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相続手続き

最終更新日:2025.06.30

続登記の費用はいくら?
司法書士に依頼する相場や
低く抑えるポイントを解説!

相続登記の費用はいくら?司法書士に依頼する相場や低く抑えるポイントを解説!

このコンテンツでわかること

  • ■ 相続登記でかかる費用の内訳
  • ■ 相続登記の費用を低く抑えるポイント

不動産を相続した際には、3年以内に法務局で登記の手続きをする必要があります。しかし、普段なじみのない手続きだけに、かかる費用について不安を感じる方は少なくありません。

そこで今回は、相続登記にかかる費用の内訳や相場について解説します。

2024年4月1日から相続登記は義務化されています。所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしないと10万円以下の過料の対象となります。不必要な出費を負わなくてすむように、相続登記は期限内に済ませましょう。

なお、相続登記の義務化について、詳しくは下記のコンテンツをご参照ください。

相続登記とは?手続きの流れや義務化による変更点、かかる費用を解説

相続登記でかかる三つの費用

相続登記の手続きを進めるにあたって、主に以下の三つの費用がかかります。

  1. 登録免許税
  2. 必要書類の取得費用
  3. 司法書士への報酬

また、このほかに「法務局への交通費や郵送費」なども必要になる場合があります。

以下では、それぞれの費用について詳しく見ていきます。

費用1. 登録免許税

登録免許税は「不動産の名義変更」などの登記手続きをする際に、国に納める税金です。相続登記の場合の税率は「0.4%」で、税額は下記のように計算できます。

  • 計算式

  • 登録免許税額 = 不動産の価額 × 税率 0.4%

この計算のもとになる「不動産の価額」は、原則として「固定資産税評価額」を用います(ただし、固定資産税評価額が定められていない不動産の場合は、法務局の登記官が認定した価額が基準となる)。

固定資産税評価額は、不動産の所有者に毎年送られてくる「固定資産税課税明細書」で確認できます。

もし課税明細書が見当たらない場合は、不動産の所在地を管轄する市区町村役場で「固定資産評価証明書」を取得することで確認が可能です。

算出された税額のうち、100円未満の端数は切り捨てます。また、計算結果が1,000円未満になった場合、税額は「1,000円」になります。

なお、遺言によって法定相続人以外の人へ不動産を渡す「遺贈」の場合、登録免許税の税率は「2.0%」と高くなるためご注意ください。

相続登記でかかる登録免許税の計算方法・納付方法【免除されるケースは?】
遺贈と相続の違いとは?手続きや税金などの異なる点5つ

費用2. 必要書類の取得費用

相続登記の申請には、被相続人(亡くなった人)や相続人の関係を証明する書類、不動産に関する書類など、多くの書類が必要です。これらの書類を役所などで取得する際には、それぞれ手数料がかかります。

主な必要書類と取得費用の目安は以下のとおりです。

書類の種類 取得できる場所 費用の目安
(1通あたり)
被相続人の出生から死亡までの連続するすべての戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍 本籍地の市区町村役場* 450円~750円
被相続人の住民票の除票(ふひょう)(または戸籍の附票) 最後の住所地(または本籍地)の役場 300円程度
法定相続人全員の戸籍謄本(または抄本) 各相続人の本籍地の市区町村役場 450円
法定相続人全員の印鑑証明書 各相続人の住所地の市区町村役場 200円~300円程度
固定資産評価証明書 不動産の所在地の市区町村役場 300円~400円程度
不動産を取得する相続人の住民票 住所地の市区町村役場 300円程度

* 2024年3月1日から新たに始まった戸籍証明書等の広域交付制度により、本籍地以外の市区町村役場の窓口でも取得可能

必要となる書類の種類や枚数は、相続人の数や関係性、遺言書の有無などによって異なりますが、一般的には合計で「数千円から2万円程度」になることが多いです。

費用3. 司法書士への報酬

相続登記の手続きは専門的な知識が必要となるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

司法書士に依頼した場合、上記の登録免許税や書類の取得費に加えて「司法書士への報酬」が発生します。

司法書士の報酬は、事務所によって料金体系が異なりますが、一般的な相続登記の場合、「5万円~15万円程度」が相場です。

ただし、以下のような要因によって報酬額は変動します。

要因 概要
不動産の数や評価額 不動産の数が多かったり、評価額が高額だったりすると、報酬も高くなる傾向がある
相続人の数 相続人の数が多いほど、戸籍収集や連絡調整の手間が増えるため、報酬が加算されることがある
依頼する業務範囲 遺産分割協議書の作成なども併せて依頼する場合は、報酬が高くなる

相続手続きの費用は4,000円以上!専門家に依頼する報酬相場はいくら?

【その他】交通費・郵送費などの実費

ここまで紹介した以外にも、法務局へ登記申請に行くための交通費や、遠方の役所から書類を取り寄せるための郵送費などが実費としてかかります。

司法書士に依頼した場合も、これらの実費を別途請求されることが一般的です。

【具体例】相続登記にかかる費用のシミュレーション

実際に司法書士へ相続登記を依頼すると、費用はどのくらいかかるのか、ここでは次のケースでシミュレーションします。

  • 相続人:配偶者と子供1人の計2人

  • 対象の不動産:自宅の土地・建物

  • 固定資産税評価額:土地1,500万円、建物500万円(計2,000万円)

  • 遺産分割協議の結果、配偶者がこの不動産を相続することになった

  • 司法書士に戸籍収集、遺産分割協議書の作成、登記申請を依頼する

このケースにおける、費用の具体例は下記のとおりです。

費目 費用の目安 概要
登録免許税 8万円 計算式は「2,000万円 × 0.4%」
必要書類の取得費 約1万円 戸籍謄本、住民票、評価証明書、印鑑証明書などを取得することを想定
司法書士報酬 約11万円 戸籍収集、遺産分割協議書の作成、登記申請を依頼した際の一般的な報酬目安

これらの費用を合計すると「約20万円」になります。

ただし、この金額はあくまで一例です。 実際の費用は、不動産の数や評価額、相続人の数などによって変動します。

そこで、正確な費用を知りたい場合は、司法書士に個別に見積もりを依頼することをおすすめします。

なお、上記のケースをご自身ですべて手続きする場合、司法書士報酬(約11万円)はかかりません。そのため、登記に要する費用は「約9万円」(登録免許税+書類の取得費)に抑えられます。

ただし、戸籍収集や遺産分割協議書の作成、法務局での手続きには、多くの手間と時間がかかることは覚悟しなければなりません。

相続登記の費用を低く抑える三つのポイント

ここでは、相続登記の費用を低く抑えるためのポイントとして、以下の三つを紹介します。

  1. 自分で登記手続きをする
  2. 複数の司法書士から見積もりを取る
  3. 登録免許税の免税措置が使えないか確認する

ポイント1. 自分で登記手続きをする

もっとも費用を抑える方法は、司法書士に依頼せず、ご自身で相続登記の手続きをすることです。これにより、司法書士報酬(数万円~十数万円)を節約できます

ただし、ご自身で手続きをする場合は、以下の点を理解しておく必要があります。

注意点 概要
時間と手間がかかる ・戸籍謄本などの収集、登記申請書の作成、法務局への申請などに時間と労力がかかる
・平日に役所や法務局へ行く時間を確保しなければならない
専門知識が必要 ・登記手続きは専門性が高く、法律や不動産の知識が求められる場面がある
・書類の不備や記載ミスがあると、再提出になる

これらの点を踏まえて、ご自身で手続きするか、司法書士に依頼するかを慎重に検討してください。

ポイント2. 複数の司法書士から見積もりを取る

司法書士に依頼する場合でも、費用を抑えるための工夫はできます。その方法の一つが、「複数の司法書士事務所から見積もりを取ること(相見積もり)」です。

司法書士の報酬は、事務所によって異なります。そこで、複数の事務所に見積もりを依頼し、料金体系やサービス内容を比較検討することで、ご自身の予算や希望に合った司法書士を見つけやすくなります。

候補のなかから、依頼する司法書士を選ぶ際の一般的な流れは、下記のとおりです。

ステップ 概要
無料面談に行く ・多くの司法書士事務所では、初回の面談を無料で実施している
・まずは無料面談を利用して、手続きの流れや費用について質問し、事務所の雰囲気や担当者の対応を確認する
見積もりをもらう ・見積もりをもらったら、報酬だけではなく、登録免許税や書類取得費などの実費がどのように含まれているか、追加費用が発生する可能性はないかなど、内訳を細かく確認する
・「一式〇〇円」という見積もりではなく、詳細な内訳を示してくれる事務所のほうが、後々のトラブルを防ぎやすい
司法書士を選ぶ ・単に費用だけではなく、説明が丁寧でわかりやすいか、相続案件の実績が豊富かなども重要な判断基準になる
・ホームページで事務所の専門性や実績を確認したり、口コミを参考にしたりして、安心して任せられる司法書士を選ぶ

ポイント3. 登録免許税の免税措置が使えないか確認する

登録免許税は、一定の要件を満たす場合には免税(非課税)となる特例措置があります。特例措置を適用できれば、数万円単位で費用を抑えることが可能です。

具体的には、2027年3月31日まで、下記のケースで登録免許税の免税措置を受けられます。

ケース 概要
相続により土地を取得した人が、相続登記をしないで死亡した場合 土地を引き継いだ相続人が相続登記をしないまま亡くなった場合に、その亡くなった相続人名義への登記にかかる登録免許税は免税となる
不動産の価額が100万円以下の土地 相続(相続人に対する遺贈を含む)により取得した土地のうち、価額が100万円以下のものについては、登録免許税が免除される

これらの状況に該当する可能性がある場合は、法務局や司法書士に確認してみることをおすすめします。

相続登記の費用に関するよくある質問

最後に、相続登記の費用に関してよくある質問にお答えします。

Q1. 相続登記の費用は誰が負担する?

相続登記の費用は、相続によって不動産を取得する人が負担するケースがほとんどです。

共有や換価分割の場合、登記にかかる費用を持ち分で案分します。

代償分割の場合、不動産を取得する人が費用を負担しますが、負担があまりにも大きくなる場合には、代償金を受け取る人も一部負担することもあり得るでしょう。

いずれにしても、後々のトラブルを避けるために、費用負担については相続人同士で事前に話し合っておくことが重要です。

Q2. 相続登記の費用は、所得税の計算において経費にできる?

相続登記にかかった費用は、不動産所得や譲渡所得の申告において、次のように扱います。

ケース 相続登記にかかった費用の扱い
相続した不動産から家賃収入を得ている 相続した不動産から家賃収入などの不動産所得を得ているような事業用不動産の場合、その年の所得を計算するうえで、相続登記にかかった登録免許税、司法書士報酬、書類の取得費用を「必要経費」として計上する
相続した不動産を売却した 非事業用の相続した不動産を後に売却した場合、売却益(譲渡所得)を計算するうえで、相続登記にかかった登録免許税、司法書士報酬、書類の取得費用を不動産の「取得費」に含める

以上の取り扱いにより、将来の所得税の負担を軽減できるため、領収書などはしっかりと保存しておきましょう。

Q3. 相続税の計算で、相続登記の費用は控除対象になる?

相続税を計算する際には、被相続人の借入金や未払金などを遺産総額から差し引く「債務控除」という制度があります。

しかし、相続登記にかかる費用(登録免許税、司法書士報酬など)は、相続人が負担すべき費用であり、被相続人の債務ではないため、相続税の債務控除の対象にはなりません

【相続税計算】相続財産から債務控除できるもの・できないもの

相続登記は費用だけではなく手間や時間もかかる!

今回は、相続登記にかかる費用の内訳や相場、低く抑えるためのポイントを解説しました。

相続登記をするうえで忘れてはならないのが、手続きには費用に加えて「手間」と「時間」もかかるということです。

相続人を確定するための戸籍謄本の収集は、思いのほか枚数が多くなったり、古い戸籍の解読が必要になったりすることがあります。

また、法務局に提出する登記申請書や、遺産分割協議書などの書類作成には、専門的な知識が求められます。さらに、書類提出のために「平日」に法務局へ足を運ばなければなりません。

以上のことを踏まえ、「時間や手間をかけずに、確実に手続きを完了させたい」とお考えの場合は、司法書士へ依頼することが有効な選択肢となります。

初回の面談を無料にしている事務所もありますので、まずは「自分の場合は費用がどれほどかかりそうか」を相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

司法書士 田中 千尋
  • この記事の監修者

  • 司法書士 田中 千尋

VSG司法書士法人
代表 司法書士

昭和62年生まれ、香川県出身。
相続登記や民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

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