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広告特集 企画・制作 朝日新聞社メディア事業本部

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パネル討論

自然と都市の好循環を神戸から
里山 〜自然と文化の交差点 持続可能なくらしとは

自然と都市の好循環を神戸から
里山 〜自然と文化の交差点 持続可能なくらしとは

人と自然が長い時間をかけて築き上げてきた里山は、生物に恵みをもたらし、多様性も育んできました。一方で、都市化や農家の高齢化が進み、里山の荒廃が目立っています。里山が提供する森林資源を活用し、廃棄物や温暖化ガスの排出が少ない循環型経済の実践とも言える里山環境を持続可能にするための方策は? 山、都市、海が近接する神戸市の取り組みについて議論した模様をご紹介します。

プロフィール1

神戸市長

久元 喜造

1954年神戸市生まれ。76年東京大学法学部卒業。同年旧自治省入省。2013年から現職。16年には少年期を送った神戸市北区での思い出をベースにした小説「ひょうたん池物語」を出版。

プロフィール2

俳優

財前 直見

1985年俳優デビュー。数々のドラマや映画に出演し、出産を機に故郷大分に2007年移住。著書「直見工房」などで大分暮らしを発信中。24年放送の大河ドラマ「光る君へ」出演予定。

プロフィール3

NPO法人 よこはま里山研究所
(NORA)理事長

松村 正治

1999年から多摩丘陵の里山保全運動に関わり、2005年から現職。里山と関わる暮らし、里山を生かす仕事づくりを進める。地域環境の開発と保全を巡る調査研究・社会実践に力を注ぐ。

プロフィール4

東京都立大学国際センター
准教授

東京都立大学国際センター准教授

佐々木 リディア

ルーマニアの首都ブカレスト出身。ブカレスト大学卒業後、日本へ留学。東京都立大学理学博士。専門は環境地理学。日本や東欧の里山と農村の持続可能な発展、ツーリズムなどを研究。

プロフィール5

朝日新聞GLOBE+創刊編集長
ソーシャルソリューション部長

堀内 隆

1970年大阪府生まれ。朝日新聞社でデジタルメディアを活用した社会課題解決のソリューションを提供する事業の責任者。ウェブメディア「朝日新聞GLOBE+」の創刊に関わった。

都市化・高齢化で失われる豊かな里山と「生物の多様性」

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堀内本日は様々な面から里山に関わるパネリストの方々にお集まりいただきました。まずは今、里山が直面している問題についてお聞かせください。

財前私が生活拠点を置いている大分では、若者が少なく、高齢化と、イノシシやシカによる農作物への被害があることはよく聞きます。一番深刻なのは空き家問題ですね。すてきなおうちはあっても維持管理ができていないために活用できず、放置されている現状があります。

松村横浜では、アライグマやハクビシンによる食害だけでなく、それらが食べるために、カエルが減っていることも問題になっています。関東地方の雑木林では太くなったコナラが枯れてしまう事態も起きています。伐採はコストがかかるため放置され、倒木も恐れられています。

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神戸市北区の「あいな里山」公園には、茅葺き民家や棚田が保存されている

久元神戸市は港町のイメージが強いと思いますが、たくさんの里山も残されています。ただ、昔と変わらないように見えますが、実際には人の手が入らないため、林に日が差さずに暗くなり、植生に影響が出ています。空き家と耕作放棄地が増え、きれいな水が循環していたため池は管理できなくなり、よどんだ池が増えました。里山の自然環境が荒れていくと、生物の多様性も失われます。かつてあった里山の資産価値がなくなることも荒廃につながる原因になっています。

佐々木研究によれば、実は自然の生態系より、人間が手を加えた里山の生態系の方が、生物の多様性が高いことがわかっています。そこには、人と自然が入り交じって関わり合っていくという意味の「モザイク」が豊かな生物多様性を支えていたと考えられています。日本では、開発によってモザイクがなくなってきたため、生物の多様性も低くなりました。

松村横浜でも担い手不足によって里山が管理できなくなった現状はあります。1990年代ごろから行われている里山保全のボランティア活動も近年は高齢化が課題でした。そこで最近「食」を取り入れた活動を始めたところ、親子での参加も増加。また、竹林の増殖対策としての竹細工作りは、環境に関心が高い女性が積極的に参加しています。

財前里山資源を生かすという点では大分の「七島藺(しちとうい)」をご紹介します。イグサより少し硬い植物で畳表や柔道畳に重宝されてきましたが、今、七島藺でミサンガや鍋敷きなどの商品を生む活動が注目されています。

久元伝統に根ざしながら、里山からブランド化を進めていくのは、いい方策ですね。神戸市にも茅葺(かやぶ)き文化があり、茅葺きの民家数は全国トップクラスというデータもあります。今では大半はトタンで覆われ、茅がむき出しの民家は約80棟ですが、維持していくために茅を作り、若手の茅葺き職人育成にも力を注いでいます。

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神戸市北区に伝わる農村歌舞伎。里山は地域の貴重な文化遺産も支えている

SDGsの観点を取り入れ「現代の循環型社会」へ担い手を育成

堀内持続可能な暮らしと循環型経済には、佐々木さんは観光も重要だとお考えですね。

佐々木里山には景観や空気、水や食べ物など観光に生かせる資源が豊富ですし、各地方のおもてなしも観光資源になります。外国人の目には里山暮らしはとてもエキゾチックに映り、日本人との交流も大切な思い出になります。道を歩いている方にあいさつして話をすることさえも、大きなアトラクションになります。

堀内神戸市では循環型の営みを実現させる大きなプロジェクトに取り組んでいるんですね。

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久元神戸市ではSDGs(持続可能な開発目標)の観点を取り入れた「こうべ再生リン」プロジェクトに挑戦しています。下水処理場の汚泥から出るリンを肥料にし、神戸の農家がそれを使って米や野菜、果物を育てます。そして市民が食べて体外に排出され、下水処理場に戻る仕組みです。循環型社会のモデルになると期待しています。

また、SDGsの課題をさらに解決していくためには、担い手を増やす必要があります。神戸市では規制を緩和して空き家や耕作放棄地を減らし、移住者が住みやすい環境を整えていきます。また、移住希望者と空き家所有者を結ぶマッチングコーディネーターを置くなど、地域の里山を活性化したいと考えています。

堀内里山についての課題と新しい取り組みや展望が見えた討論でした。これらをヒントに、私たちが起こすべき次の行動を考えていきたいですね。

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