2017年からスタートしている、デンソーのブランド戦略のコアイメージ。制作は、社内のクリエイターが自ら手がけている。
AIや自動運転技術など
圧倒的な研究開発力でクルマ社会の未来をつくるグローバル企業
ガソリンやディーゼルだけでなく、電気や水素もエネルギーに。人がクルマを運転する時代から、AI(人工知能)などを活用した自動運転の社会に。今、クルマにはかつてない変化が起きようとしている。1949年、トヨタ自動車から独立して誕生したデンソーは、世界中のクルマメーカーに先進的な自動車技術やシステム、製品を提供するグローバルな自動車部品サプライヤーとして、これまでのクルマ社会を支えてきた。百年に一度ともいわれる激変期を迎えている自動車産業のなかで、これからデンソーはどのような役割を担うのだろう? 同社の強みと特徴を見ていこう。
総従業員数 17万人
先進的な技術やシステムを生み出す
世界屈指の自動車部品メーカー
1949年に自動車の電装品メーカーとして設立されたデンソー(当時の社名は日本電装)。同社は設立以来、製品分野を広げ、自動車の電源供給・始動システムであるパワトレインから、エンジンを制御するコンピュータなどの電子部品、燃費向上に貢献するモータなど、幅広く開発・量産するグローバルな自動車部品メーカーへと成長。自動車部品やシステムの提供を通じて、快適で便利な暮らしを世界中の人々に届けるだけでなく、環境負荷と交通事故がゼロになるクルマ社会の実現に向け取り組んでいる。
また、世界中で加速しているクルマの電動化や、ADAS/AD(高度運転支援システム・自動運転)の開発、クルマと社会をつなぐコネクティッドサービスなどの研究も積極的に推進しており、同社の描くクルマの未来像に対する関連業界からの注目度も高い。
一方で、自動車分野で培った技術を活かし、住宅向けエネルギー監視システムや空調などの生活関連機器、産業・医療用ロボットなどの産業機器分野、農業支援の分野にも力を注ぐ。2017年度からは、これまでのデンソーの製造現場で培った技術・ノウハウを活かしたFA(ファクトリー・オートメーション)を事業部として新設し、ビジネスを加速。モビリティ・非モビリティ分野の両面で先を見据え、積極的に取り組んでいることがうかがえる。
下の図は、同社の現在の事業分野や取り組みをまとめたもの。手がける領域の広さと、先進的事業の多さに驚く人も少なくないだろう。幅広い事業を手がけているということは、さまざまな環境で育ってきた多様な人材が活躍できる風土があるということ。イノベーションを起こす上で、大切な要素だといえるだろう。
未来のクルマ社会を支える モビリティ
デンソーの核となる事業は、モビリティ(自動車)関連分野だ。自動車部品やシステムを提供できる事業を幅広く展開。環境負荷と交通事故がゼロになるクルマ社会の実現を目指し、先端的な研究開発も進めている。
1. 電動化
電動車両のニーズが高まるなか、デンソーはハイブリッド車で培った主要製品の高性能化や小型化、省燃費のノウハウを、プラグインハイブリッド車、電気自動車にも活用。飛躍的な燃費性能の向上・省電力化も実現する。デンソーの電気自動車の歴史は長く、1950年の「デンソー号」にまでさかのぼる。進取の精神は今も受け継がれている。
2. 自動運転
すべての人が安心・安全に移動できるモビリティ社会を目指し、ADAS/AD(高度運転支援システム・自動運転)に注力。車両だけでなく歩行者の検知を高い信頼性で実現する画像センサとミリ波レーダは、プリウスなどの車両に搭載。2020年度にはADAS分野で売上高2,000億円を目指す。
3. コネクティッド
クルマとクルマ、クルマと社会をつなぐコネクティッド分野。ユーザー視点でのモビリティサービスの提供を視野に、ユニークな技術や新たなビジネスモデルを持つベンチャー企業などとも積極的に連携。また、運輸・旅客事業向けにコネクティッドサービス事業推進部を新設。交通事故の低減や省燃費につながる運行管理などのサービスの開発・提供を行い、今後は商用車で培った技術を、一般車も含めたモビリティサービスにつなげ、発展させていく。
インフォメーション&セーフティ事業
ADASやADを実現するために必要な「走行環境認識」「HMI(Human Machine Interface)」「情報通信」「車両運動制御」の4つの分野をデンソーはすべて保有し、総合的な開発を行っている。
電子システム事業
クルマの電動化が進む今、欠かすことができないのが、エンジン制御コンピュータなどの電子システム。デンソーは車載エレクトロニクス分野で幅広い製品群と、半導体を内製できる技術力を強みとしている。
エレクトリフィケーション事業
パワトレイン事業と深い関わりを持ち、ハイブリッド車や電気自動車の駆動、電源システムの開発・製造を担う。電動システムが急速に普及するなか、カーメーカーとの連携をこれまで以上に強めている。
パワトレイン事業
ガソリンやディーゼルエンジンの制御システムや駆動系製品の開発・製造を行う。幅広い事業領域と技術を持ち、システム視点で総合的に開発。高い技術で生産できるのを強みとしている。
アフターマーケット・サービス事業
ユーザーがクルマを手に入れてから手放すまで、いつも不安なく運転できるように支える。ニーズに合ったソリューションや製品、サービスでクルマの一生をサポート。
サーマル事業
自動車やバス用のエアコンシステムなどの冷却用製品を開発・製造。クルマの熱をマネジメントする分野はデンソーがグローバルシェアNo.1。省燃費化技術で地球環境の保全に貢献。
培った技術を活かし、新分野に取り組む インダストリー&ホーム
自動車分野で培った技術を活かして、産業機器や生活関連機器、農業支援など新たなフィールドにも進出。自動車分野だけにとどまらない積極的な取り組みがデンソーの強み。
FA事業
今後、デンソーの注力事業としてあげられているのが、FA(ファクトリー・オートメーション)。約50年間にわたる自社製ロボットの開発や外販で培った高速・高信頼という強みをFA事業で活かし、社会・産業界の生産性向上に貢献する。ちなみに、この領域でデンソーが開発した身近なものがQRコード。仕様をオープン化し、自由に使えるコードとしたことで世界に普及した。
農業支援
自動車分野の各種技術を応用し、農業支援にも乗り出している。農業支援ブランド「プロファーム」では、ハウス栽培における温度や湿度、CO2濃度、気流などを制御するシステムとソリューションを提供し、収穫量の増大につなげている。農業従事者の高齢化や耕地面積の減少という深刻な問題を解決し、日本の農業の競争力向上を目指す。
デンソーを知るキーワード Anatomische Tabellen of DENSO
日本はもちろん、世界中で広くその名を知られているデンソー。同社の強みは研究開発とモノづくり、ヒトづくりが密接に連携している点にある。では、具体的にどのようなところで強みが発揮され、今後の成長につながっていくのだろう? グローバルな自動車部品メーカー・デンソーをさまざまな角度から読み解いた。
海外トレーニー制度など人を育てる研修が充実!
一人ひとりの成長を長期目線で捉え、最大限の能力発揮を実現する。この考えこそが、新しい価値を創造し続けるデンソーの競争力の源泉。研修もそれに基づいて行われており、その一例として、20代から海外に1 ~ 2年派遣し、グローバルに働く素養を身につけてもらう制度がある。毎年約100名の若手社員が参加。ほかにも、トップレベルの海外大学院でのMBA取得制度や博士号取得制度もある。
世界200社で17万人が活躍するグローバル企業
世界で200社のグループ会社を擁し、17万人以上が活躍するデンソー。35の国と地域で事業を展開し、連結売上収益は5兆1,083億円。各地のニーズをくみ取りながら、エンドユーザーが求める技術や製品を世界中に届けている同社だけに、働く人の活躍の舞台も世界中に広がっている。海外勤務の社員も多く、2016年時点で1,501人。グローバルに活躍できる環境が整っている。
ダイバーシティを推進しよりよい未来を実現
多彩な個性を持った人材が支え合い、それぞれの力を最大限発揮できれば、より多くのイノベーションが生まれる――この考えのもと、デンソーではダイバーシティを推進する専任組織を設置。女性の活躍はもちろん、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れている。こうした取り組みは0.45%という離職率の低さにも現れている。2016年には経済産業省による「新・ダイバーシティ経営企業100選」にも選定された。
技能五輪で活躍!アイデアを形にする高度技能者
デンソーは、世界レベルで技能を競い合う技能五輪国際大会に40年以上出場し、これまでに63個のメダルを獲得している。2017年10月にアラブ首長国連邦・アブダビで開催された第44回大会には、デンソーグループとして日本、タイ、インドネシア、ベトナム、メキシコから過去最多となる8職種17名の選手を派遣。金メダルと銅メダルを獲得した。革新的な技術アイデアを形(製品)にする、高度な熟練技能を持った人材が長期間にわたって技を磨き続けている証だ。
自動運転技術で新たなモビリティ社会を実現
今後、到来する高度運転支援・自動運転時代に欠かせないのが、デンソーの先端技術。同社では「周りを見る」「先を読む」「人とつながる」「社会とつながる」「もしもに備える」の5つを、自動運転を支える重要な機能と位置づけている。その上で、周りを見るための多様なセンサをはじめ、先の道路状況を読むためのシステム、眠気などドライバーの状態を見守るシステム、スマートフォンなどと連携するシステム、高度な情報セキュリティシステムなど、自動運転技術の開発を進めている。2015年には世界で初めてITS Connect※対応車載器「V2X車載器」を開発するなど、交通事故のない、新たなモビリティ社会の実現に貢献している。
※ ITS専用周波数(760MHz)による路車間・車車間通信を活用した協調型運転支援システム
人のために考え、人を支えるデンソーのAI
交通事故のない社会や、誰もが自由に移動を楽しめる社会を実現するために、今後、大きな役割を担うのがAI(人工知能)だ。デンソーでは、1991年からAI技術を用いた音声認識の研究に着手し、1997年からは人間の脳のような高度な処理を可能にするニューロコンピューティングの研究も開始するなど、早期から取り組んでおり、寄せられる期待も大きい。
特許38,000件。アイデアが生まれやすい企業風土
部門や役職の壁を越え、意見を出し合う風通しの良い風土を大切にするデンソー。それを裏付けるのが、世界で38,000件にも上る特許取得数で、自動車業界では有数。世界初へのこだわりも強い。ディーゼルエンジンの性能を飛躍的に向上させた「コモンレールシステム」や、夜間に歩行者を検知する「ナイトビュー」、メーカーや車種を超えて搭載できるカーエアコン「COA HVAC」など、多数の世界初の製品がある。
年間4,000億円超。業界有数の研究開発費
自動運転やAIの活用など、最先端技術が投入される自動車業界だが、デンソーの研究開発費の多さは業界有数。なんと連結売上収益の約9%(2017年度は約4,474億円)を研究開発に投じ、日本、アメリカ、ドイツなど世界7拠点のテクニカルセンターで、カーメーカー、研究機関、大学など社内外の枠を超えて連携している。
F-IoTでモノづくりを進化させる
デンソーの技術を集約したさまざまな製品を生産するのが、世界60か国、130の工場。同社では、F-IoT(Factory IoT)という考えのもと、IoTでつながった情報が人の創造性を刺激し、個性豊かな新しい価値を生み出していく工場を目指し、コア技術の開発を進めている。2020年までにはすべての工場で実装し、世界全体で生産性を2015年比で30%高める目標を掲げる。
仕事の魅力とは?
先輩社員の働き方
丸田 峻也 さん(開発(IoT))
すべての人の「移動したい」に技術で応えたい
安心・安全で快適なモビリティ社会の実現に向け、IoTを活用した新しいサービスの開発を行っています。なかでも、将来のサービスを実現するために必要となる、クラウド技術やAIといった、最新技術を用いたサービス技術の開発に注力しています。
この領域の魅力は、世の中にまだ存在しない新しいサービスや技術を考え、実現できるところです。自動運転を活用したサービスなど、今後、人々のライフスタイルを大きく変えるような業務に携われるのは、モチベーションにつながります。
また、プロジェクトには大学やスタートアップ、大手ITベンダーなど、異業種を含む多くの人々が参加しており、一緒に仕事ができることにも面白さを感じています。この数年間で、エンジニアとしての知識・技術力はもちろん、関係者を取りまとめてプロジェクトを遂行する能力も成長できたと感じます。
デンソーのよさは、常に前向きに技術を学ぶ社員が多く、切磋琢磨して成長できるところ。また、ワークライフバランスも整っており、有休も自分の業務状況に合わせて取得できるので、長期休暇を含め、年に3 ~ 4回海外旅行をする年もあります。
これからの夢は、すべての人の「移動したい」というニーズに、技術の側面から貢献し、より安心・安全で快適なモビリティ社会を実現すること。過疎地で移動手段がなくて困っているお年寄りや、クルマや運転免許を持っていない世界中の人たちの役に立ちたいです。
AI応用研究室
丸田 峻也 さん
1990年富山県生まれ。情報文化学部卒業。2015年に入社し、同年9月、基礎研究所(現:先端技術研究所)先端研究部社会科学研究室に配属される。2016年10月より、AI研究部AI応用研究室に所属。
谷 英衣 さん(営業)
made in Japanの誇りを持って働ける場所
私が取り組んでいるのは、車両メーカーが開発する新型車向けに、デンソーの製品をより多く搭載していただけるよう戦略を立案し、拡販活動することです。
営業という仕事は、「お客様の声や想いを社内に代弁できる唯一の存在」。例えば、お客様とデンソーでは立場の違いから、しばしば利害が一致せず議論が難航します。そんな時に立ち返るのは、「お客様にとって何がベストか?」ということ。自社の利益のみを優先した考えについてはもちろん改めますが、長期的な視点でお客様にとってベストである案については、簡単には受理されなくても、粘り強く提案します。そうして、「あの時、あの提案をしてくれてありがとう」と言われた時には、それまでの苦労も吹き飛びます。
私は、幼少期をベトナムで過ごしたこともあり、made in Japanのブランド力に昔から誇りを持っていました。そうした背景もあり、グローバルに展開しており、世界に大きな影響力を持つデンソーのことを知り、入社しました。デンソーは、年次に関係なく、些細なことでも耳を傾けて下さる方ばかりで、とても風通しの良い職場。自分の目標についても面談などを通じ、客観的な意見を得られ、自己成長につなげられるのも魅力です。
今後は営業として「谷さんに任せれば大丈夫」と安心されるような実力を身につけたいです。将来的には、デンソーがより「海外人材が働きたい日系企業」になれるような仕掛けづくりをしたいと思っています。
第4営業室 営業2課
谷 英衣 さん
1992年愛知県生まれ。法学部卒業。2015年に入社し、研修後、現在所属する東京第1営業部第4営業室営業2課に配属。休日にはヨガ、読書、料理、友人と過ごしたりと充実した日々を過ごしている。
意見を尊重し「出る杭を打たない」
多様化する時代。大切なのは「一歩踏み込んだコミュニケーション」
世界中の自動車メーカーに対し、高品質かつ高機能なシステム・部品を提供するデンソー。時代をけん引するグローバル企業が求める人材像について、人事部の三森大悟さんに聞た。
人事部 人員計画・採用室 採用1課
三森大悟さん
1986年埼玉県生まれ。法学部卒業。2009年に入社し、トヨタ自動車向け営業を経て人事部。2018年4月より、人員計画・採用室に所属。
──デンソーで働く魅力とは?
一握りの人間がスポットライトを浴びるのではなく、一人ひとりが「活躍している!」と実感できる一体感です。世界に17万人いる社員が刺激し合い、相互に能力を引き出し、活かされる社風が、デンソーの一番の魅力だと思います。また、自動車産業は大変革期を迎え、近い将来、車が社会とつながる〝インフラ〟となり、さまざまなサービスを提供する時代がやってきます。製品開発に求められる内容も変化しており、これまでは自動車産業と直結しなかった分野からも広く人材を受け入れ、新しいことにチャレンジする環境づくりが進んでいます。
──求める人材像を教えてください。
自ら学び、自ら考え、新たな価値の実現に向け挑戦し続けていく人材です。具体的に期待するのは、「志を貫く力」「考え抜く力」「周囲に働きかける力」という三つの能力です。どのような目標を持ち、どのような姿勢で取り組み、仲間とともに夢を実現していくか。あらゆる部署・立場で、集団の中で個を活かすチームワークや、「なぜ」という目的意識が重視されます。
──人材像や求める能力として「一歩踏み込んだコミュニケーション」という表現を使われています。その内容とは?
BtoBのビジネスは、顧客との深い信頼関係の上に成立します。営業と営業、工場と工場、技術と技術など、階層ごとに顧客とつながっており、単に「伝える」のではなく、しっかりと「伝わる」ことが重要です。相手の立場や要求を理解し、相手をモチベートできる総合力を示すのが「一歩踏み込んだコミュニケーション」です。社内のダイバーシティが進み、グローバル企業として外国籍従業員と仕事をする機会も多いため、常に「Face to Face」の関係を重視しています。
──女性社員の採用も増えているそうですね。
2014年にダイバーシティ推進室を立ち上げ、新卒採用では事務系総合職で40%以上、技術系総合職で15%以上という目標を立てました。今の時代、自動車を運転するドライバーの半数は女性ですから、その気持ちを理解できる女性社員が多くなれば、自ずと社会や消費者の価値観に近いサービスを届けることができます。2019年卒採用からは専門性に光を当てたコース別採用を導入し、さらに多様性の推進を図っていきます。
──就活生にメッセージをいただけますか。
デンソーは「世界初」や「デファクトスタンダード」を作るために挑戦を続ける会社です。近年はIoTや農業など新たな領域の研究開発にも取り組み、さまざまな技術テーマを追究することができます。前例のないことへのチャレンジには数多くの困難が待ち構えていますが、意見を言うことを善しとする文化があり、出る杭が打たれることもありません。だからこそ一人ひとりが個性を発揮できます。企業の価値観を知るためには、実際に働いている社員に会うことが近道。一人でも多くの〝先輩〟に会って、自分が本当に頑張りたいと思える場所を見つけてください。
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