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SNSプラットフォームの
安全・安心に関する現状と課題
TikTokを運営するByteDance株式会社は、今日のSNSプラットフォームにおける様々な課題に対応する取り組みに力を入れている。3月に都内で、ネット教育アナリスト尾花紀子氏を招き、同社 山口琢也 執行役員 公共政策本部長と語り合うトークセッションや、TikTokの未成年者の安全・安心に関する対策の紹介が行われた「TikTok Japan Safety Update Round Table」の模様をお伝えする。
トークセッションで語り合う尾花紀子氏(左)とByteDance株式会社 山口琢也 執行役員 公共政策本部長(右)。感染症対策のためマスク着用で行われた。トークセッション
安全機能などを広く知ってもらう取り組みが大切になってきます
みんなで家庭や学校の環境を良くしていく風を起こそう
山口 コロナ禍において、オンライン授業やオンライン面接など、インターネットを介した「新しい日常」が急速に進んできている中、青少年を取り巻く環境にどのような変化があるのでしょうか?
尾花 1人1台の端末環境を謳う「GIGAスクール構想」が実現に向かう中、地域や学校の状況によって対応にばらつきがあるのが現状です。例えば端末の家での利用ひとつとっても「家に持ち帰らせない」「学校が設定をして、家では操作できないようにする」「学校と保護者が協力して家で使える設定を決める」などバラバラです。また、自分のスマホは時間制限がかかっているからと、学校から持ち帰った端末で動画を見続けている子どももいます。保護者もデジタル機器は分からないからそのままにしておく。すると、子どもがネット上で被害に遭ったり、依存症になったりということが起こってきます。大人はそういった状況に意識を変えて対応することを怠ってはいけません。事業者、教育関係者、関係省庁などが協力して、みんなで家庭や学校の環境を良くしていく風を起こさないと、この先、5Gが普及した時に子どもたちが被害に遭ってしまうケースが増えてくるのではないでしょうか。
山口 今の時代、デジタル機器は学校からも配られていて、常に使うものという前提で考えていかなくてはいけないですよね。その中で、どういった管理の仕方が必要か、親の知識も含め、啓発活動も大切になってくるのではと思います。TikTokにおいても、投稿を見られる人、コメントできる人を制限する、ブロックする、不適切なワードの排除など、様々な安全設定ができますが、これを使いこなしてもらうためには、もっときちんと説明していかなくてはいけないですね。
尾花 そうですね。車の運転をいきなり始める人はいないですよね。みんな必ず教習所に行って運転の仕方や交通ルールを学びます。でも今の子どもたちは、スマホは小さい頃から身近にあって、使うところから始めています。自分で自由に使えるようになった頃に、使い方や約束などを後追いで教わります。こうした時代は、デジタル機器について自分で学び取らなければいけません。携帯などを使っていると半年、1年たって「こんな機能あったんだ」と気づくことが多々あります。早めに気づかせてあげたり、使い方をレクチャーしてあげたり、そんな機会が子どもたちに増えるといいなと思います。
ネット教育アナリスト尾花紀子氏
ITのプロと親との両目線で現状を分析する「ネット教育アナリスト」として活躍。インターネット教育関連の執筆・講演の他、監査機関の理事や行政機関の委員等青少年のネット環境作りに幅広く寄与。テレビやラジオなどにも多数出演。
大人のリテラシーが高ければ子どものトラブルは減少する
山口 デジタル機器を単に取り上げたり、インターネットを遮断したりではなく、今は、使いながらセキュリティのリテラシーを高めていく時代になってきています。最近の子どもたちがインターネット上で様々なトラブルに遭う、そうした傾向についてはどのようにお考えでしょうか?
尾花 トラブルは多岐に渡っていますね。特に中学生・高校生ぐらいは、動画を配信したことによって大人からのメッセージが届くと、人に認めてもらったことが嬉しくて、これに反応してしまい、やり取りが生じ、そこからトラブルに発展したという事例もあります。また、海外ではちょっと危険なチャレンジ動画を思春期の若者たちが真似して、死者が出てしまったというケースもあります。動画のクオリティも上がり、誰でも発信できる時代になりましたが、投稿した内容のあら探しをして、文句を言うことでストレスを発散するような大人も増えていて、その餌食になってしまう子どもたちもいます。SNSのほとんどは13歳以上という対象年齢があるにも関わらず、保護者が無知で小学生の子どもに自由にSNSを使わせた結果、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう事件も起こっています。大人のリテラシーが高ければ、子どもたちのトラブルは減少するのですが、子どもがスマホや動画を楽しむようになってからの年数と、大人の経験年数がほぼ一緒なので、うまく指導していくことが難しい面もあると思います。だからこそ、大人が想像しないようなトラブルに、子どもたちが知らないうちに巻き込まれてしまう現状が起きているのではないでしょうか。
山口 たしかに自画撮り被害や、誹謗中傷の話など、様々なトラブルに巻き込まれていく事例が増えているのが現状だと思います。TikTokでも、被害をどのように防げるのかを日々、検討しております。また、尾花先生のような有識者の皆様から、アップデートされた情報を得ることで、引き続きTikTokを、安全・安心のプラットフォームにしていきたいと考えています。
尾花 事業者が安全機能などを提供しても「知らないから使えない」という現状がたくさんありますが、子どもたちにはぜひ知ってもらい、試しに使ってもらいたいと考えています。大人は「試しにやって壊れちゃったらどうしよう」と思うのですが、「何をやったか覚えておいて。おかしかったら戻せばいいから、この機能を試してごらん」と、子どもたちの興味を引き起こすような呼びかけを行い、さまざまな機能を広く知ってもらうような取り組みを、ぜひお願いしたいなと思います。
ByteDance株式会社山口琢也 執行役員 公共政策本部長
2003年より内閣官房情報通信技術(IT)担当室にてIT国家戦略立案に携わり、2005年より日本マイクロソフト、シスコシステムズ、Googleにて公共政策・政府渉外部長を歴任。2015年3月よりフェイスブック ジャパン執行役員を経て、2018年9月より現職。
ユーザーの安全・安心に関する取り組み
青少年の安全・安心のためにできること
TikTokでは、ユーザーの安全・安心、特に青少年の安全・安心な利用を重要事項と位置づけている。そうした最新の取り組みについて、ByteDance株式会社 金子陽子 公共政策本部 公共政策マネージャーが説明した。
未成年のプライバシー保護に関する安全性の機能を強化
未成年者の保護のために、昨年4月から、16歳未満のユーザーはDM(ダイレクトメッセージ)が使用禁止になっていたが、今年1月に入り、16歳未満のユーザーに対し、新しい機能をさらに3つ追加した。1つ目は、プライバシー設定をデフォルトで「非公開」にしている。また、これによって動画を視聴できる人は、フォロワーとして承認された人だけにしている。プライバシーの公開について慎重な意思決定を促せ、見知らぬ人に自分の動画が見られることを防ぐことができるようにした。2つ目は、自分の動画にコメントできる人を「友達のみ」「オフ」しか選択できないようにして、「誰でも」を選べないようにしている。3つ目は、自分の動画に対して他人がデュエット、リミックスしたり、その動画をダウンロードできないようにした。動画を引用して、悪用したり、拡散したりできないようにする効果がある。また、新規ユーザーに導入していた年齢認証システムを、今年2月からは既存ユーザーにも導入。全ユーザーが対象になることで、13歳未満の利用禁止という対策を徹底できると考えている。
保護者が子どもの利用を管理できる機能を強化
また、「ペアレンタルコントロール機能」についても強化している。2019年4月に導入されたこの機能は、保護者のTikTokアカウントと子どものアカウントを連携させることで、子どものさまざまなコンテンツ利用やプライバシー設定を保護者自身の端末から管理できるようにするもの。既に、使用時間、見られるコンテンツの質、DMの利用を制限できる機能を導入していたが、昨年11月に新たな機能を追加した。動画、ユーザー、ハッシュタグ、楽曲などの検索の制限のほか、子どもの動画にコメントできる人の範囲を「すべての人」「友達のみ」「オフ」から選択できるように。子どもが投稿した動画に、「今度、会おうよ」といった不適切なコメントが付くことを防ぐことができる。また、「見つけやすさ制限」として、一般ユーザーの検索結果に表示されないアカウント「プライベート」を選択することも可能に。さらに、TikTokでは「いいね」をした動画のリストが一覧で出てくるが、リストの公開範囲を子ども自身だけに設定することもできるようになった。子どもの好みを把握して近づいてきたり、その子が「いいね」した動画に似たような友達がいるだろうと声をかけてくるのを防ぐ効果もある。
誹謗中傷コメントを防止する機能も強化
誹謗中傷の取り組みについても力を入れている。TikTokには元々、アプリでのやり取りをコントロールする機能は備わっていて、ひどいコメントやDMは削除でき、誹謗中傷してきたユーザーをブロックしたり、TikTokに通報することもできる。今年3月、誹謗中傷コメントを防止する2つの機能をさらに追加した。1つ目は、「すべてのコメントのフィルタリング」機能。オンにすると、すべてのコメントが自分で承認しない限り表示されなくなる。2つ目は、「コメントする前に再考を促す」機能。いじめや嫌がらせなど配慮に欠けるキーワードを打ち込むとAIが検知して、再考を促すメッセージが表示される。これまでは誹謗中傷をされた際にどう対応するかという事後的な対策だったが、今回は誹謗中傷を事前に防止するための機能になっている。 TikTokは誰もが安全に利用できるプラットフォームを維持、強化すべく日々改善や啓発活動に取り組んできたが、今後も引き続き、安全・安心の対策に取り組んでいく。
未成年の保護のための機能強化の例
- ■ 16歳未満のユーザーのDMの使⽤禁⽌(機能制限)
- ■ 16歳未満のユーザーのプライバシー設定をデフォルトで「⾮公開」に変更
- ■ 16歳未満のユーザーの投稿へコメントできる人の選択肢から「誰でも」を削除
- ■ 16歳未満のユーザーのデュエット機能・リミックス機能の利⽤を制限※16〜17歳のユーザーの場合、デュエット機能とリミックス機能のデフォルト設定は「友達のみ」に設定される
- ■ 年齢認証システムを既存ユーザーも含めた全ユーザーに導⼊。これにより、13歳未満ユーザーの利⽤禁⽌を徹底
アプリを活用した啓発動画
人気クリエイターと連携して、ユーザーの視点に合わせた楽しい啓発動画を制作・配信
これまでに制作・投稿した38本の啓発動画の累計再生回数が3,700万回を突破
TikTokでは、公式アカウント「TikTok安全推進チーム」を2019年8月に開設し、これまでに計38本の啓発動画を制作・投稿。累計再生数は3700万回以上にのぼる。これまで扱ってきたテーマは、誹謗中傷、児童ポルノ被害、ネット詐欺、違反ユーザーや動画の通報など、多岐に渡る。アプリ内の人気クリエイターとコラボし、ユーザー視点に合わせた動画を制作・配信している。クリエイターのキャラクターや個性を生かしながら、実際の被害ケースをできるだけリアルに再現し、伝えられるように意識した啓発動画となっている。
また、TikTokでは、2020年からライブ機能が正式にスタート。2月1日〜3月18日の「#TikTokサイバーセキュリティ月間」キャンペーンでは、著名人やTikTok人気クリエイター、関連NPO、有識者を招き、ネットの安全な利用方法をテーマとした座談会を開き、TikTok LIVEで配信した。今年1月の「デジタル性暴力防止オンラインフォーラム」もTikTok LIVEで配信。普段はなかなか意識することのない安全に関わるテーマも、TikTok LIVEで配信することで関心を持ってもらう機会となった。今後もTikTok LIVEを活用した啓発に継続的に取り組んでいく計画だ。
人気クリエイターの聖秋流(せしる)さん(写真左)や、ゆりさん(写真右)などが重くなりがちなSNSの問題について「ユーザーの視点に合わせた楽しい啓発」をテーマに動画制作。サイバーセキュリティ月間にも登場し、啓発を動画で伝えた。
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