
【第6回】FX(外国為替証拠金取引)の賢い利用法
FX(外国為替証拠金取引)は、少額の証拠金を差し入れることで、その何倍もの外貨を取引できます。
たとえば、1米ドル=100円とすると、1万米ドルを取引するには100万円必要ですが、これが5万円程度の証拠金で取引できるのです(※)。
※証拠金の25倍までの金額を取引できる(「レバレッジ」と言います。)
この場合、仮に1円円安となれば、(1万米ドルの取引なので)1万円の為替差益を得るわけです。
5万円の証拠金に対して1万円の利益ですから、これはかなり効率的ですね。そうです、この「資金効率の良さ」こそ、FXの大きなメリットなのです。
FXはハイリスク
ただ、鋭い方はお気づきだと思いますが、1円円高になれば、1万円の為替差損が発生します。
為替は、わずかな期間で5円程度動くことも珍しくなく、その場合、5万円の証拠金は吹っ飛んでしまうのです。
もっとも、実際には、証拠金が一定水準を下回った段階で、(証拠金が吹っ飛んでしまう前に)強制決済されます。しかし、急激な為替変動があった場合には、強制決済が間に合わずに、証拠金は吹っ飛び、証拠金を上回る金額の損失が発生するケースもあり得るのです。
そうです。FXとは、非常にハイリスクな取引なのです。
取引額ベースで把握して、そのリスクの大きさをしっかり認識していればいいのですが、実際にはどうしても証拠金ベースで捉えてしまうものです。実際に差し入れているのは、証拠金の額なのですから。その認識の差(証拠金額と取引額との差)が、怖いのです。
なお、FXでは、スワップポイント(金利差)が取引額に対して付与されます。
現在だと、円を売って米ドルを買った場合、1万米ドルで1日60円程度(金額は業者によって異なる)のスワップポイントがつきます。
これは年間2万円程度(1日60円×365日)なので、5万円の証拠金に対しては、なんと年率40%です。金利目的においても、FXとは恐ろしく効率的なのです。
FXの賢い利用法とは?
そんな資金効率のあまりの良さから、FXではついつい取引額を大きく膨らませてしまう(気づかないうちに、身の丈以上の大きなリスクを取ってしまう)傾向にあります。
たとえば、証拠金5万円に対して1万米ドル分(100万円分)の取引をしていれば、それはレバレッジ20倍(100万円÷5万円)となります。このレバレッジが大きいほど資金効率は良くなりますが、大きなリスクを取っているわけですね。
そんな状況で(レバレッジを高くし過ぎている状況で)、急激な円高に巻き込まれ、アッという間に強制決済されてしまう……。それがFXで失敗する典型例なのです。
そこで提案したいのが、「レバレッジ1倍」法です。
この方法では、差し入れた証拠金額と同額までしか取引をしません。なので、証拠金ベースで捉えていても、それが取引額でもあるので、まったく問題ないわけですね。実際の証拠金額分しか取引していないので、過度なリスクは負っていないわけです。
この方法のポイントは、取引額を膨らませてしまいたい気持ちを、グッとこらえること。そのこらえるコツは、FXのメリットに注目することです。
この方法だと、FXのメリットである「資金効率の良さ」は捨てることになります。しかし、FXのメリットはそれだけではありません。FXには他にも多くのメリットがあり、「レバレッジ1倍」法でも、それらのメリットは損なわれることはないのです。
FXの「いいとこどり」
「資金効率の良さ」以外のFXのメリットの一つが、「手数料の安さ」です。
たとえば大手銀行の外貨預金だと、為替手数料は1米ドルあたり1円程度。それがFXだと、スプレッド(買値と売値との差、為替手数料に該当する)は1銭以下(0.01円以下)が主流となっています。桁違いに安いのです。
また、他の外貨建て商品に比べ、その金利水準(FXではスワップポイント)は高めとなっています。なので、金利目的での長期保有を考えているのであれば、これは非常に大きなメリットなのです。
さらには、24時間取引できるなど(土日祝除く)、利便性が高いことも大きなメリットでしょう。
しかもFXでは、実に様々な注文方法(※)が可能となっており、最近では、多くの自動売買ツールもあります。
※詳細は省きますが、株式取引でも定番の「成り行き」・「指し値」・「逆指し値」以外にも、「IFD注文」「OCO注文」「トレール注文」など
この「レバレッジ1倍」法は、FXのリスクを避けつつ、FXの「いいとこどり」ができる、賢い活用法とも言えるでしょう。
FXは危ない……と思っている人は少なくありませんが、そんな人にこそ、ぜひとも紹介したい方法です。
また、外貨預金や外貨建て個人年金保険など、外貨取引に関心がある人なら選択肢の一つとして、一考の余地は十分にありますね。
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