会委員長)、ナトカリ普及協会代表理事として、減塩や栄養バランスの重要性をわかりやすく発信している。